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冒険者編
第40話 山賊が現れた 4 A
しおりを挟む問題はどうやって、山賊討伐を進めるかだ。
山賊の根城は恐らく、アカネルとモミジリのオシッコポイントの先の、けもの道の奥だろう。
そちらに向けて魔力探知を打てば、所在ははっきり掴める。
しかし、それと同時に、敵がこちらの存在に気付く恐れもある。
魔力感知能力の、高い奴がいればだが──
敵の下っ端に魔法使いがいたので、俺も慎重になっている。
山賊達は寄せ集めの集団らしく、練度はバラバラだった。
──先ほど倒した三人は、結構強かった。
親分がどの程度の強さなのかは、判らない。
やはり、気になるのは──
魔法使いを、配下に従えていた点だ。
山賊の親分は、それが出来るだけの強さがあるのだろう。
俺はけもの道から、外れて──
草木の生い茂る、山の中を歩いている。
隠密結界を張って、魔力探知を短く飛ばしながら、慎重に進む。
俺の左斜め後方には、松明の明かりが見える。
アカネル、モミジリ、イルギット、サリシア、ナーズ、ラズ、リズの七人が、けもの道を通って進んでいる。
俺の左前方に、魔力反応があった。
罪科ポイントの多さから、山賊の一味だと思う。
松明を持ってけもの道の先の、アカネル達のいる方向へと進んでいる。
俺は山賊の後ろへと、回り込むように移動する。
山賊は立ち止まり、前方の松明の明かりに向かって、小さく口笛を吹く。
山族同士が、仲間かどうかを確かめるための符丁だろう。
前方の明かりからは、何のリアクションもない。
山賊は警戒して、腰に差しているシミターを抜き放つ。
俺はそのタイミングで、後ろから山賊の首を、剣で切断して刎ね飛ばした。
山賊が大声を上げる前に、始末することが出来た。
──順調だ。
このまま、こちらの存在を敵に気付かれることなく、アジトに接近することが出来れば、有利に討伐を進められる。
ラズとリズは、馬車に乗せられていた。
──馬車で、けもの道は通れない。
山賊は二人を山の奥のアジトではなく、サイザルの壁外地区に運ぼうとしていたのではないか──
ひょっとすると、そこにも山賊のアジトがあるかもしれない。
アカネルとモミジリにシミターを突き付けた三人組の役割は、小鬼族の捕虜の確認とアジトへの報告だろう。
報告係の三人がいつまでも帰ってこないので、様子見の人員を手配した。
それが、さっき殺した奴だ。
──推測だが、大きく外れてはいないだろう。
俺の推測が正しければ──
アジトにいる山賊達も、何かしらの異変は察知しているかもしれない。
様子見の斥候がいつまでも帰ってこなければ、警戒を強めるはずだ。
俺は確実に奇襲をかける為に、足早に山の中を進んだ。
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