幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第3章 幼子たちと子守役たちはモフモフ巡りをする

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 今回お散歩の目的地になった巨木は、お家の樹巨木の森の中心にある巨木の樹九尾の長きゅうびのおさ・きつねの森とのちょうど中間地点の目印でもあるそうだ。
 『ワイが、本気出して走ったら、ワイの森の中をちょこっと見てここに戻るんに、大した時間もかからんしなぁ。行って戻るだけやし、詰まらんやろなぁ。お散歩隊の色々な毛玉たち小さき者たちと一緒に、いつも見たくお散歩しとった方が楽しいで?』
なるべく素早く行き来をしたい九尾の長きつねとしては、連れて行きたくない気持ちを隠さなかった。だが幼子たちには通じなかった。
 「『いっしょに、もりのおさんぽする~』」
幼子たちは、九尾の長きつねの尻尾をしっかりと捕まえて、放そうとしなかった。困った九尾の長きつねは、見守る態度を崩さないみかん色の尻尾ももんが薄紅色の尻尾りすに、援護の説得を期待して声をかけた。
 『なあ、あんたらもこの森の散歩の方がええと思うやろ?見守るもんも、この森の方がめんどー…楽ちん…安心やしなぁ。』
こそこそ話しながらも、見守る態度を崩さなかったみかん色の尻尾ももんが薄紅色の尻尾りすも、これには考えながら意見を述べた。
 『…別に散歩先が変わるのは、構わないと思うなのね~九尾の長きつねが一緒なら、幼子たちの安全には問題ないなのね~』
 『…幼子しずくと一緒に、幼子ゆきも乗せて走れば、行き帰りの時間も大して変わらない、なの。私たちが長の後から追いかけるから、九尾の長きつねの森の入り口なら、少しは一緒に散歩できると思う、なの。』
 『…このもりとあのもりをつなぐねっこは、よくしってるミィ…』『…わかりやすくて、ひろいねっこみちだミィ…』『…とちゅうにこわいとこは、なかったミィ…』
散歩隊の色々な毛玉たち小さき者たちからもお墨付きをもらって、幼子たちのお散歩先は九尾の長きつねの森に変更となった。

 ゆきとしずくは、森へと駆ける九尾の長きつねの背中ではしゃいでいた。
 「わお~ん!『はやい、すごい、すごい!』」
 「はやいでしゅ、でもゆれないでしゅ、こわくないでしゅ~」
九尾の長きつねが隠した尻尾まで使って幼子たちを囲み守っていたので、速度の割に長の背中は快適だった。
そしてかすみは、長の速さに並ぼうと、張り切っていた。
 「ぴぴ~っ『はやい、でもまけない!』」
あっという間に森の入り口に到着したので、長の背中から降ろされた時、ゆきは物足りないらしかった。
 「わふっ『まだのりたい、もっとのりたい!』」
一方でしずくは十分に楽しんだ。
 「しゅごかった、はやかった、でしゅね~かえりも、たのちみでしゅね~あたらちいもりの、おさんぽも、たのちみ、でしゅ~」
始めてみる森に、興味津々だった。そんな幼子たちに、九尾の長きつねはまず、注意をして気を引き締めた。
 『ここがワイの護る森で、今通って来たんが幼子らのお家の樹巨木の森の中心の樹と直接繋がっとる根っこ道や。森のこの場所さえ覚えとけば、幼子らのお家の樹巨木の森の中心の樹へは、ひたすらまっすぐ歩くだけや。何があっても、これだけは忘れんな。』
 『…何が、あってもとは、…穏やかじゃない、なのね~…実は、何か心配事が、あるなのね~』
急いできたらしくみかん色の尻尾ももんがは肩で息をして、とぎれとぎれに口をはさんだ。
 『特になんかあったわけやなくて、まあ念のためやな。とにかくここが、巨木の森からの入り口で、そこの巨木がワイのお家やな。お散歩すんなら、ワイのお家の樹そこの巨木の樹が見える範囲にしといてなぁ。』
幼子たちは森の入り口の一本だけ生えた巨木を見てから森を見た。森のそのあたりに生えていたのは、どれも幼子たちが初めて見た樹だった。それらの樹は、場所ごとに同じ樹が集まって生えているのだが、どの樹もとても良く似ていた。それぞれで色や大きさに太さまで違うのだが、同じ樹同士はびっしりと集まって生えているのは同じだった。
 「あのきのなかで、このおうちのき、みえましゅか?このきのもり、しじゅく、はいれましゅか?」
足元に草も生えないほど密集した木々に歩き寄って、しずくは足を止めた。
 『幼子たちは入れそうなのね~あたしたちも大丈夫なのね~でも九尾の長きつねは無理、入れないなのね~だから、迷子の心配だったなのね~』
どの樹も、まっすぐに幹を伸ばしていて、その先に枝をつけているので、見通しは良い筈なのだ。だがぎっしりと詰まった木々が、視界を遮っていた。
 「ぴぃ~『このなかを、とぶのは、たいへん』」
 「わふっ『はしると、ぶつかる、よけるの、たいへん』」
木々を避けて、ほんの少し森に入った薄紅色の尻尾りすは、振り返って尻尾を大きく振った。
 『前後左右、どこを見ても同じ景色に見える、なの。しかもここからでも長のお家の樹そこの巨木の樹は、ほとんど見えない、なの。幼子たちはこの中には、入らないのがいい、なの。』
どうやら、とんでもない森だった。

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