捨てられ令嬢は屋台を使って町おこしをする。

しずもり

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ハドソン領 花街道(仮)編 ワトル村

ワトル村活性化計画 10

 貴族が小さな村に来てまで嫌がらせをするの?

アシュトンさんの考えを聞いた時は思わずそう言っちゃったけれど、『無い』とは言い切れない、とクリスも頷いていたのできっとそうなんだろうね。


結局、街道沿いのどの村にも芸術家の卵の為の建物を建てる、と決定したのは、不測の事態に備えてのことらしい。これはハドソン伯爵家にお伺いを立てた返事が、その決定だったとか。


まあ、そういう話を考慮し、ワトル村の場合は費用を抑えつつも空き地の有効活用を最優先したらどうか?という案もチャックさんたちに提案することにした。

 あくまで提案するに留めるのは、ワトル村の住民たちの意思を確認出来ていないから。

このままではいけない、という意見はまだ一部の人の中からしか出ていない。その一部というのも、コリンさんを中心した木工職人を目指す人たちのみ。

その人たちだって、コリンさんに『ワトル村の土産品を作りたい』という話に付き合ったいただけで、ワトル村を盛り上げていきたい、とまでは考えていなかったからね。

ワトル村活性化計画は、村の住民の中でまだまだ初歩の話し合いも十分に出来ていないのが現状なのだ。だから今すぐに出した提案の是非をチャックさんの一存で決定することは出来ないと思う。

そうなると街道沿いの町村全体で改善した方が良い問題は別にして、ワトル村の為に考えた提案を村人たちでじっくりと話し合って決めてもらう時間も必要になる。だから今回はあくまでワトル村の収入を増やす為の案を考え、提案することにしたの。


「先ほど村人の仕事を増やす目的で、空き地の一部を畑や飼育場にしてはどうか?という提案をしました。

それとは別にワトル村自体の収入を増やす為に、空き地を有効活用してはどうでしょうか?」

「村人の仕事を増やすのとワトル村自体の収入を増やすのって、同じじゃないの?だって村人が納めた税金の一部がワトル村の収入になるんだろ?」

「そうなんだけど、それだけだと村の人口からするとワトル村に入る税収はそんなに多くはないかな、と。

今までだったらそれでも良かったけれど、今回みたいにワトル村をもう少し繁栄させたい、と思った時に資金不足で出来ない可能性があるでしょ?

実際、今回の計画も金貨五枚か十枚では出来る事は限られているし、借金はしない方向の場合は計画を立てても、実行するのに何年も掛かってしまう可能性もある。

すぐに実行しないと決めても、収入を増やすことをしていかないと、いつまで経っても実行出来ないままになると思います」

ワトル村の現在の人口からすると、高値になる野菜や家畜ではない限り、生活するのには困らない程度の収入にしかならないと思う。それを維持していくだけで満足ならそれでも良いのかも知れないけど、それも正直なところ難しいよね。

村の人口は、ほぼ変わらない状態がずっと続いていたと言っていたけれど、それも、だよね。今の村の子どもの人数と老人の人数を比較したら圧倒的に老人の方が多いんだよ?

控えめに言っても、ワトル村は緩やかに衰退していってるよね。元々が栄えていたわけでもないから、そういう危機感を抱いていないだろうけど。

そういう問題もあるから将来的には村の人口を増やした方が良い、というのは、私だけでなく、アシュトンさんやクリスも言っていたことだ。
それでも急に増やすのも要らぬ揉め事が起こる可能性もある、ということもアシュトンさんからも言われている。


だからどうしても最初は、住んでいるワトル村の村人たちに頑張ってもらうしかないんだよね。
それで村人たちが話し合う間も、なんとか収入を得られる方法がないかを考えた時に、やっぱり広い空き地が何かに使えるんじゃないかな、と思ったんだよね。

例えば、キャンプ場のような感じで場所代だけ徴収するとか、倉庫などで利用する商会や駐車場みたいに乗り合い馬車置き場として使用したい人を募るとかね。これならワトル村側はそれほどお金をかけずに出来ると思う。

「でも、そんな簡単に借りたい人とか出てくるのかな?宿屋の方だって、宿泊客は偶にいるぐらいなのに」


リッキー君の疑問もご尤も。

まあ、そこは、ね?

「ワトル村の強みを活かした売り込み方次第かな、と思っています」

「「「ワトル村の強み?!」」」



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