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ママ活

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 皆さんはパパ活って言葉を知っているだろうか?
 パパ活とは援助交際や売春を別の言葉に言い換えた物。そう筆者はこのパパ活を行おうとして美人局に会った話し…………ではない。

 では、ママ活と言う言葉を知っているだろうか?あまり馴染みのない言葉かもしれないがパパ活の男女逆転版であり、セレブなおばさま方が若い男を食い散らかすコンテンツである。(偏見)
 事の発端となったのは筆者が最近、関東の方に引っ越したことから始まる。
今度こそは女の子とやりたい放題したいなぁーという浅はかで低脳かつ煩悩丸出しの欲望から某SNSの裏垢なる物のを作り検索することから始まった。
 #裏垢女子と繋がりたい などとエ◯クスで検索すれば大量に出てくる。
実際に検索して多くのポ◯トを拝見した。
 そんな裏垢女子の中に文字の横に何やら見慣れない #ママ活 という言葉。
 一目見た時にピンと来たね!これだ!!私は自分がドケチな人間なことを自負している。金を払ってスケベしたいのなら風俗へ行けばいい。東京には有名な歓楽街吉原もある。
しかしお店でなく、ネットで探すのだから最低でも対等な立場でありたい。支払うのはホテル代のみの関係でありたい。だからこそSNS上で裏垢女子を探していた。
 それの更に上、性の欲望を解放できる上にお金まで貰え、目新しい経験が得られる。これ以上ない機会だ!と心が躍った。早速 ♯ママ活 を付けている人に手当たり次第リ◯スト、フォロー、いいねを押した。すると何故か向こうから次々と勝手にフォローされていくではないか。すぐさまフォローバックしてDM(ダイレクトメール)でやりとりを始める。
 しかし悲しいことにこのDMの全てが業者とサクラ…………そんなことは露知らずDMやプロフィール欄に書いてあるURLを辿ってL◯NE登録してやり取りができればなぁと考えていたが登録してすぐ出るのはお決まりの定型文「L◯NEの凍結が怖いからここでやり取りしよ」と別サイトへの誘導。

 そんな中DMの一部にママ友を紹介する業者が現れる。1週間に渡り、やり取りを繰り返した後に紹介料として出会い系やら、怪しいポイ活サイトへの登録要求された。まぁ無料ならと茶番と分かっていつつも普段使わないフリーアドレスを作り、サイトの利用規約に目を通してから料金表記の確認を行う。登録費用だったり、利用料金、退会費用についてだ。利用料金がチャージ式でその他が無料なのを確認してから次々とサイト登録を行っていると一つ問題が起る。
私は格安SIMを使用して居るが為、スマホのキャリア決済に対応していないのだ。登録自体が行えないサイトが複数あった。
 一つ隙をを与えれば獰猛かつ狡猾な業者は次の手を考えて来る。

  有料サイトへの登録誘導である。

 私からすれば有料サイトの登録はなんとしても避けたい。どうせ詐欺なんだろ?分かっている。誰がその手に乗るか!
 そんな私の気も知らない業者はクレジットカードはお持ちですか?と聞いてくる。勿論持っている。というか格安SIMの多くがクレジット支払いのみ対応している場合が多く、例に漏れず私の格安SIMもクレジット支払いのみの対応となっている。
だが、ここで素直に持っていますと言って良いものだろうか?
否!駄目!!
 私は「持っていません」と嘘をついて返信した。
では……っと相手はクレジットカードが不要の有料サイトの登録を促してきた。
 相手が指定したものは所謂オンラインカジノと呼ばれる類のサイトだった。う~んグレー!
とりあえず登録自体は無料だったので了承すると、じゃあ60ドルチャージしましょうか^^と言ってきた。
 60ドル?えっと今の物価は……調べると9000円
私はチャージする訳もなく結局破談にした。
同じような展開が続くことにマンネリを覚え、どうすればうまくいくのか調べ始めるようになった。

これが最大の失敗だった。

 相手から向かって来るものには警戒心を抱くが自分から行ってしまった場合、警戒心がどうしても薄れてしまう。
 ネットの海に飛び込んだ私はm◯ma t◯uch(マ◯タッ◯)なるサイトを5chのまとめ系サイトで知り、スレ内での「ここはガチ」等多数の肯定的な意見を鵜呑みにしてしまい応募した。してしまった……
 他の所と大きく違ったのは、直接の対面面接や報酬金の15%が運営に持っていかれる等、一見した所なるほどこれならお互いに利益があるなと妙に納得した。念の為、同サイトを検索した所、何件か上がり評判も悪くないような事が書かれていた。(後で気付いた所、肯定的な意見を書いていたのは全て同じ人物だった)
 そして昨日、移動に1時間程掛けて面談に行ってきた。
 面接はカフェで待ち合わせてまずは企業説明を受ける。そして実際にm◯ma t◯uchに登録するとなった時。

なんと前述したサイトを利用するには19万円を支払えと言うのだ。

 ここで私は固まった。じゅ、じゅっきゅうまん……ん?そんなことは事前の説明には何も無かったじゃないか。何を言っているんだ?報奨金の15%引かれることで事業が成り立っているのではないのか?
 一度は担当者に「すみません。止めときます。まさかお金を支払うとは思っていなかったので」っと断りを入れた。
 そう、ここでその後引き止められても断固として断るべきだったんだ!
 しかし、その後の担当者の言葉に騙されてしまった。「19万円は一時金とし頂き、もし1年間でそれ以下のお金しか稼げなかった場合は返金します」と。
 なるほど……?この時の私には正常な判断ができておらず、いくつか返金についての質問を何度も投げかけて無理矢理自分を納得させようとしていた。実の所、数日前から面接を楽しみにおり、今後の活動に期待で胸を膨らませながら過ごしていた訳だから。それに面接地に行くまでの時間や交通費を無駄にはしたくは無かった。
 
 だから支払ってしまった19万円…………

  支払いが終わるとすぐに解散となった。そして本当にこれでよかったのかと思考しながら5分後、とある事ことに気づいてしまった。

 あれ、そういえば振込先の口座教えてないぞ…………?
 やられた!!!!!!

 この瞬間頭がおかしくなりそうだった。何やってんだ俺は…………ッ!!身体の毛穴から嫌な汗が溢れ出るのを感じ、吐き気を催す。
 仮に相手のママさんとマッチング出来たとして私の口座が分からなければ給料が振り込まれることはなく、返金に対しても対応しようがない。そもそも契約書の発行もして貰えてないのだから何処まで有効なのかも分からない。一応契約書などの書面状については突っ込んだのだが、利用規約に記載しているとの事。

 ここからはずっとネガティブな心が渦巻いて何も楽しくない時間が付き纏う。
 嫌な気持ちを振り払う為に私は通称トー横と呼ばれる無法地帯に足を踏み入れる事にした。休日の昼間のせいかそこまで無法地帯では無かったものの歩きタバコや路上喫煙が当たり前に行われていて、大勢の若者やカップルに地雷系メイクの女の子、観光客、外国人、ホームレスらしき輩も数人いるカオスな空間だった。想像しているほどの惨状でないことに少しの安堵と残念な気分を味わう。
 噂の立ちんぼ女子は居ないのかと
 案の定、調べればすぐに出てきた。東横ではなくすぐ近くの大久保公園沿いが彼女たちの縄張りのようだ。
 物書きとして彼女達の実態には非常に興味があった。
 どういう境遇でここまで堕ちてしまったのか、いつまでこんな生活を送るつもりなのか(いつまで生計を立てられると思っているのか)、どうなれば現状から脱却できるのか、風俗じゃ駄目なのか等、聞いてみたいことは山ほどあった。
この日は昼間で大久保公園で催し物があったにも関わらず、数は少ないが立ちんぼ女子は噂ではなく実在した。彼女達の特徴は凄く分かりやすく、皆が全員そうと言うわけではないが、大体が20代で季節に合わず生足を出したスカートに上は厚着という格好に小物が入ったバッグを持って携帯を見て勧誘を待っていると言う形だった。
 最初は見学がてら彼女達を遠目から観察していると5~60代の爺さんが立ちんぼの1人に声を掛けて交渉している姿を目撃する。話は纏まったようでラブホへと移動を開始したので、私も少し遠くから着いて行ってみる。二人は明らかにカップルというには異質すぎるため、少し距離を置いて歩いていたが同じホテルへと姿を消していった。一応は警察を警戒しているよう見えたが二人とも後ろを一度も見向きもせずに私が尾行している事には気づきもしなかった。
 そんな姿を見て私の中でも黒い欲望が充満していく。彼女達のような存在なら何しても良いのではないだろうか?(交渉した上でのアブノーマルなプレイ)
 気づけば先程19万円下ろしたばかりのキャッシュカードを使い追加で4万円を下ろして再び立ちんぼの居る公園付近へと向かっていた。もうどうにでもなれという気持ちでいっぱいだった。

 
 公園に戻ると彼女達の姿は無く、まだ本来の活動時間とは違うこともあり歌舞伎町探索して時間を潰す事にした。
 日が暮れる頃にもう一度公園へと戻るとまだまだ人は少ないがそれでも数人ばかり立っていた。その中の一人に目をつけたが、その子は他の仲間と話し込んでいて、誘いづらかったので別の子へと変える。どうしようか悩んでいるとまぁこの子でも良いかってくらいのレベルの子を見つけ躊躇しながら声を掛ける事にした。
「ヤッてる?」
 我ながら酷いアプローチの仕方だった。声を掛けられた側の女も「ハぁ?」みたいな感じで対応される。少し間を置いて……
 「条件は?」
 「いくらならいい?」
 「2万」
「時間は?」
「時間とかないから一発抜いたら終わり」
「ホ別?」(ホテル料金は別なの?の意)
「当たり前やん」←キレ気味に返される。
「こういうの初めてだから分からなくって」
「…………」
「…………」
 メンタルクソ雑魚の私はもう無理!帰りたい。何で金払ってギクシャクしたままSEXしなきゃならんのだって。こんな雰囲気でまともなプレイすら出来るかも怪しい。所詮メスガキ、ホテルに入った後、力で屈服させる事も可能だろうがクソ雑魚メンタルな上、今の私にそんな気力はなかった。
「ごめん。やめとくわ」
 断って負け犬の如くそそくさと退散してそのまま帰路についた。
だから先に言っておくと神に誓って私は犯罪行為を犯してはいない。
 売春に関しても相手が未成年ならまだしも成人済みで同意の上ならそれは自由恋愛の範疇では無いのだろうかという個人的な見解。

 そんなこんなでその日が誕生日だったのにも関わらず、心に深い傷を負って高過ぎる授業料を払って帰宅したのであった。
 私みたいな女性と話すのがマジで苦手な人種にはこれで良かったのかもしれない。

※一応登録サイトのは自身のプロフィールが掲載されているので詐欺ではなく本当にママ活が始まった際にはそれらを記したいと考えております。

 

 最後にこれを読んでママ活に関心を抱いた方へ騙された側としての忠告。
 ママ活なんてものは幻想でしかない。あるとしてもそれはリアルで知り合った同士での金銭のやり取りがある恋愛であり、ネットを介してのママ活は存在しない。
 何故なら出会い系サイトの多くが男性は有料で女性は無料という形が多く、現状明確に女性優位な実情があるから。それなのに女性側がわざわざ高いお金を払って男と付き合うなんてことはありえないからである。
 また富裕層には富裕層の情報ネットワークが存在しており、私みたいな一般人男性がその富裕層のターゲットになる事はないと考え辛い。
 Q.そこまで分かっているのに何故詐欺にあったのか?
 A.性欲を抑えられず自分を客観視できなかったからである。
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