恋愛デュラハン~一年後、お前に告白する!~

junhon

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俺のこの手が光って唸る!

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 雪乃にとっては心身共に摩耗するような一日が終わろうとしていた。
 
 当然その原因は首藤一騎である。
 
 そしてその当の本人は授業が終わるとすぐに姿を消した。
 
 放課後もまたつきまとわれるかと思っていた雪乃は拍子抜けする。

(なによ。学校の施設くらいなら案内してあげたのに)
 
 思わずそんな事を思ってしまった雪乃は頭を振った。
 
 今日は掃除当番だったので、それをこなした後生徒会室に向かう。

「あ、あ、ああっ」
 
 生徒会室からは何やら悩ましげな声が聞こえてきた。

「?」

 不審に思った雪乃はドアに耳を当てた。

「ダメ、そこは……」

「くくく、本当はここがいいんだろう?」

(首藤くん!?)

 聞こえてくるのは生徒会長――深山みやまミチルと首藤一騎の声だ。

「痛っ、つ、あ、やめっ、あああっ」

「なに、すぐに気持ち良くなるさ」

「ああっ、こんな、こんなの初めて」

「ふふふ、もう俺無しではいられない身体にしてやるぞ」

(ま、まさか生徒会室で×××!?)

「首藤! アンタ何やって――」

 勢いよく扉を開けた雪乃の目に飛び込んできたのは――

 長机の上にうつ伏せになったミチルと、

 その背中を指圧している一騎の姿だった。

「はぁ……おう、どうしたゆきのん?」

 ミチルはすっかり弛緩した気持ちよさそうな顔を上げて雪乃を見る。

「あの……何やってるんですか?」

「ん? 見ての通りこいつにマッサージしてもらっていたんだ」

「どうだ千明、お前も押してやろうか? 指圧の心は下心だ」

 一騎は親指を立てた両手を掲げてみせる。
 
「そんな指圧はいらないわよ! それより何でアンタがここに居るの?」

「そうだな。この学園の生徒となったからには俺もこの学園に貢献したいと考えたのだ」

 一騎は神妙な顔で答えた。

「そこで生徒会の仕事をぜひ手伝わせて欲しいと思ってな」

 絶対に嘘だ。
 
 雪乃はジト目を一騎に向けた。
 
 雪乃が生徒会の副会長と言う事をどこかで聞きつけたのだろう。放課後も雪乃につきまとうつもりだ。
 
「残念ね。四役はもう埋まっているの。アンタなんかお呼びじゃないわ」

「まあ待て、ゆきのん」

 ミチルが長机から身を起こす。

 深山ミチル――来堂学園の生徒会長で三年生だ。
 
 身長は145センチ程度と小柄で、発育の方も背の高さ相応。長い髪を金色に染めている。

 その髪を引っ詰めないまま、後頭部で一房結んでいた。
 
 そして肌は小麦色に焼かれている。
 
 いわゆるギャルな少女だった。
 
 しかし、その見た目に反して真面目で責任感が強く、困っている人がいれば放っておけない。
 
 この学園では先年の副会長が次の年の会長になるというのが慣例となっている。
 
 ミチルが副会長に就任した時には色々言われたものだが、今ではみな彼女に厚い信頼を寄せていた。
 
「正直人手が欲しいのは事実だ。体育祭も近いしな」
 
「会長!?」
 
 雪乃は声を上げる。
 
「それに……すっごく気持ち良かったし」
 
 ミチルはほんのり頬を染めた。一騎の指圧テクに籠絡されてしまったようだ。
 
「首藤といったな」

 ミチルは一騎に視線を移した。

「はい」

「お前を生徒会“雑用係“に任命してやろう」

「はっ、ありがたき幸せ」

 背筋を伸ばした一騎は深く頭を下げた。
 
 いびり倒して追い出してやる。
 
 そんな一騎を雪乃は忌々しげに見つめるのだった。
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