【爆撒英雄サトルのガイア建国記】

池上 雅

文字の大きさ
18 / 197

*** 18 涙のお誕生日パーティー ***

しおりを挟む

 レベルアップが嬉しくなった俺は、またみんなを集めて聞いてみたんだ。

「なあ、俺の大幅レベルアップのお礼に、お前たちにまた何かプレゼントをしたいんだけど、なにがいいかな?」

 土の大精霊ノームが慌てて言った。
「そ、そそそ、そんな…… もう充分に良くしてもらってるだ!」

 他の連中も必死でこくこく頷いている。

「いやそんなに気にするなよ。なんでもいいから言ってごらん」

 システィも協力してくれてみんなを説得した結果、ようやく水の大精霊ウンディーネがぽつりと呟いてくれたんだよ。
「男の子のお友だちが欲しい……」って。

 どうやら俺とシスティが仲良くしてるのが羨ましかったらしいな。
 そしたらみんな顔を見合わせちゃって、真っ赤になっちゃったんだ。
 そう言えばそうだったよなあ。
 水の精霊と植物の精霊と風の精霊と光の精霊は女の子ばっかしだし、火の精霊と土の精霊は男の子ばっかしだし……

 でもなあ……
 男の子404人分と女の子202人分の精霊かあ……
 どうしたもんかな……

「あら、それぐらいの精霊さんだったらなんとかなるわよ」

「えっ……」

「この世界の知的生命体を創造したときに、神さまから頂いた『創造用ポイント』が確かまだ少し残っていたはずだから」

「だ、大丈夫なのか?」

「うふふ。だってわたし、そのときは数十万人分の生命を創造したんだもの。
 アダムさん。大丈夫よね?」

(はい、システィフィーナさま。ポイントは十分に残っております)

「それじゃあ明日までに新しい精霊さんたちを創造しておくわね。
 みんなそれでいい?」

 精霊たちはみんな、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷いたんだ……


 翌日は壮観だった。
 6種類の精霊が、男女各101人ずつ合計1,212人も揃ったんだもの。
 男の子たちや女の子たちは、みんな恥ずかしそうにお互いを気にしてるようだった。
 それに、幸いにも男の子も女の子もみんなトンデモな美形でいい子たちだ。
 誰もあぶれることなく、順調にカップルが出来ていったらしい。
 それにカップルの相手とだけでなく、みんながみんなと仲良くしていたようだったし。
 よかったよかった。
 俺はほっとしつつ、精霊たちの洋服ショップの商品を大幅に拡充して、ゲーム機も大量に追加購入したんだ。



 数カ月後。

「なあ、システィ……」

「なあにサトル……」

「俺の目の錯覚かな。
 精霊の女の子たちのお腹がみんな膨らんでいるように見えるんだが……」

「う、うん。わ、わたしにもそう見える……」

 精霊の男の子たちは、みんな女の子たちのために、荷物を持ってあげたりケーキを切り分けてあげたり、優しく気を使っているようだった……



 さらに数カ月後。

「なあ、システィ……」

「なあにサトル……」

「俺の気のせいかな……
 ちっこい精霊たちがたくさん飛んでるように見えるんだが……」

「う、うん…… わたしにもそう見えるわ……
 10センチぐらいの可愛い精霊さんが600人ぐらいいるように見える……」

 俺とシスティは顔を見合わせた。
 あまりに可愛らしい子精霊たちを見て、お互い自分たちの子も想像してしまったんだと思う。
 見つめ合う俺たちの頬が赤くなっていった……


「あーっ! 使徒しゃまでれでれしてるぅっ!」
「「「「「「「「 でれでれしてるぅっ! 」」」」」」」」

「あーっ! システィしゃまもでれでれしてるぅっ!」
「「「「「「「「 でれでれしてるぅっ! 」」」」」」」」

 なんか俺たちの周りにちっこい精霊たちが大勢集まって来て騒いでるぞ……


「あのねあのね。ウチのママも、夜になるとパパにもたれかかってでれでれするんだよー」
「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」

「とくにアタチが寝たふりすると、ママったらお洋服脱いでパパのおひざに座ってもっとでれでれするのーっ!」
「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」

「それでねそれでね! いつもはママはパパのこと『パパ』って呼んでるんだけど、お膝の上に乗ると、『ねえ、アナタん♡』とか言うのよ!」
「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」

「システィフィーナしゃまも、使徒しゃまのお膝に乗ったりするのかなあ」
「きっとしてるよー」
「夜になるとするんだよー」
「お洋服も脱いじゃうんだよー」
「きっとちゅっちゅもしてるよー」

「ウチのママって、いつもタカビーなんだけど、どうして夜になってパパの前だとあんなにでれでれになるんだろ?」

「あのねあのね! このまえそれ聞いてみたら、ママ、『あなたの弟か妹を産んであげるためよ♪』って言ってたよーっ!」
「あ、それウチのママも言ってたーっ!」

 そのとき光の大精霊ルクサーテム風の大精霊シルフィーがぴゅーって飛んで来て、真っ赤な顔しながらちっこいのを小脇に拉致して、またぴゅーって飛んでっちゃったんだ。
 なんだったんだあれ?





 或る朝、目が覚めると、レベルアップチャイムが鳴った。

「ぴろりろり~ん。使徒サトルの年齢が1上がりました」

 そうか……
 今日は俺の誕生日だったのか……
 へへ。俺17歳になれたんだな……

 俺は何も言わずにいつもの朝練を終えた。
 それでシスティに大広間に呼ばれた俺は大硬直したんだ。

 そこには…… 「使徒サトルさま、お誕生日おめでとうございます♪」って書かれた大きな垂れ幕があって、壁とかには飾りつけがしてあって、部屋の中央にはローソクが17本立った巨大なケーキが置いてあったんだよ……

 そして、そこには大勢の仲間たちがいたんだ。
 1212人の精霊たちと、606人のちっこい精霊たちと、98人の悪魔達と……
 エルダさままでいてくれて、そうして中央にはシスティが微笑みながら立っていてくれたんだ……
 そうしてみんなで『パッピーバースデー』を歌ってくれたんだ……

 俺思わず号泣しちゃってさ。
 だって、去年の俺の16歳の誕生日って、昏睡状態で意識無かったんだぜ。
 翌朝病棟で意識が戻ったら、枕元にちょっと乾いちゃった小さなケーキが置いてあって、「サトルくん、お誕生日おめでとう!」って書かれた紙が置いてあっただけだったんだぜ……
 こんな幸せな誕生日、生まれて初めてだよ……

 システィも悪魔達も貰い泣きしてた。
 まあ精霊たちは巨大ケーキを取り囲んでわくわくしてただけだったけど。
 こいつらはこれが標準仕様だからかまわんさ。

 システィの誕生日は来月だそうだから、そのときも盛大に祝ってやらんとな。
「ところでシスティは何歳なんだ?」って聞いたら、途端にシスティから負のオーラがぶおおおおおおって噴き出して来たんで慌てたけど……
 慌ててシスティを抱きしめて、ほっぺにちゅーしたらすぐに止まったんでヨカッタよ。




 俺は決意を新たにした。
 俺が任務に失敗したら、悪魔達はともかく精霊たちはみんな消えちゃうんだもの。
 そんなことは絶対に許せないしさせない。


 俺は毎日20回近いペースで爆撒死を繰り返した。
 ベギラルムを魔法攻撃しての魔力枯渇による気絶も毎日50回だ。
 途中からベギラルムが少し痛そうな顔をし始めたんで、俺はシスティに頼んでヤツに『防御力UPの加護』をかけてもらった。
 これは、1回かけるとそれから3時間、防御力が倍になるというスグレモノだ。
 おかげで俺は防御力200近いベギラルムを攻撃出来て、攻撃力もますます上がっていったんだ……


 そうしてそれから半年後、とうとう脳内アナウンスが俺の総合Lvが100に届いたことを告げた。
 まったく感無量だぜ。

 これで計算上、俺は3億人以上のヒト族と対等以上に戦うことが出来る。
 レベル40のツワモノでも、65万人は相手に出来るということだ。

 ベギラルムも、毎日俺を攻撃して攻撃されてたから、レベルも上がって総合レベル120になってたよ。
 だから素の状態ではまだ敵わないけどな。
 でも俺が100人いればベギラルムにも勝てるところまで来たんだ。
 へへ、俺頑張ったな。


 だから俺は久しぶりに自分のステータスを見てみることにしたんだ。
 まあいままでは敢えてあまり見ないようにしてたからな。



 ======================

 
 名前:サトル
 種族:ヒト族
 年齢:17歳
 総合Lv:100(+31)
 幸福ハピネスポイント:3037(+1619)
 増加分内訳:お誕生日会の感激、精霊家族たちの幸福
 罪業カルマポイント:0

 加護
 初級天使システィフィーナの加護

 称号:
 創造天使システィフィーナの使徒(初級)
 創造天使システィフィーナの想い人
 創造天使システィフィーナの真のパートナー
 創造天使エルダリーナが認めたおとこ
 大悪魔の忠誠心(半分)を持つ男
 世界ガイア管理システムの忠誠心(半分)を持つ男
 悪魔の大饗宴サバトの主祭
 水の大精霊の尊敬(大)
 火の大精霊の尊敬(大)
 土の大精霊の尊敬(大)
 風の大精霊の尊敬(大)
 光の大精霊の尊敬(大)

 権限:ガイア世界の管理権限

 装備:マナ・ポーション(初級)
 状態:創造神システィフィーナの加護 ×100 (副作用:発光)

 各種Lv
 E階梯 地球基準6.5
 IQ 地球基準160

 体力系
 総合体力(HP) Lv102(+37)
 内訳
 防御 Lv115(+45)
 攻撃 Lv95(+42)
 俊敏 Lv62(+32)
 器用 Lv53(+20)

 魔法系
 総合魔力(MP) Lv98(+36)
 内訳
 マナ保有力 Lv105(+43)
 マナ操作力 Lv6(+2)
 マナ放出力 Lv6(+2)

 天使力スキル(管理権限)
 『管理システム(アダム)アクセス』
 『管理空間内移動』『管理空間内物質保管』『管理空間内物質認識』
 『鑑定』

 神授スキル 
『マナ使用権限(初級)』『能力上昇上限撤廃』『能力上昇促進』
『不老長寿100年』

 行使可能魔法マクロ
『水球(特大)』 『水槍(特大)』 『水切断(強)』 
『クリーン(強)』
『火球(特大)』 『火槍(特大)』 『火爆発(強)』
『風球(特大)』 『風槍(特大)』 『風切断(強)』
『土球(特大)』 『土槍(特大)』 『土操作(強)』
『光球(特大)』 『光槍(特大)』
治癒キュア(強)』 
『身体強化(強)』 『物理衝撃波(特大)』

 精神系
 任務遂行意欲 Lv45,312(+10,130)
 不屈の闘志 Lv120(+55)

 資産
 約12億4,000万円(+4億2,000万円)



 =======================




 ああ、俺の今の身体能力だが、100メートル走は3秒を切る。
 垂直跳びは8メートルだ。
 握力は500キロ。ベンチプレスはついに1トンの大台乗せだ。
 さらに体脂肪率なんか2%以下だぞ。
 だが、どうやら俺は細マッチョ型のようで、身長185センチに対して体重は85キロほどまでにしかならなかったんだ。
 もちろん体は引き締まりまくりだけど。
 よく風呂でシスティが俺の背中に頬をつけて、「逞しい背中♡」とか言ってもくれるようになったぞ。えへへ……

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...