昨日19万円失った話(実話)

アガサ棚

文字の大きさ
2 / 3

警察署で相談

しおりを挟む
 ママ活詐欺被害に遭ってから数日……依然としてママさんからも連絡も無く、どうすれば19万円が返ってくるかを考えていた。
諦めていた19万円、人生経験への投資と考えても額が大きい割に大した経験を得られていない。というのも私が体験したことといえば面談して19万取られただけなんだから経験もクソもない。
 このまま泣き寝入りは嫌だ!なんとかして取り返したい。詐欺被害に遭った時の対処法をインターネットの先生go◯gle先生に聞いてみたところ、詐欺被害無料診断というのが最初に出てきたので自分が該当する欄にチェックを入れると【取り返せる可能性が高い】と表示され、私の目に希望の光が宿り始める。
 このまま民間企業(?)に任せるのも一つの手だとも思ったのだが、まずは警察を頼る事にした。無料で利用できるのであればそちらの方がいいに決まっている。
 決めたことはすぐに実行する。行動は早ければ早い方が良い。自分の熱量が冷めてしまったり、相手との会話の記憶も時間が経つにつれて曖昧となってしまう。
数日しか経っていない現状で詐欺と断定して良いのか客観的視点で言えば難しいかもしれない。
しかし私の中での【まとも】とはお金が絡んでいる以上、問い合わせにはすぐに対応するのが常識であり、少し応答に時間がかかったとしても何日も放置するなんてことはあり得ない。いまだに返答のない現状に不安と苛立ち、不満を感じており、私の中での詐欺疑惑は確信へと変わりそう結論づけた。

 平日は時間の都合を作るのが難しく土日を待ち、寒空の中普段の行動範囲とは違った為、道を間違えたりして1時間半ほど掛かり警察署に到着。
 私を出迎えてくれたのは中年でビール腹のカエルのような顔をした警察官(以降1)
正直見た目からしてこの人に相談しなきゃ行けないのか……っと心の中で不安に思った。
私「詐欺被害で相談に来ました」
1「どういった詐欺ですか?」
私「出会い系です」
初手でママ活詐欺ですとは恥ずかしくて言えなかった。
1「どんな?」
私「えっと……」
言葉を選ぶのがすごく難しく中々言葉が出てこなかった。
私「ママ活詐欺です」
 数秒前の考えを捨てて恥をかく事にした。こちらはこれから相談になってもらう立場、自分の保身のために最初と後で意見が食い違ってしまえば何言ってんだと思われてしまう。
1「ママ活?パパ活じゃなくて?」
 どうやら警察官の中でもママ活は一般的では無くどういうものか理解を得ていなかった。
私「パパ活の反対で女性とデートしてお金を貰うことです」
 説明をしているとなんだなんだと警察官2が出てきた。
1「なんで詐欺って思うの?」
私「直接会った後、そういえば振り込み口座を聞かれて無いなって。それで問い合わせしたんですが一向に返事がなくって」
2「それで詐欺だと?」
私「一応契約終了時まで何もなかった場合は払った分のお金が払い戻して貰えるって話しだったんですけど、口座番号が分からなかったらそれもできませんよね?」
1「とりあえずあなたの身分証明証のコピー取らせてもらっていい?」
私「はい。免許証で良いですか?」
 ここで警察官1が免許証のコピーを撮って一時退席。
2「取り敢えずそこに座って」
 3人ぐらい座れそうな横長の椅子に座らせる。
ここで警察官3、4が到着する。余談になるが警察官4は恐らく20代の女性で結構可愛かった。
3「何、どうしたの?」
2「詐欺だってママ活」
4「ママ活?」
警察官たちのやりとりを隣で聞いてて恥ずかしくて仕方がなかった。身体が熱くなり気分は地獄だった。幸いだったのは他の市民がいなかったことくらいか。
1「はい、免許証ありがとう」
3「相手とはどういう感じでいくらお金渡したの?銀行振込?」
私「相手とは面接という形で直接会って手渡しで19万円渡しました」
3「場所は?」
私「東京の〇〇です」
1「東京?うーんだったらうちの管轄じゃないな」
2「都庁だね」
 私が住んでるのは関東ではあるが東京ではなく、今回相談に行ったのは住んでる地域の最寄警察署になる。
話しを聞くところによると金銭被害現場が管轄区域になるようだ。これが銀行振り込みで振り込んだのが住んでる場所のATMで有れば今回の警察署の管轄となるらしい。
 なんだか雲行きが怪しくなってきたもの一応相談には乗ってくれるようで話しは続く。
3「やり取りはどうやったのライン?サイトはアプリ?」
私「webです」
3「どんなのか見せてもらってもいい?」
webサイトを表示して警察官たちに見せる。
3「サイトはちゃんと存在してるんだね。何てサイト?こっちでも調べる」
私はスマホの画面を警察官たちに見せてサイトを検索しだす。
1「利用規約はちゃんと読んだ?利用規約に全部書いてあるよね?」
私「一応目は通しました」
1「だったら全部書いてあるよね?書いてないんだったら無効だよ」
私「話しあいではー」
1「口約束だと証拠にはならないよ。というかちゃんと利用規約読んで無いよね?」
私「……」
確かに目は通したものの"ちゃんと"読んではいない。と言うか利用規約を読んだのもお金を渡した後になる。
3「駄目だ検索しても出てこない」
4「どういう経緯でこのサイトって知ったんですか?」
私「ネットで調べてきたら出てきて、女性とデートしたらお金を貰えると知って」
2「直接手渡しで?」
これは警官2の引っ掛けだとわかった。もしここで「はい。そうです」と答えてしまえば脱税者扱いされていただろう。
私「いえ、向こうの仲介業者を通して15%引かれた額が入ってくるという話しでした」
3「相手とのやり取りってある?」
私「L◯NEのやり取りでいいですか?」
3「うん。よかったら見せてもらえる?」
スマホを警察官3に渡し相手とのやりとりを見てもらう。
3「うーん。この時点ではお金を支払うことが書かれてないね」
私「私も15%の額が引かれるということは分かっていたのでまさか当日にお金を払う事になるとは思わなかったので一度は断ったんですが、相手の話しだと何もなかったら支払った分のお金は返ってくるプランがあると言うことでそちらのプランを利用しました」
3「それって登録料って事?」
私「向こうの言い分では登録料ではなく、サイト利用料金みたいなものらしいです」
3「それでそのお金が戻ってくるってこと?」
私「そうです」
3「もう一回最初のサイト見せて貰える?」
私「どうぞ」
3「利用規約のところ見せて貰える」
私「はい」
3「うーん見つからないね。ありがとう」
私「自分で読んだ時には確か契約終了前の5日前くらいに申請すれば返金できるって書いてあったんですけど……」
1「でも書いてないんだよね?だったら無理だよ」
3「あ、あった。見つけた」
どうやら警察官3は自分のスマホで先程のサイトを見つけたらしい。(返金に対する文言ではない)
3「登録自体はちゃんとされてるの?」
私「はい。それはされてます」
2「だったら一応、向こうもやることはやってるんだね。サイト自体が無いとかだと詐欺になるんだけど」
私「2週間以内にマッチする確率が90%以上だと聞いています」
1「まだ1週間しか経ってないよね?」
私「振り込み口座について運営への問い合わせしても返答が一切有りません」
3「会社概要が分かるページってある?」
私「ここに載ってます」

運営責任者:問い合わせよりお願いします
所在地:マップで調べてでてくるのは適当な一軒家
連絡先:問い合わせよりお願いします

3「これじゃ何も分からないね」
私「ですよね」
「…………」
3「このサイトにあなたのプロフィール欄って有る?」
私「顔写真付きで有ります」
2「お金はどう言う形で支払われる予定だったの?」
私「女性が仲介会社にお金を支払い、そこから15%引かれた額が私に入ると言う形です」
3「だとしたら雇い入れみたいな感じになるのか」
2「だったら詐欺にはならないんじゃないかな?」
私「???」
3「あなたは一応この仲介業者の雇われ社員って形になってます」
私「はぁ」
3「サイトにも掲載されてるので相手もやることは最低限やってると言える形になります」
私「えぇ……」
4「このサイトって会員登録しなくても閲覧できるんですか?」
3「閲覧はできるけど、購入ページになると会員登録してないと見れないね」
4「そうなんですね」
3「あ、間違って会員登録のボタン押しちゃった」
4「ちょっと、何やってるんですか」
1「ウチじゃこれ以上何も出来ないけどどうする?」
私「……例えばなんですけど、この中の誰かが会員登録して実際に面接を受けた場合ってどうなりますか?」
1「囮捜査ってこと?警察は囮捜査はやってないよ」
私「例えばの話なんで仮にやった場合はどうなりますか?」
1「もし、そうだとしてもあなたと全く同じ説明を受けたか証明できないから無理だね」
2「録音とかしてて何か証拠があれば話しは別なんだけど」
私「そうですか……」
完全に詰んでいた。詐欺業者は自分の土俵で戦い、私はその土俵の上で気付かず内に土俵から落とされていたのだ。
1「もういい?」
明らかにもう帰れという雰囲気を出す警察官1。正直彼らにもやれることがない上、こんな馬鹿話しに付き合いきれないのだろう。
私「…………」
1234「…………」
それでもまだ諦めたくない私はなんとか足掻こうと必死に踠く。ここで話しが終われば何も戻ってこない。
私「もし、今後相談するなら都庁に相談すれば良いでしょうか?」
3「そうだね。まずは電話で相談して解決策出来そうなら直接出向いて相談ってことになるかな」
私「わかりました。本日はありがとうございました」
2「気をつけてお帰りください」

 警察署を出た後の私は完全全敗北の味を口の中に溢れて悔しさやら惨めさで酷く心が痛んでいた。
警察の対応ももっと親身に相談に乗ってくれると思ったが正論パンチで殴られてばかりだった。きっとこの後仲間内で私のことを馬鹿にしたりすんだろうなと言う被害妄想をしながら帰路についた。
 時間はお昼を少し過ぎ、精神的に疲弊した私はせめて美味しいものでも食べて気を持ち直そうと外食することにした。外の看板に鍋と書いてあったの今の私の心を温めるにはちょうど良いなとそんな思いで入った。
 中に入ると想像とは少し違い、レストランと定食屋さんの中間くらいで料理の値段もそこそこした。時間も少しずれていたので客も少なく、私が案内された和室は貸切状態となった。
 何を食べようかとメニュー表を見ると期間限定欄に牡蠣フライの文字が見え、すぐに決めた。届いた牡蠣フライは熱々サクサクで中がとろっとして大変美味しかった。何より驚いたのはお店オリジナルのゴマドレッシングがめちゃくちゃくちゃ美味しかった。値段はしたものの満足感は高かった。
 余談ではあるがまさかこれが3日後の地獄に繋がるとはこの時は思いもしなかった。当たってしまったのだ!牡蠣にっ!!……ノロウィルスである。

家に帰った後、もう一度利用規約を見直すと規約内に返金に関する一文を見つけた。
但し、私が実際契約に対して【幾ら支払った】かの証明するものがないので躱される可能性がある。答えは一年後!!


最後に自分への今回の戒め。
利用規約はちゃんと読もう。
領収書を要求しても出ない場合は証拠を残すために動画撮影の許可を取り撮影して証拠を残そう。写真や録音よりも録画が物的証拠として強い。
もし、撮影を断られた場合は相手にやましいことがあるとして交渉決裂で破断としよう。
詐欺業者も馬鹿ではないので詐欺と告訴されないラインを攻めてくる。
移動費の端金や時間よりも大金(19万)諦められない契約金は絶対に渡さないようにする。
牡蠣を食べるときはちゃんと仲間で火を通そう。外食の場合は半生な場合もある。牡蠣の毒はヤベェ。
ちなみに筆者の場合毒自体は大したことなかったらしいのだが、宿便(腸内に溜まったう◯こ)が残っていた中で過度な食事を摂った為、上からも下からも出せないとなり地獄の苦しみを味わう羽目となった。救急車呼ぶ人もいると医者は言っていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛

MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

処理中です...