恋愛デュラハン~一年後、お前に告白する!~

junhon

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絶交宣言!

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「ではまた明日」

 一騎はそう言って雪乃に背中を向ける。
 
「あー、バイバイ」

 何かいろいろと諦めた表情の雪乃も挨拶を返した。
 
 生徒会の仕事を終えた雪乃は、一騎に家まで送ってもらったのだ。
 
 いろいろ話しかけてくるのはウザいが、男子と一緒で心強かったのも確かだった。
 
 と、玄関のドアに手をかけた雪乃にある疑問がよぎる。
 
(首藤くんの家ってどこなんだろう?)

 中学時代に見た覚えはないから、この近所――学区内という訳ではないだろう。
 
 何か理由があって別の中学に通っていた?
 
 あるいは、最近になって引っ越してきた?
 
 雪乃の中に好奇心が湧き上がる。
 
 自分の事はいろいろ知られてしまっている様だが、雪乃は一騎の事を何も知らない。
 
 鞄を玄関前に置くと、雪乃は踵を返して再び道路に出た。
 
 遠くにだがまだ一騎の背中が見える。
 
 雪乃はその後をこっそり尾行し始めるのだった。
 
 
       ◆
       
  
 一騎は住宅街を外れ、坂道を上っていく。
 
 雪乃は十分に距離を取ってその後をつけた。
 
 辿り着いたのは住宅街を見下ろす高台にある公園だ。
 
 一騎はその公園の中へと入っていく。
 
(なんでこんな所へ……?)

 雪乃は疑問に思いながらもその後に続く。
 
 すると一騎はトイレの裏からテントなどを引っ張り出し、住宅街を望む柵の設けられた辺りに設営し始めた。
 
(ま……まさか。ここで寝泊まりしている!?)

 さすがに黙っていられなくなり、雪乃は一騎の前に姿を現す。
 
「ちょっとあんた! 何やってるのよ!」

「む。千明、何故ここに?」

「そんな事はいいからっ。なんでこんな場所に泊まってるの?」

「家がここからは少々遠いものでな。お前と一緒に登下校する為だ」

「あ……あんた。そこまでする?」

「俺はお前に告白する為に全力を尽くす」

 一騎は真剣な目でそう言い放つ。
 
「あんたねぇ……」
 
 雪乃は呆れる共に、そこまで自分を想っているという事に少し心を動かされるのだが――
 
 突然ライトの光が二人を照らした。
 
「キミ達、そこで何をしているのかな?」

 そう声をかけてきたのは警察官だ。
 
「お、おまわりさん……あ、いえ、別に。どうかしたんですか?」

「いやね。最近この公園に勝手にテントを張って、寝泊まりしている若い男がいるという通報を受けたんだよ」

 雪乃の問いに警察官が答える。間違いなく一騎の事だ。
 
「ん? そのテントは?」

「あ~、これはですね……」

 雪乃はどうしようかと判断に迷う。少し一騎を庇ってあげたいという気持ちがあった。
 
「しかも、何やら望遠鏡で住宅街を覗いているらしくて」

「……首藤くん?」

 雪乃は顔は笑顔で、しかし額に青筋を浮かべながら一騎を振り返った。

 一騎は踵を返して走り出すが、足がテント横の荷物に当たってたたらを踏む。
 
 そこからゴロリと立派な望遠鏡が転がり出た。
 
「おまわりさん! 犯人はあいつです!」

 雪乃は一騎を指差し、大声で叫ぶ。
 
「くっ……」

 一騎は一目散にその場から逃げ出した。
 
「こらー! 待ちなさい!」

 警察官も慌ててその後を追う。
 
「ふんっ」

 雪乃は二人の追いかけっこに背中を向け、家路につくのだった。
 
 
       ◆
       
       
 そして、なんとか警察官から逃げ切った一騎の元に雪乃からのメールが届く。
 
「絶交よ!!!!」

 電話もメールも着信拒否に設定されるのだった。
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