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配置

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「これより配置を発表する。この配置は国王様自らが考えられたものだ。各自自分の場所をしっかり把握するように」

机の上に置かれていた封筒を開け、中身を確認した。

[カイラ ティア殿  中央、最前列にて敵と交戦せよ]

げ、中央、最前列って絶対捨て駒扱いじゃん。ニアとマヤはどこになったんだろ?後で聞いてみるか。

放課後配置のことなどすっかり忘れていた俺はマヤに呼び止められた。

「いたいたカイラー!場所どこだった?」

「場所?なんの話?」

「今朝先生が言ってたでしょ、もう忘れたの?」

「あ、あー!配置のことね!僕も2人に聞こうと思っててすっかり忘れてたよ」

「結構大事そうな話だったのに忘れてたって、あんたね。で、どこだったの?」

「中央最前列だってさ」

「絶対大変なところじゃん!」

「マヤはどこだったの?」

「私は、右側、中央だったよ。ちなみにニアは中央、後方。見事みんなバラバラだねー」

「どう見ても、魔力量で決めてる配置だろこれ。ところで、そのニアがいないんだけど知らない?」

「確かに!私多くも少なくもないもん!ニアならさっきまで一緒にいたんだけどなー、何か用事があるるって先に帰ったよ」

「用事ならしょうがないか」

「あっ!そうそう、先生が呼んでたよ。なんか渡したいものがあるらしい」

「僕に?なんだろ?」

「とりあえず行ってみたら?」

「そうする。ありがとう」

マヤと分かれ、職員室にいった。

「カイラさん来ましたね。これをどうぞ」

「なんですこれ?」

棒のようなものに布が巻かれている。

「そらは、ショートソードです」

「は?これをどうして僕に?意味がわかりませんが」

「国王様が魔力の無い人でも戦えるように支給してくださいました」

「でも、僕使い魔召喚できますよ?」

「個人のことなどいちいち国王様が把握してるはずがないでしょ?渡す物は渡しましたので、早く帰りなさい。当日は遅れるんじゃないですよ」

遠回しに早く出て行けって言ってるようなもんだな

職員室を出て直ぐニアと出会った。

「カイラ君がどうしてこんなところにいるんです?それに、その手に持ってる物は?」

「ニア?なんだか久しぶりな気がするよ。これはショートソード、これ渡すから職員室に来いって言われたんだ」

「戦う手段ってわけですね。そんなことより丁度よかった、大事な話があります」

「どうしたんだよ?改まって」

「実は、数日前から旦那様が行方をくらましました」

「父様が行方不明!?それで、母様は?」

「旦那様が帰ってこなくなってから、ショックで寝込んでしまいました。私が着いていながら、申し訳ございません」

「父様が消えたってなんで分かったの?」

「それが、旦那様は「次の日には帰る」っと言って出かけたきり帰ってこなくなったのです」

何か考えがあって出かけたのか?

「その話兄様たちは知ってるの?」

「はい。先ほど伝えてまいりました」

だからさっきまでいなかったのか。

「わかった。時間ができたら僕も捜索してみるよ」

一度帰りたいが、校内から出るのを禁止されてるし。なんでこう、タイミングが悪いのか

父が行方不明と聞いて数日後、戦のため俺たちは王都にいた。





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