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農場奴隷編
第28話 襲撃 A
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俺はいつの間にか、奴隷を所有していた。
何故そうなったのか、考える。
おそらくは俺が魔力を流し込んだ影響だろうが、それだけで奴隷になるというのはいささか唐突だと思う。
俺が彼女たちを自分の女にしたいと欲していたから、それが奴隷という名称になったのだろうか……?
でも俺は、彼女たちに無理やり言う事を聞かせたいとか、そういうことは思わないんだよなぁ……。
俺は彼女たちを、自分のモノにしたい。
だが、それと同時に、彼女たちの自由意思も尊重したい……。
この関係はなんだ?
…………。
……。
結論から言うと、一番近いのは結婚だと思う。
この世界で俺は、ハーレム王を目指していた。
多くの妻を娶ろうとしていたわけだ。
前世で好きだった奴隷ハーレムものの小説の影響で『奴隷』という名称になったのだと思うが、アカネル、モミジリ、イルギットとは、結婚という契約を交わしていると捉えるのが一番しっくりくる。
試しに、アカネルとモミジリに命令してみた。
「俺のことはこれから、『ご主人様』と言え」
「は? 何言ってんのあんた。バカじゃないの?」
「……?」
「……ご主人様と言えれば、キスしてやる」
「は? なによ、それ……そんなの言わなくても、ああッ、もうッ! バカッ!」
「えっと、その、キスしたいなら、その……ロマンチックな雰囲気をですね、その」
こんな感じになった。
……。
…………。
そこにイルギットがやってきて──
「ちょっと、なに私抜きで楽しそうにいちゃついてるのよ。私も混ぜなさいよ。えっ、なに? ご主人様? 私は農場主の娘なのよ。そしてあんたは奴隷なの。あんたが私にそう言いなさいよ。そしたらキスして、えっ、別にいいって、ちょ、待ちなさい、言わなくてもいいから、ねえ、ちょっと……」
この日は何だか知らんが、イルギットが俺の所に泊まると言い出して、夜に屋敷を抜け出して来た。
そして、俺の横で眠っている。
三人には『奴隷』のことは話していない。
奴隷にする前と後とで、何かが変わったわけでもない。
話して何かが変わるわけでもない。
教会で鑑定することがあれば、知られるかもしれないが──
それまでは、このまま自然に付き合っていけばいい。
子供が出来るようなことを、するつもりもない。
そういうのは、ちゃんと子育てできる環境を整えてからだろう。
今の俺にとって、女と寝るのはコミュニケーションの一環という意味合いが強い。
やってるうちに愛情も湧いてくる。
…………。
ともかく今日はもう寝て、明日に備えよう。
──んっ?
もう朝か?
…………いや、朝というには暗すぎる。
明け方か? 春とはいえ、朝はまだ冷える。
いや、それよりも──
危険察知が警鐘を鳴らしている。
農場の中に居て、危険察知がここまで働くのは初めてだ。
俺は飛び上がるように上体を起こすと、隣で寝ている間に掴んでいたイルギットの二の腕を、力一杯、摘まんで抓る。
「おい、急いでここを出るぞ」
「ギャッ、……いっ……た。 ええっ??」
熟睡していたイルギットは、突然の俺の行動に戸惑っていたが、それに構わずに俺は奴隷の服を脱いで、戦闘用の装備で身を固める。
そしてイルギットの手を引いて、強引に外へと連れだした。
魔力で聴力を強化して、異変が無いかを探る。
ひょっとして地震でも起こるのかと思ったが──
異変は北の門のある辺りから発生した。
どっごぉおおおおおおお!!
「なんだ? 門が破られたのか?」
この農場の門は木製だが、頑丈にできている。
自然と倒壊するようなものではない。
「えっ? 何、今の……遠くで──」
イルギットにも音が聞こえたようで、警戒しながら不思議がっている。
「アカネルとモミジリも起こすぞ、なんかヤバそうだ」
何故そうなったのか、考える。
おそらくは俺が魔力を流し込んだ影響だろうが、それだけで奴隷になるというのはいささか唐突だと思う。
俺が彼女たちを自分の女にしたいと欲していたから、それが奴隷という名称になったのだろうか……?
でも俺は、彼女たちに無理やり言う事を聞かせたいとか、そういうことは思わないんだよなぁ……。
俺は彼女たちを、自分のモノにしたい。
だが、それと同時に、彼女たちの自由意思も尊重したい……。
この関係はなんだ?
…………。
……。
結論から言うと、一番近いのは結婚だと思う。
この世界で俺は、ハーレム王を目指していた。
多くの妻を娶ろうとしていたわけだ。
前世で好きだった奴隷ハーレムものの小説の影響で『奴隷』という名称になったのだと思うが、アカネル、モミジリ、イルギットとは、結婚という契約を交わしていると捉えるのが一番しっくりくる。
試しに、アカネルとモミジリに命令してみた。
「俺のことはこれから、『ご主人様』と言え」
「は? 何言ってんのあんた。バカじゃないの?」
「……?」
「……ご主人様と言えれば、キスしてやる」
「は? なによ、それ……そんなの言わなくても、ああッ、もうッ! バカッ!」
「えっと、その、キスしたいなら、その……ロマンチックな雰囲気をですね、その」
こんな感じになった。
……。
…………。
そこにイルギットがやってきて──
「ちょっと、なに私抜きで楽しそうにいちゃついてるのよ。私も混ぜなさいよ。えっ、なに? ご主人様? 私は農場主の娘なのよ。そしてあんたは奴隷なの。あんたが私にそう言いなさいよ。そしたらキスして、えっ、別にいいって、ちょ、待ちなさい、言わなくてもいいから、ねえ、ちょっと……」
この日は何だか知らんが、イルギットが俺の所に泊まると言い出して、夜に屋敷を抜け出して来た。
そして、俺の横で眠っている。
三人には『奴隷』のことは話していない。
奴隷にする前と後とで、何かが変わったわけでもない。
話して何かが変わるわけでもない。
教会で鑑定することがあれば、知られるかもしれないが──
それまでは、このまま自然に付き合っていけばいい。
子供が出来るようなことを、するつもりもない。
そういうのは、ちゃんと子育てできる環境を整えてからだろう。
今の俺にとって、女と寝るのはコミュニケーションの一環という意味合いが強い。
やってるうちに愛情も湧いてくる。
…………。
ともかく今日はもう寝て、明日に備えよう。
──んっ?
もう朝か?
…………いや、朝というには暗すぎる。
明け方か? 春とはいえ、朝はまだ冷える。
いや、それよりも──
危険察知が警鐘を鳴らしている。
農場の中に居て、危険察知がここまで働くのは初めてだ。
俺は飛び上がるように上体を起こすと、隣で寝ている間に掴んでいたイルギットの二の腕を、力一杯、摘まんで抓る。
「おい、急いでここを出るぞ」
「ギャッ、……いっ……た。 ええっ??」
熟睡していたイルギットは、突然の俺の行動に戸惑っていたが、それに構わずに俺は奴隷の服を脱いで、戦闘用の装備で身を固める。
そしてイルギットの手を引いて、強引に外へと連れだした。
魔力で聴力を強化して、異変が無いかを探る。
ひょっとして地震でも起こるのかと思ったが──
異変は北の門のある辺りから発生した。
どっごぉおおおおおおお!!
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この農場の門は木製だが、頑丈にできている。
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