幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする

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 幼子たちゆき・かすみ・しずくの持ってきたお土産の効果は、中々のモノだった。
・たけの切り株・を入れ物にして、紅色に輝く美味しい草の実・いちご・をたくさん持って帰ったことが、まずは長たちを驚かせた。美味しい草の実いちごは柔らかいので、採ったその場で食べて御終いなモノだったからだ。
それなのに珍しい大きな・たけ・を入れ物にして、しずくがシッカリと抱えて歩いて、更に其処から、ゆきとかすみが長の一人に一つずつ、美味しい草の実いちごを浮かせて配り歩いたのだ。
 「わふっ『おいしいみ、たべて!』」
 「ぴぃ~『はいどーぞ、うけとって!』」
かわいい幼子たちの、嬉しそうに・いちご・を配る姿も、お礼を言われて喜ぶ姿も間近で見た長たちは、蒼い鬣の長あおいたてがみのおさの、
 『これ以上ないほど素晴らしいお土産を貰ったのである。ありがとうである。』
と同様のお礼を口々に述べた。
 「ど-いたちまちて、おいちかった?」
お礼に答える幼子たちも、やり切ったと満足していた。
 『ほほ~っ、美味しい草の実いちごですか、このように大粒のモノは、久しぶりに口にしますがの~一段と美味しいですの~ごちそうさまですかの~
配り方も良かったですの~あなた方の成長の現れですからの~
 さあ、この後はゆっくりと休むのですかの~』
なので金目の長長たちの代表に休むよう促されても駄々をこねることも無く、
 「『『は~い、みなさん、おやしゅみなさい』』」
大人しく薄紅色の尻尾幼子たちの同居人と共に、 自分たちの部屋巨木内の専用空洞に向かった。
幼子たちゆき・かすみ・しずくを見送った長たちは、やる気を取り戻して、再び力の制御に取り組みだした。 
 そんな長たちの中で、順調に力を制御し、更に消費を抑えた新しい力の使い方まで突き詰めつつある数人の長たちが居た。
若葉色の長巨木の樹の長を始めとしたその長たちは、金目の長長たちの代表を取り巻いて話し込んでいた。
 『ふ~む、これが・たけ・の入れ物、このようなうろを上手く利用しているわけか。
 ふむ、・たけ・の丸太道と云い、土に還り難いからこそ、考え付いたのだろうが、うまい利用法だ、素晴らしい。』
 『このように綺麗なうろができる樹が、此処の巨木以外にもあったとは、我も初めて知ったのである。
だが、このうろは外からは入れないのであるよな?』
 『そうやで、そこが大きさと共に巨木との一番の違いやなぁ。
この樹の幹は、中心がほとんどうろの、がらんどうや。せやから、切り倒した丸太も、えらい軽いんや。
お陰で、枯れた木や間引いた木を、森から放り出すのも簡単や。助かったわ。』
 『ふ~む、面白い。ふむ、そろそろ金目の長も、何か見えてきた頃か?』
ずっと物も言わずに、ひたすら・たけ・の切り株入れ物若芽の皮雨除けを見ていた金目の長が、ようやくため息とともに身動きした。
 『ほほ~っ、そうですな、この辺りの木々には感じない力を、ほんの少し感じますかの~
 ほ~っ、そして同じ力を、九尾の長・たけの森・の長からも感じますかの~』
金目の長が、ちかくに集まった長たちを見回しながら言った。
 『ふ~む、あの森九尾の長が守る森は、九尾の長が守り始めてからずいぶん経ってから、あの・たけ・が生え始めたのだったか?
 ふむ、つまりは九尾の長の守りの力が、森に行き渡って、初めてあの・たけ・が生まれた、という事か?
 ふむふむ、興味深い話だ。』
近くに居た長たちは、若葉色の長巨木の樹の長の考えを聞いて、驚きもしたが、納得もした。
 『さすが、九尾の長である。』
 『その納得の仕方は、なんでや!ワイが、納得いかん!』
当人は、不満げだった。



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