【BL】合体戦士ダンバスター

junhon

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第十四話『ドリルカッパーの逆襲! ダンバスター危機一発!』Bパート

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「カパパ、あのむすめが良いのぉ」
 河童型の巨大きよだいロボットのうでが一人の女性にびる。
「そこまでだ! カッパード!」
 そこへバスター1号に乗ったアキラが突っ込み機銃きじゆうを放ち、バスター2号のショウもレーザーで援護えんごする。
 しかし、河童ロボの身体には傷一つ付かない。
「カパパ! カパパ! そんな攻撃こうげきがこの“ドリルカッパー”に効くものか」
 カパパ将軍が高笑いを上げながら言い放つ。
「ちっ、なら見せてやるぞ! おれたちの力を! ショウ! 合体だ!」
「OK!」
 二つのマシンが急上昇きゆうじようしようしていく。アキラの1号機の後をショウの2号機が追った。
 ショウは軽くくちびるを湿しめらせ、せまる1号機の噴射ふんしや口を見つめた。レーザーによる誘導ゆうどうとコンピューターの補佐ほさがあるとはいえ、一歩間違まちがえば両機共に大破――それが合体だ。
 この繊細せんさいな作業をこなせるのは自分だけだという自負がショウにはあった。
(アキラ、君とパートナーを組めるのはぼくだけさ)
 そんな事を思い、ふっとくちびるに微笑びしようかべる。
 背後に迫る2号機の姿をチラリと振り返り、アキラも不敵な笑みをかべた。
(俺の後ろを任せられるのはお前だけだ、ショウ)
 そしてショウはスロットルを押し込み、1号機へと突っ込んだ。
「「合体! バスタークロス!!」」
 二人は声をそろえてさけぶ。
 1号機のしりに2号機の頭がつき刺さる。
 そして何処からともなく歌が流れてくるのだった。
 
 聞こえるか 平和を願うその声が
 ぼくらのいのりが今日も呼ぶ
 二人の心は真っ赤に燃えて
 奇跡きせきの合体ダンバスター
 見ろ 赤き巨神のその雄姿ゆうし
 必殺ダイリンガーが悪をつらぬ
 スーパーロボット ダンバスター!
 
 合体した二つの機体がパーツを展開し、変形していく。
 その内部ではアキラとショウの座ったシートが機体内を移動し、二人は一つのコックピットに収まった。
 アキラが前、その後ろの一段高い位置にショウが陣取じんどる。
 そして外では巨大な人型ロボットの姿が完成した。
「「合体戦士ダンバスター! 見参!」」
 それは全長120m、320tの重量を持つ巨大ロボットだ。
 真っ赤なボディの雄々おおしき姿が青い空に映える。
 足下では光のリングが回転し、その巨体きよたいを宙にかせていた。
「出たな、ダンバスター」
 ドリルカッパーは戦闘せんとう態勢をとる。
「いくぞ! カッパ野郎やろう!」
 アキラは雄叫おたけびを上げながら果敢かかんにドリルカッパーへと突っ込んでいった。
 激突げきとつする二つの巨体が大地をるわせる。
「バスターナァックゥルウウウ!」
「カパァ!」
「バスターハリケェエエエーーーン!」
「カパパァ!」
「バスタースパァアアアクゥウウ!」
「カパパパパ!」
 戦いはダンバスターの猛攻もうこうにドリルカッパーがされ気味だ。
「やるなダンバスター……ならば奥の手を見せてやろう」
 カパパ将軍は操縦席のとあるボタンをした。
 するとカッパの頭頂、皿の周りを囲むギザギザの円盤えんばん――かみのパーツがジャキーンと伸びる。
 さらにはそれが上へと持ち上がり、頭の上に円錐えんすい――ドリルを形作った。
「必殺! ちようカッパスピン!!」
 ドリルカッパーが足下からほのおを吹き上げ、身体ごと回転しながらダンバスターに突っ込んでくる。
「カパパ! 胴体どうたいに風穴を開けてやる」
「くぅ!」
 ダンバスターはかろうじてドリルカッパーを両手でさえるが、先端せんたんのドリルがガリガリと装甲そうこうけずる。
 そしてコックピット内も激しい震動しんどうらされるのだった。
「くそ、こいつめ!」
 アキラは暴れる操縦桿を必死に押さえ込む。
「まずいぞ、アキラ。このままでは……」
 ショウはモニターに表示される機体ダメージを見ながら声をかけた。
「……ショウ、俺に命を預けてくれるか?」
 アキラは背後を振り返ることなく、真剣しんけんな声音で問いかける。
「ふっ、なにを今さら。君のためなら命だってしくはないさ」
 ショウはおだやかなひとみでアキラの背中をながめながら告げた。
「サンキュー! 相棒」
「どういたしまして」
 いま、二人の心は一つとなった。
 ダンバスターのパワーゲージが上昇じようしようしていく。
 これが〈男子力だんしりよく〉――〈BL粒子りゆうし〉が発生させる驚異きよういのパワーだ。
らえ! ニーインパルスミサィルゥウウウ!」
 アキラはさけびと共にスイッチをす。ダンバスターの上げたひざからミサイルが発射された。それは下からドリルカッパーを直撃ちよくげきする。
「カパァ!?」
 爆炎が二体のロボットを包み込んだ。至近距離きよりでのミサイルの爆発ばくはつ、ダンバスター自身ダメージを受けるあら技だ。
 けむりが晴れると地にして元の形状にもどったドリルカッパーの姿がある。
 そして、その背後には各部の装甲に亀裂きれつを入れながら雄々おおしく立つダンバスターがいた。
「ふっ、どうやら生き残れたみたいだね」
「ああ! ならばとどめをしてやるぜ!」
 ショウの言葉に応え、アキラは必殺の武器を起動させた。
 ダンバスターの機体中心にそって設置された七つの〈チャクラ・コア〉がうなりを上げる。そして第一のチャクラ、〈ムーラーダーラ〉にエネルギーが注ぎ込まれた。
顕現けんげん! ダイリンガー!!」
 ダンバスターの腰部ようぶ、足の間の股間こかんから光る巨柱が現れる。これぞBL粒子によって形成される必殺の武器。
「カ、カパァアア!」
 四つん這いになりながら逃げ出そうとするドリルカッパーをダンバスターの腕がつかまえた。
つらぬけ! ダイリンガー!!」
 そして膝を折ったダンバスターはドリルカッパーの臀部でんぶへとダイリンガーを突き刺す。
「カパッ、カパッ、カパパァアアア!」
 ドリルカッパーの腰部にある〈シリコ・エンジン〉がダイリンガーによって破壊はかいされ、ドリルカッパーは爆発四散した。
「カパァアア! 覚えていろよダンバスター!」
 ドリルカッパーの頭頂、皿の部分が脱出だつしゆつ装置の円盤となり、カパパ将軍は捨て台詞を残して空へと消える。
 夕日がダンバスターの雄姿をさらに紅く照らし出すのだった。



「ふぅううう……」
 戦闘を終えたアキラはコックピットで深い息をいた。
 ダイリンガーの使用は諸刃もろはつるぎ、〈チャクラ・エンジン〉が臨界をむかえてしばらくの間ダンバスターは動けなくなる。
 コックピット内もエンジンの余熱を受けて高温になっていた。まさにサウナ状態だ。
「ふぅ、暑いな」
 そうつぶやき、ショウはパイロットスーツのファスナーを下ろした。両腕をそでからき、はだかの上半身をさらす。
「ほら、アキラもぎなよ」
 ショウは操縦席を立つと背後からアキラにきつき、ファスナーを下ろす。
「お、おい……ショウ」
「さて、救助が来るまでしばらくかかるよね。どうしようか?」
 ショウはアキラの耳元であまささやくのだった。
 
 
 
 それから一時間ほど経ってようやく自衛隊のヘリが救助に訪れたのだが……。
「ああっ、ショウっ」
「ふふ、すごいよアキラ」
「あ、あ、ああっ」
「アキラっ、アキラっ」
 何かの拍子ひようしにスイッチが入ったのか、外部へのスピーカーがオンになっていた。
「これ、助けに行っていいのかな?」
 レスキュー隊員達はどうしたものかと途方とほうに暮れるのだった。

 第十四話『ドリルカッパーの逆襲ぎやくしゆう! ダンバスター危機一!』――かん
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