捨てられ令嬢は屋台を使って町おこしをする。

しずもり

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ハドソン領 花街道(仮)編 ワトル村

ワトル村活性化計画(裏) 6

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「予定外のスコティッシュ子爵御一行様のワトル村滞在でしたが、この村にとっても、ハドソン伯爵家にとっても良い方向で話が進みそうでなによりです」


・・・アシュトンさん、めちゃめちゃ良い顔をしているなぁ。
街道沿い活性化計画の旅を始めてから、こんなに活き活きとして話すアシュトンさんを初めて見た気がするよ。

「で?サガーミ領と親交を深めてどんな利益があるんだよ」

「・・・私が成果が出そうだと純粋に喜んでいるようには見えないんですかね?」


クリスのぶっきらぼうなツッコミに、アシュトンさんは残念な人をみるような、非難がましい目を向けていたけれど・・・うん。下心があるようにしか見えなかったよね。


「そりゃあ、あんなにハドソン伯爵をベタ褒めして、子爵に訴えかけてりゃ誰だって気付くだろ」


いや、子爵は全く気付いてなかったよ。
やっぱり子爵は騙されやすいタイプだよねぇ。


「・・・まあ、良いでしょう。子爵様の件はハドソン伯爵領にとっても利のある事でしたが、ワトル村の活性化計画にも関係してくる事ですから」

「え?それって子爵がコリンさんのパトロンになりたいと言っていたからですか?」

「ああ、そうでした!その件もありましたね。子爵様は本当に扱いやすい・・・素晴らしいお人柄です!

ティアナさんの提案で、ハドソン伯爵家が芸術家の卵を支援するという計画を進める事になっていましたが、別に他の貴族の支援を募っても良いと気付かせて頂きました」


言い直してたけど、本当に扱いやすいって言ったよね!?

 でも確かに子爵のあの発言は『おぉっ!』とは思った。
芸術家の卵たちのパトロン希望者が出てくれば、新たに芸術家の卵を囲えるしパトロンがついた人たちも活躍の場が増えるだろうからね。

「ハドソン伯爵家で芸術家の卵を支援するにしても、いつまで?という部分が懸念されていたのです。

いくら別の仕事もさせるといっても、芸術家への支援はそれなりにお金がかかります。それを複数名も支援するとなると、一体どれぐらいかかるのか、と」

「それはそうですが。前にも言いましたけど、別の仕事の部分でしっかり働いてもらえば多少は負担の軽減になりません?」

「そうか?労働力にはなるが、ただ働くだけじゃ利益は生まれないだろ?」

「ええ。それに創作活動の合間に働いてもらうとなると、出来る仕事というのも限られるでしょうから」


ん?

前に伯爵家からの依頼された仕事をしつつ創作活動を、という話をしたけど、創作活動の合間に働いてもらうなんて言った覚えはないけどなぁ。


「創作活動の合間だけじゃなくて、普通に働いてもらえば良いんじゃないですか?」

「ですが、それでは創作活動の時間が取れないではないですか。それに普通に仕事をしてもらうほど、毎日する仕事がない場合もありませんか?

 例えば、このワトル村でしたら日中に働く場所は限られています。芸術家に木を切る肉体労働をさせるのは難しいでしょうし、小さな村の宿屋や店で働くには人手は足りています。

土産品の製作にしても、既にコリンさんたち主体で話を進めていますよね?」


「別に滞在する村の中での仕事をさせる、というのに拘る必要はないと思いますよ?
創作活動と依頼する仕事についてですけど、まずは午前中は依頼された仕事をする時間、午後からは創作活動をする時間という感じで契約を結べば良いと思います」

 何かのスポーツ雑誌で読んだ覚えがあるけれど、企業に雇用されているアマチュアのスポーツ選手はそういう契約になっている事が多いらしい。

「なるほど。ですが、それだけですと、依頼する仕事については解決出来ていませんよね?
それに絵葉書など得意分野の仕事を依頼するにしても、短い時間で大量に出来るものではないでしょうから、実質は創作活動をしている事と変わりないように思うのですが」

「得意分野で考えるとそうなりますけど、それ以外にも出来る仕事は考えれば色々とあるんじゃないですかね?」


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