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冒険者編
第60話 ★転生者 ピョウヘイとピュロユキ 2 A
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「災難だったね。大丈夫かい?」
「い、いえ、このくらい平気です。こう見えて俺達も冒険者ですから」
俺は強がって、そう答えた。
「そうか──見ない顔だが、新入りだったのか。へえ、なかなかいい装備を揃えてるじゃないか。けど、ゴブリンの強さには、個体差がある。油断してると、さっきみたいな目に遭うぞ」
「……それは──アドバイス、どうもです」
助けてもらった手前お礼を言っておいたが、先輩風を吹かしてきて、ちょっとウザかった。人の失敗を、いつまでも指摘しないで欲しい。
俺とピュロユキは、五人組の冒険者がゴブリンと戦っている間に、回復薬を飲んでHPを回復してある。
回復薬は試験管のような入れ物に入っている、緑色の液体だ。
これを飲めば、傷が治り、体力が回復する。
けれど、喰い千切られた肉は完全には戻らないようで、そこだけ少し凹んでいる。
「大した怪我は無さそうだな。良かった。それで……助けた報酬なんだが──」
「あっ、はい。良いですよ、ゴブリンの魔石は──そちらにお譲りします」
俺は気前よくそう言った。
俺達も奴を引き付けていたんだから、本当は魔石の半分くらいは分け前が欲しいところだが、ここは敢えて太っ腹なところを見せよう。
これで話は付いた。
今日はもう町に戻って、宿を取って寝たい。
俺が町に向かって歩き出そうとすると、ガシッと肩を掴まれた。
「──いやいや、いやいや、いや。何言ってんの? お前。ゴブリンは俺たちが倒したんだから、魔石は俺たちの物だろ。そうじゃなくて、助けた報酬を寄こせって言ってるんだよ。お前らの命を助けてやった分の金だよ。金、金を寄こせ!!」
えっ?
──なに?
カツアゲか??
「ちょ、待って下さい。冒険者が魔物を倒すなんて自分の為でしょ? 自分の利益のために戦って、それで、僕たちからも金品を要求するんですか? ちょっとそれはないと思いますね。……けど、いいでしょう。こちらも助けてもらった恩はあります」
五人組の要求は無茶苦茶だが、相手は五人でこちらは二人だ。
話し合いをするにも、数の多いほうが有利だ。
つまり、こっちは分が悪い。
そこで俺は、一計を案じることにした。
「何かしらのお礼は必要ですよね。そこで、どうでしょう? いったん町に帰り、冒険者ギルドに寄って、そこで仲裁して貰うというのは──?」
冒険者ギルドなら、この手のトラブルの仲裁は手慣れているだろう。
彼らの無茶な要求は通らない。
ギルドが間に入れば、コイツらも引き下がるだろう。
クレーマーの対処としては、百点満点だ。
俺はそう思っていたのだが──
「ごちゃごちゃと、うるせーんだよ! クソガキが!! 助けてやったのに、なんだその態度は!!」
俺とピュロユキはボコボコにされて、身ぐるみ剥がされた。
──パンツまで、取ることないだろう。
幸いギルドカードまでは取られなかったので、町に帰ってから、ギルドへの預け金で宿に泊まることは出来た。
だが──
明日からどうすれば良いんだ?
次の日から、俺とピュロユキは冒険者ギルドの斡旋する、雑用をこなすことになった。ギルドの受付の『ジョリーさん』に相談して、アドバイスされた通りにした。
装備一式を失った俺たちは、魔物退治に出ることは出来ない。
金はまだ余裕があるが、宿に十日も泊まれば底を突く。
宿は一番安いところに移したが、それでも生活は厳しい。
「い、いえ、このくらい平気です。こう見えて俺達も冒険者ですから」
俺は強がって、そう答えた。
「そうか──見ない顔だが、新入りだったのか。へえ、なかなかいい装備を揃えてるじゃないか。けど、ゴブリンの強さには、個体差がある。油断してると、さっきみたいな目に遭うぞ」
「……それは──アドバイス、どうもです」
助けてもらった手前お礼を言っておいたが、先輩風を吹かしてきて、ちょっとウザかった。人の失敗を、いつまでも指摘しないで欲しい。
俺とピュロユキは、五人組の冒険者がゴブリンと戦っている間に、回復薬を飲んでHPを回復してある。
回復薬は試験管のような入れ物に入っている、緑色の液体だ。
これを飲めば、傷が治り、体力が回復する。
けれど、喰い千切られた肉は完全には戻らないようで、そこだけ少し凹んでいる。
「大した怪我は無さそうだな。良かった。それで……助けた報酬なんだが──」
「あっ、はい。良いですよ、ゴブリンの魔石は──そちらにお譲りします」
俺は気前よくそう言った。
俺達も奴を引き付けていたんだから、本当は魔石の半分くらいは分け前が欲しいところだが、ここは敢えて太っ腹なところを見せよう。
これで話は付いた。
今日はもう町に戻って、宿を取って寝たい。
俺が町に向かって歩き出そうとすると、ガシッと肩を掴まれた。
「──いやいや、いやいや、いや。何言ってんの? お前。ゴブリンは俺たちが倒したんだから、魔石は俺たちの物だろ。そうじゃなくて、助けた報酬を寄こせって言ってるんだよ。お前らの命を助けてやった分の金だよ。金、金を寄こせ!!」
えっ?
──なに?
カツアゲか??
「ちょ、待って下さい。冒険者が魔物を倒すなんて自分の為でしょ? 自分の利益のために戦って、それで、僕たちからも金品を要求するんですか? ちょっとそれはないと思いますね。……けど、いいでしょう。こちらも助けてもらった恩はあります」
五人組の要求は無茶苦茶だが、相手は五人でこちらは二人だ。
話し合いをするにも、数の多いほうが有利だ。
つまり、こっちは分が悪い。
そこで俺は、一計を案じることにした。
「何かしらのお礼は必要ですよね。そこで、どうでしょう? いったん町に帰り、冒険者ギルドに寄って、そこで仲裁して貰うというのは──?」
冒険者ギルドなら、この手のトラブルの仲裁は手慣れているだろう。
彼らの無茶な要求は通らない。
ギルドが間に入れば、コイツらも引き下がるだろう。
クレーマーの対処としては、百点満点だ。
俺はそう思っていたのだが──
「ごちゃごちゃと、うるせーんだよ! クソガキが!! 助けてやったのに、なんだその態度は!!」
俺とピュロユキはボコボコにされて、身ぐるみ剥がされた。
──パンツまで、取ることないだろう。
幸いギルドカードまでは取られなかったので、町に帰ってから、ギルドへの預け金で宿に泊まることは出来た。
だが──
明日からどうすれば良いんだ?
次の日から、俺とピュロユキは冒険者ギルドの斡旋する、雑用をこなすことになった。ギルドの受付の『ジョリーさん』に相談して、アドバイスされた通りにした。
装備一式を失った俺たちは、魔物退治に出ることは出来ない。
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