幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする

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 二尾の長森と草原の長・二つ尻尾のきつねが大毛玉たちとの話し合いを終えるころには、幼子たちゆき・かすみ・しずく毛玉と羽玉のちびたち二尾の長の森の幼子たちも十分な休憩が取れて、元気を取り戻していた。
ちび達に至ってはむしろ元気になり過ぎて、やる気が溢れている様だった。
 「くう~ん『ともだちも、げんきに、なった、おでかけ、まだ?おでかけ、いきたい!』」
 「ちちっ『まだだよ、おはなし、おわるまで、まつのが、いいこ!いいこだけ、おでかけ、できる!』」
 「わふっ『ゆきたち、みないいこ、みんなで、おでかけ、できる!おとなしく、まってる!』」
どうやら毛玉と羽玉のちびたち二尾の長の森の幼子たちにとっては、初めてのお出掛けなのだとかで、ワクワクが溢れているのだ。白い御山の幼子たちゆき・かすみ・しずくは、ちび達が出掛ける前に疲れないように、宥めながら待つ羽目になった。
 『お待たせやったな、お話し終わったで~幼子らもちび達も、お出掛けできるまで元気になったかいな?』
なので、二尾の長がお出掛けを取り止めたりしないように、白い御山の幼子たちは元気にお返事をした。
 「『『だいじょうぶ、げんきに、なりまちた!おでかけ、でちましゅ!』』」
即座に帰ってきた返事を聞いて、長たちもびっくりしていたが、楽しみにしているのだと微笑ましく思っただけだった。
 『そんなら良かった、皆でお出掛けできるなぁ。言うても、御供はワイとあと一人やけどな。
 ちび達と幼子らは、ワイが背中に乗せて向こうまで運ぶさかい、一人は大きい入れ物たけの切り株をいくつか持って付いて来てくれるんや。
 入れ物ごと持って帰ることまで考えたら、一緒に行くんは力持ちがええんやが、森の中も足場が悪いようやしなぁ。やっぱり身軽な方がええやろなぁ。』
力持ちと言われた、太くて丸いお腹の大毛玉たぬきたちが、腹をポコポコと叩いてのんびりと云った。
 『分かっとるだに~、俺らーには、話し合ってー、決まったー、丸太ーを動かして、道をー直すー、仕事もあるに~』
 『森ならー、身軽な方ーが、出来る事もー、多くてー、よかろーに~その代わりー、留守番のモンらーにー、お土産をー、頼んだに~』
結局身軽と言われたほっそりした大毛玉いたちの一人が、持ち運びしやすい大きい入れ物たけの切り株を選んで担いで、森の中を案内してくれることになった。
 大きな荷物を担いでいても、ほっそりした大毛玉いたちはやはり身軽だった。
 『森までの丸太道は使えんので、川を渡れそうなところを選ぶに~長なら、ちび達を乗せてても平気だろうがに~念のため、ゆっくりと行くかに~』
そう言って歩き出したはずだったが、幼子たちには、二尾の長と・いたち・の大毛玉が、途中から空中を走っているとしか思えないほど、速くて快適な背中だった。
確かに森の中に入ると、長たちも背中の幼子たちも、全身がぐっしょりと濡れてしまった。
だが心配する長たちを他所に、白い御山の幼子たちは、あまり気にしていなかった。
 「わふっ『おやまの、たきのそばに、いったときみたい!』」
 「ぴぃ~『あのみずは、つめたかった、このもりは、みずもつめたくなくて、へんなかんじ!』」
 『あぁ~、つまりは平気なんやな?』
二尾の長に聞かれて、白い御山の幼子たちは口をそろえて、平気だと答えた。
毛玉と羽玉のちびたち二尾の長の森の幼子たちも、すでに慣れていたらしかった。
 「くう~ん『だいじょうぶ、げんき!』」
 「ちちっ『へいき、もうなれた!』」
身軽な大毛玉に、元気な印に、ぱたぱたと尻尾と羽を振って見せたりしていた。
その内に、二尾の長が足を止めた。
 『さあ、到着したで~、下りた下りた!』
そして、背中のちび達と幼子たちを、見晴らしの良い草原に降ろした。
森は山の一部だったようで、いつの間にか山の中腹に着いていた幼子たちの目の前には、まだ水たまりが目立つ草原が輝いていた。
 「あのくさはら、こんなにひろいでしゅか、あそこにはえてるのは、まるいわのき丸岩の樹・お家の樹、でしゅよね?
 あしょこから、ここまで、のぼったでしゅか~」
 「くう~ん『すごい、おうち、きれい!』」
 「ちちっ『もうついた、はやかった!』」
毛玉と羽玉のちびたち二尾の長の森の幼子たちも、嬉しそうに自慢していた。
そんな眼下の風景に夢中な幼子たちに、二尾の長が声をかけた。
 『あ~、ちび共、ワイらの目的は、こっちやで。
 みんなで美味しいモンを、食べたいんやろ?』
長の声を聴いて振り向くと、この草原にもぽつぽつと木が生えていた。
そしてそれらの樹は、皆沢山の実をつけていた。
 「わふっ『いいにおい、おいしい、きのみだ!』」
ゆきは尻尾を振り回して、一本の木に跳び付いた。
 『ちょっと、まてや!』
長の静止は、間に合わなかった。  
 
 

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