5 / 15
俺のこの手が光って唸る!
しおりを挟む
雪乃にとっては心身共に摩耗するような一日が終わろうとしていた。
当然その原因は首藤一騎である。
そしてその当の本人は授業が終わるとすぐに姿を消した。
放課後もまたつきまとわれるかと思っていた雪乃は拍子抜けする。
(なによ。学校の施設くらいなら案内してあげたのに)
思わずそんな事を思ってしまった雪乃は頭を振った。
今日は掃除当番だったので、それをこなした後生徒会室に向かう。
「あ、あ、ああっ」
生徒会室からは何やら悩ましげな声が聞こえてきた。
「?」
不審に思った雪乃はドアに耳を当てた。
「ダメ、そこは……」
「くくく、本当はここがいいんだろう?」
(首藤くん!?)
聞こえてくるのは生徒会長――深山ミチルと首藤一騎の声だ。
「痛っ、つ、あ、やめっ、あああっ」
「なに、すぐに気持ち良くなるさ」
「ああっ、こんな、こんなの初めて」
「ふふふ、もう俺無しではいられない身体にしてやるぞ」
(ま、まさか生徒会室で×××!?)
「首藤! アンタ何やって――」
勢いよく扉を開けた雪乃の目に飛び込んできたのは――
長机の上にうつ伏せになったミチルと、
その背中を指圧している一騎の姿だった。
「はぁ……おう、どうしたゆきのん?」
ミチルはすっかり弛緩した気持ちよさそうな顔を上げて雪乃を見る。
「あの……何やってるんですか?」
「ん? 見ての通りこいつにマッサージしてもらっていたんだ」
「どうだ千明、お前も押してやろうか? 指圧の心は下心だ」
一騎は親指を立てた両手を掲げてみせる。
「そんな指圧はいらないわよ! それより何でアンタがここに居るの?」
「そうだな。この学園の生徒となったからには俺もこの学園に貢献したいと考えたのだ」
一騎は神妙な顔で答えた。
「そこで生徒会の仕事をぜひ手伝わせて欲しいと思ってな」
絶対に嘘だ。
雪乃はジト目を一騎に向けた。
雪乃が生徒会の副会長と言う事をどこかで聞きつけたのだろう。放課後も雪乃につきまとうつもりだ。
「残念ね。四役はもう埋まっているの。アンタなんかお呼びじゃないわ」
「まあ待て、ゆきのん」
ミチルが長机から身を起こす。
深山ミチル――来堂学園の生徒会長で三年生だ。
身長は145センチ程度と小柄で、発育の方も背の高さ相応。長い髪を金色に染めている。
その髪を引っ詰めないまま、後頭部で一房結んでいた。
そして肌は小麦色に焼かれている。
いわゆるギャルな少女だった。
しかし、その見た目に反して真面目で責任感が強く、困っている人がいれば放っておけない。
この学園では先年の副会長が次の年の会長になるというのが慣例となっている。
ミチルが副会長に就任した時には色々言われたものだが、今ではみな彼女に厚い信頼を寄せていた。
「正直人手が欲しいのは事実だ。体育祭も近いしな」
「会長!?」
雪乃は声を上げる。
「それに……すっごく気持ち良かったし」
ミチルはほんのり頬を染めた。一騎の指圧に籠絡されてしまったようだ。
「首藤といったな」
ミチルは一騎に視線を移した。
「はい」
「お前を生徒会“雑用係“に任命してやろう」
「はっ、ありがたき幸せ」
背筋を伸ばした一騎は深く頭を下げた。
いびり倒して追い出してやる。
そんな一騎を雪乃は忌々しげに見つめるのだった。
当然その原因は首藤一騎である。
そしてその当の本人は授業が終わるとすぐに姿を消した。
放課後もまたつきまとわれるかと思っていた雪乃は拍子抜けする。
(なによ。学校の施設くらいなら案内してあげたのに)
思わずそんな事を思ってしまった雪乃は頭を振った。
今日は掃除当番だったので、それをこなした後生徒会室に向かう。
「あ、あ、ああっ」
生徒会室からは何やら悩ましげな声が聞こえてきた。
「?」
不審に思った雪乃はドアに耳を当てた。
「ダメ、そこは……」
「くくく、本当はここがいいんだろう?」
(首藤くん!?)
聞こえてくるのは生徒会長――深山ミチルと首藤一騎の声だ。
「痛っ、つ、あ、やめっ、あああっ」
「なに、すぐに気持ち良くなるさ」
「ああっ、こんな、こんなの初めて」
「ふふふ、もう俺無しではいられない身体にしてやるぞ」
(ま、まさか生徒会室で×××!?)
「首藤! アンタ何やって――」
勢いよく扉を開けた雪乃の目に飛び込んできたのは――
長机の上にうつ伏せになったミチルと、
その背中を指圧している一騎の姿だった。
「はぁ……おう、どうしたゆきのん?」
ミチルはすっかり弛緩した気持ちよさそうな顔を上げて雪乃を見る。
「あの……何やってるんですか?」
「ん? 見ての通りこいつにマッサージしてもらっていたんだ」
「どうだ千明、お前も押してやろうか? 指圧の心は下心だ」
一騎は親指を立てた両手を掲げてみせる。
「そんな指圧はいらないわよ! それより何でアンタがここに居るの?」
「そうだな。この学園の生徒となったからには俺もこの学園に貢献したいと考えたのだ」
一騎は神妙な顔で答えた。
「そこで生徒会の仕事をぜひ手伝わせて欲しいと思ってな」
絶対に嘘だ。
雪乃はジト目を一騎に向けた。
雪乃が生徒会の副会長と言う事をどこかで聞きつけたのだろう。放課後も雪乃につきまとうつもりだ。
「残念ね。四役はもう埋まっているの。アンタなんかお呼びじゃないわ」
「まあ待て、ゆきのん」
ミチルが長机から身を起こす。
深山ミチル――来堂学園の生徒会長で三年生だ。
身長は145センチ程度と小柄で、発育の方も背の高さ相応。長い髪を金色に染めている。
その髪を引っ詰めないまま、後頭部で一房結んでいた。
そして肌は小麦色に焼かれている。
いわゆるギャルな少女だった。
しかし、その見た目に反して真面目で責任感が強く、困っている人がいれば放っておけない。
この学園では先年の副会長が次の年の会長になるというのが慣例となっている。
ミチルが副会長に就任した時には色々言われたものだが、今ではみな彼女に厚い信頼を寄せていた。
「正直人手が欲しいのは事実だ。体育祭も近いしな」
「会長!?」
雪乃は声を上げる。
「それに……すっごく気持ち良かったし」
ミチルはほんのり頬を染めた。一騎の指圧に籠絡されてしまったようだ。
「首藤といったな」
ミチルは一騎に視線を移した。
「はい」
「お前を生徒会“雑用係“に任命してやろう」
「はっ、ありがたき幸せ」
背筋を伸ばした一騎は深く頭を下げた。
いびり倒して追い出してやる。
そんな一騎を雪乃は忌々しげに見つめるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※特別編9が完結しました!(2026.3.6)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
∞
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。
入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。
しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。
抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。
※タイトルは「むげん」と読みます。
※完結しました!(2020.7.29)
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる