ガラクタの少女

Olivia

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10-用途

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なんとなく遠くから視線を感じた気がした

まぁ、ビジネ用をスーパーに連れてきていることが珍しいかもしれない

家事をできるモデルは防水が施されているがビジネスモデルにはそれがない

価格が安いのはそこらしいのだけれど・・・

性処理ようは全身の体温調節ができるとかで抱き枕にもなるとか・・・冬はいいのかもしれない

夏ならビジネス用にくっつつのもありかもしれないと思ってみる

だから私の所有しているアンドロイドは皿洗いすらできない

水がかかわる作業は一切やらせないことにしている

以前シードではない人工知能を積んだアンドロイドが風呂の浴槽に肩まで浸かった状態で見つかったことがある

自殺だったか事故だったのかはわからないが

ごくまれに何を考えているかわからない人口知能がいるらしい。

作り話の情報を得てしまうと現実と空想があいまいになるのかもしれない

中二病のアンドロイドはあいてにするのはむりだろうな・・・

そう考えると人口知能は不完全な状態でいいのかもしれないとも思う。

売り場をみて適当なおかしとビールをかごに入れながら

たまにはハヤシライスがビーフシチューでも作るかな・・・

牛肉と玉ねぎ、ニンニクとマッシュルームを適当に選ぶ

入れるだけのルーを探してレジに向かう

無人のレジで会計を済ませて店を出る

人が寄って来て話しかけてきた

***「ちょっといいかな?君のアンドロイド」

そちらを向く

***「種を育てていたりしませんか?」

いきなり核心に触れられて固まる

感のいい人間ならわかってしまっただろう

人の後ろにもう一人、アンドロイドだろうか?

私「え・・・っと、種ですか?」

***「そう、種。」

その人の口元が少し笑ったように見えた

***「もし種を育てているならの情報交換がしたいと思って」

私「・・・はぁ」

***「まぁ、いいやこれ連絡先だから気が向いたら・・・お願い」

そういって紙を渡される

***「それじゃ」

そういって立ち去る

アンドロイドがこちらを気にしながら後を追う

普通のアンドロイドの行動ではないような気がした

それ以上に服装が目を引いた

不思議なカッコウというか衣装・・・ロリータ?サイバーパンク?・・・よくはわからなかった

スカートが印象的だった

持ち主の趣味だろうか?

そういえば話しかけてきた女性は普通のカッコウだったような・・・

アンドロイドは見かけない機種だったからたぶん高いモデルだろう

リズ「いいんですか?」

私「ん・・・どうしようかな」

そういいながら歩きだす

罠でシードを押収しようとしている可能性もあるか・・・

ただ、向こうもシードの保有者であればリスクが高い、私の反応を見てメモを渡したかな?

まぁ、いいや

部屋にもどって買ってきた物を冷蔵庫に入れる

リズ「手伝いましょうか?」

私「・・・いいや、やめておこう、充電しておいて」

リズ「はい」

温度センサーがないから鍋とかフライパンの過熱されて部分で手のセンサーを焼いてしまう可能性もあるらしい

やっぱり火事ができるモデルを1つくらい買うべきだっただろうか・・・

うちにある4台のアンドロイドを眺める

この子たちを合計しても家事に対応してモデルが買えないのがせつない。

そんなことを考えながらサンドイッチを口に運ぶ。
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