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冒険者編
第40話 山賊が現れた 4 B
しおりを挟む茂みに潜んで、前方を見る。
森が開けた場所に崖と、崖を抉る洞窟があった。
アカネルたち七人には、俺のさらに後方で、待機するように言ってある。
山賊のアジトだと思うが、見張りは立っていない。
不用心すぎる。
──というか、魔物が入っていかないのだろうか?
何かの罠の、可能性もあるが──
いつまでも洞窟の様子を見ていても、埒が明かない。
俺は悩んだ末に、広域探知を使うことにした。
敵に気付かれるリスクはあるが、洞窟の中には山賊以外にも、ラズやリズのように攫われた人間がいるかもしれない。
いきなり、無差別攻撃は出来ない。
俺は魔力探知を洞窟方向へと放ち、中の様子を探る。
洞窟内には、罪科ポイントの高い人間が十六人いた。
ひと際、戦闘能力の高い奴もいる。
こいつが親分だろうか?
山賊のアジトで、間違いないようだ。
囚われている様な、普通の奴はいない。
しかし、こいつらは総じて、罪科ポイントが高いな。
チームとして行動した場合は、連帯責任なのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら、自身の魔力を火属性へと変化させる。
今の探知に気付いた奴がいれば、隠密行動に意味はなくなる。
なるべく早く、奇襲攻撃すべきだ。
俺は両手に一つずつ、炎の球を作る。
一発ずつ時間差で、洞窟の中へと投げ込んでやった。
炎の球は、俺のイメージ通りに──
着弾と同時に、爆発するように燃え広がった。
洞窟の中が、赤く光る。
中にいる山賊たちの、悲鳴と怒声が聞こえる。
俺は少し思いついたことがあり、洞窟の入り口の前まで移動する。
魔法で作った炎の壁で、洞窟の入り口を塞いでみた。
魔力探知で、大雑把ではあるが内部構造が解る。
洞窟内は入り口から一本道で、奥の方でいくつか道が別れて、その先に、部屋があったりするが──
外に繋がる出入口は、ここ以外にない。
魔法で作った炎も、空気中の酸素を消費している。
ここでこうして、出入り口を炎で塞いでいれば、山賊の残党を完封できるはず──
暫くそうしていると、奥の方から山賊がこちらに向かって走ってきた。
しかし、炎の壁に気付くと立ち止まり、右往左往し酸欠で倒れだす。
これで決着がついてくれれば、楽なんだが──
しかし、そう上手くはいかなかった。
一人の巨漢の男が、大きめの盾を構え──
炎の壁を突き破り、俺に向かって突進してきた。
──早いッ!!
山賊の親分の、タックルが迫る。
ドガッ!!!
俺は躱すのは無理と判断し──
衝突の瞬間に、自分で後ろへ飛んで衝撃を逃がした。
しかし、それでもHPの三分の一が、一気に削られた。
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