恋愛デュラハン~一年後、お前に告白する!~

junhon

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生徒会役員、全員集合!

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 何はともあれ、雪乃は副会長の席について仕事を始めた。
 
「そう言えば鈴木先輩と知寿ちずちゃんは?」

大樹たいじゆと知寿は今朝拾った捨て猫の飼い主を探してもらっている」

 同じく会長の席に着いたミチルが答えた。

「またですか。ホイホイ拾ってこないで下さいよ」

「だってかわいそうだろ。それにすっごくかわいい子猫ちゃんなんだ。写真見るか?」

「もちろん見ます」

 雪乃は席を立つと、ミチルのスマホを覗き込んだ。
 
「かわいいですねぇ」

「かわいいだろう」

 二人はしばし顔を緩めて子猫の写真を鑑賞するのだった。
 
「千明は猫好きなのだな。家でも三匹も飼っているそうじゃないか」

 そこへ一騎が言葉を挟む。
 
「恭子ねっ、アンタ恭子を買収したでしょう!?」

「はて、何のことやら」

 一騎は涼しい顔で応えるのだった。
 
 くっ、個人情報が漏れている。一体どこまで……。
 
 雪乃は歯噛みしながら一騎を見る。
 
 ちなみその三匹の猫も元はミチルが拾ってきた子猫だ。
 
 と、生徒会室のドアが開いた。
 
 現れたのは背の高い男子生徒とおかっぱ頭の女生徒だ。
 
「おう、帰ったか」
 
 ミチルが声をかけて二人を迎える。
 
「ん」

「もう、会長。勘弁して下さいよ」

 男子生徒――大樹は唸るように一言、そして女生徒――知寿は疲れた様子で肩を落としながら答えた。
 
 生徒会会計の鈴木大樹はミチルと同じ三年生だ。身長は198センチと長身ながら、中学時代はラガーマンで、胸板が厚くて腕も太く、ひょろりとした印象は受けない。短く刈り込まれた頭はツンツンしている。いかにも実直そうな顔だった。
 
 書記の大西知寿は一年生。身長156センチと平均的ながら、大樹の隣にいるせいでずいぶん小柄に見えた。黒髪を綺麗におかっぱに切り揃え、黒いフレームの眼鏡をかけている。眼鏡を外せば和服が似合いそうな少女だった。
 
「どうやら無事に子猫ちゃんの飼い主は見つかったようだな。よくやった、大樹、知寿」

 二人の両手が空なのを見て、ミチルは双方を労う。
 
「あのですね。頑張ったのは私だけですよ。鈴木先輩は隣に突っ立っていただけです」

「むぅ」

 大樹は面目ないというようにうなだれた。
 
「こいつは口下手なんだ。許してやってくれ。でも人目を引く役には立っただろう」

「それはそうかもしれませんが……」

 ミチルのフォローの言葉に、知寿は渋々といった感じで頷いた。
 
「ところでこの人誰ですか?」

 知寿は一騎を指差して訊ねた。
 
「本日、生徒会“雑用係”に任命された二年B組、首藤一騎だ。以後よろしく頼む」

 一騎は胸を張って堂々と名乗る。
 
「なんで下っ端っぽい役職なのに偉そうなんですか?」

「そういうお前も上級生に対して偉そうじゃないか? そのリボンの色は一年だろう」

「たとえ上級生でも生徒会での立場は私が上、そこのところよろしく」

 知寿は挑戦的な目つきで一騎を見る。
 
 大樹はそんな二人を取り成そうと何か言いたげだったが、二人を交互に見てはオロオロするだけだ。

「くっ……仕方あるまい。何でも言いつけるがいい」

「ふふふ、こき使ってやりますよ」

 知寿は不敵に微笑んだ。
 
「それがいいわ。馬車馬並みに働かせてあげるから」

 そこへ雪乃も加わる。
 
「まずはこの書類を十五部コピーね。コピー機は職員室よ」

 雪乃はにっこり微笑みながら書類の束を一騎に渡した。
 
「十分で済ませなさい」

「分かった。では行ってくる」

 一騎は踵を返して駆けだそうとしたのだが、その襟首を大樹が掴んだ。
 
「廊下、走らない」

「う、うむ」

 上から覗き込まれ、気圧された一騎は早足で生徒会室を出る。
 
 大樹はようやくまともな言葉を発する事ができ、どこか満足そうにその背中を見送るのだった。
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