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episode1
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僕達は産まれた時から一緒だった。
というよりかは産まれる前から、の方が正しいかもしれない。
お母さん達は高校からの親友で僕達は一緒の病院で一緒の日に一緒の時間帯に産まれた。
母さん達は奇跡だと喜んでいた。
僕達はただ仲良く育っていった。
普通の子らと同じように。
ただ狂ったのは僕の方が早かった。
「奏蘭お父さんにお弁当届けてくれない?
今日お弁当よって言ったのに持ってってないの」
「いいよ、母さんは体調大丈夫なの?」
「えぇ、今日は調子がいいの」
ニコッと微笑む母さんは儚く笑う。
小さい頃から身体が弱い母さん。
僕が小さい頃はヤツのお母さんが手伝っていたのだけれど、僕が身の回りのことが出来るようになってからは僕が家事をしていた。
だけどたまに体調のいい日は僕達に弁当を作ってくれる。
だけど今日は土曜日だから僕は学校がないけど、父さんは仕事がある。
ちなみに父さんはそこそこ小さいけれどそれでも年に1000万は稼ぐ社長さんである。
ヤツのお父さんもそこで働いている、社員として。
必然的にヤツと僕の関係も下と上で決まっていて。
「あら奏蘭くん、こんにちわ。
社長にお届けものかしら?」
「はい、父さんは今どこにいますか?」
「ちょっと待ってね、聞いてみるわ」
会社に入ってすぐ目の前に受付嬢が1人ニコニコ微笑んでる。
嘘くさい笑みで僕は好かないけどなかなか腹黒い事は感じてるから嫌いにはなれない。
「社長さん、会議室にいるわ。場所はわかるかしら?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「ふふっ、今日も礼儀正しいわね。さすが社長さんのお子さんね」
笑いかけられるけどその目は笑ってなくて。
どうもといいその場を離れる。
自我を持つようになってからは父さんの会社は僕の遊び場だ。
よくついて行って探検して会う人会う人にお菓子をもらっていた。
「えっと8階が社長室だから7階が会議室かな」
エアコンが効いてるエレベーターは好きだが浮遊感は好きじゃない僕はいつも階段を使う。
カンカンと響く音が好きだからだ。
扉を開け使用中の会議室を探す。
「あれ?ない……」
会議室は全て空室で父さんが会議をしてるはずなのにそれを示す使用中の札がない。
おかしいな、上がってくる間に会議は終わったのだろうか。
一番奥までら使用中の札がないことを確認して階段に戻ろうとした時だった。
なぜだろう、1枚の扉の向こうが気になるのだ。
その向こうから何かを感じる。
もし見たいのならそれはこっそり見なくてはならいやつで。
人間の勘は時折、すごい鋭さがあって…
僕はその扉に隙間を開けた。
というよりかは産まれる前から、の方が正しいかもしれない。
お母さん達は高校からの親友で僕達は一緒の病院で一緒の日に一緒の時間帯に産まれた。
母さん達は奇跡だと喜んでいた。
僕達はただ仲良く育っていった。
普通の子らと同じように。
ただ狂ったのは僕の方が早かった。
「奏蘭お父さんにお弁当届けてくれない?
今日お弁当よって言ったのに持ってってないの」
「いいよ、母さんは体調大丈夫なの?」
「えぇ、今日は調子がいいの」
ニコッと微笑む母さんは儚く笑う。
小さい頃から身体が弱い母さん。
僕が小さい頃はヤツのお母さんが手伝っていたのだけれど、僕が身の回りのことが出来るようになってからは僕が家事をしていた。
だけどたまに体調のいい日は僕達に弁当を作ってくれる。
だけど今日は土曜日だから僕は学校がないけど、父さんは仕事がある。
ちなみに父さんはそこそこ小さいけれどそれでも年に1000万は稼ぐ社長さんである。
ヤツのお父さんもそこで働いている、社員として。
必然的にヤツと僕の関係も下と上で決まっていて。
「あら奏蘭くん、こんにちわ。
社長にお届けものかしら?」
「はい、父さんは今どこにいますか?」
「ちょっと待ってね、聞いてみるわ」
会社に入ってすぐ目の前に受付嬢が1人ニコニコ微笑んでる。
嘘くさい笑みで僕は好かないけどなかなか腹黒い事は感じてるから嫌いにはなれない。
「社長さん、会議室にいるわ。場所はわかるかしら?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「ふふっ、今日も礼儀正しいわね。さすが社長さんのお子さんね」
笑いかけられるけどその目は笑ってなくて。
どうもといいその場を離れる。
自我を持つようになってからは父さんの会社は僕の遊び場だ。
よくついて行って探検して会う人会う人にお菓子をもらっていた。
「えっと8階が社長室だから7階が会議室かな」
エアコンが効いてるエレベーターは好きだが浮遊感は好きじゃない僕はいつも階段を使う。
カンカンと響く音が好きだからだ。
扉を開け使用中の会議室を探す。
「あれ?ない……」
会議室は全て空室で父さんが会議をしてるはずなのにそれを示す使用中の札がない。
おかしいな、上がってくる間に会議は終わったのだろうか。
一番奥までら使用中の札がないことを確認して階段に戻ろうとした時だった。
なぜだろう、1枚の扉の向こうが気になるのだ。
その向こうから何かを感じる。
もし見たいのならそれはこっそり見なくてはならいやつで。
人間の勘は時折、すごい鋭さがあって…
僕はその扉に隙間を開けた。
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