あなたに婚約破棄する事は出来ません

ゆうゆう

文字の大きさ
10 / 45
ロザリアの章

解消した婚約の後始末

しおりを挟む
王族以外は公爵家の当主のみが許された場であった為
私はお謁見の間に入ることは出来なかった。

陛下と話した後、お父様を残し先に家に帰ってきた。

部屋で着替えてお茶を入れてもらって、やっと一息ついた時に、陛下からの新たな婚約の件を思い出す。

レオン殿下を恋愛の対象と意識したのも、つい数時間前なのだ。

まだ自分の気持ちも正確に把握出来ていないのよね。

「はあ」ため息を1つついて、気持ちを切り替える

とりあえず、まずは解消した方の婚約の後処理だわ。

学園も卒業したし、お茶会や夜会の誘いも本格化してくるだろう。
そして全てを断るわけにもいかない。
私は昨日の婚約破棄騒動と、解消の真相を探られる事になるのだ。

まあ勝手な臆測を広められるのも嫌だから、率先して真実のアピールに努めなければいけないだろう。

幸い昨日の状況を見ていた学園の生徒の8割が私は100%非がないと認めてくれるだろ。
今までのアロン様とリリア嬢の証言も率先して出してくれていた人たちだから。

それよりも社交界の先輩たちが問題だ。

まずは仲のいいご令嬢何人かをお茶に呼び、家族や友人に話を広めてもらわないと。

早速、優秀な私の友人を厳選し、手紙を書いた。

そして侍女長を呼びお茶会と招待状の手配を頼む。

普通は手紙を出すが、早急に話をしなければならないから、お茶会は明日の午後急遽行うこととし、うちから使者を送り返事をもらって来てもらうのだ。

とりあえず、お父様がお帰りになれば、殿下とリリアの対応の内容も分かるだろうし、それを踏まえてどのような内容を広めてもらうか考えなければ。


◇◇◇◇


お父様がお帰りになった。

そろそろ着替えて、寛がれている頃合いだろう。
私はタイミングを計り、書斎を訪ねた。

部屋に入ると、お母様も来ていてお父様を労っていました。

「お父様お疲れ様でした。」
私もお父様を労います。

そこへ執事がお酒と軽食を持ってきました。

「ロザリア、私は呆れすぎて、気疲れしてしまったよ。一杯もらいながら、話をしてもいいかい?」

「もちろんですわ、お父様」
きっと飲まずにはやってられないって気分なのですね
本当にお疲れさまでした。

「まずは、アロン元殿下についてだが…」

「元ですか?」お母様が疑問を口にしました。

「ああ、そうだ。これまでのロザリアに対しての行いもリリア嬢との関係も全然認めなくてね。下手な言い訳を続けるから、ジョージが…いや、陛下が我慢の限界を越えてね
改心させるのを諦めて、除籍処分となった。」

お父様相当疲れていますね。いつも私たちの前ではけじめを付けてちゃんと陛下と呼んでますのに。

「もう王族ではなくなったと言うことですか?」

「ああ、3日以内に北の辺境伯領に送られることになったよ。」

「「まあ」」

この国には北と南に辺境領があり、2人の辺境伯爵様がいます。

南は隣国と接していて昔は隣国からの攻撃に対して国を守られていましたが、今は両国の間に同盟が結ばれ国交も良好なので、南の辺境領は平和です。
辺境伯爵は剣の腕前はすばらしいく、とても温和な方です。
一方北の辺境領は魔獣の森が近くにあり、魔物がこの国へ近づくのを阻止したり、増えすぎるのを防ぐ為に討伐したりと、大忙しな領です。
そして北の辺境伯爵はこの国1番の私設騎士団を率いており、とても強くそして規律に厳しい方だと聞いています。
あの軟弱、弱々のアロン様で大丈夫でしょうか?
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

なにひとつ、まちがっていない。

いぬい たすく
恋愛
若くして王となるレジナルドは従妹でもある公爵令嬢エレノーラとの婚約を解消した。 それにかわる恋人との結婚に胸を躍らせる彼には見えなかった。 ――なにもかもを間違えた。 そう後悔する自分の将来の姿が。 Q この世界の、この国の技術レベルってどのくらい?政治体制はどんな感じなの? A 作者もそこまで考えていません。  どうぞ頭のネジを二三本緩めてからお読みください。

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

勝手に勘違いして、婚約破棄したあなたが悪い

猿喰 森繁
恋愛
「アリシア。婚約破棄をしてほしい」 「婚約破棄…ですか」 「君と僕とでは、やはり身分が違いすぎるんだ」 「やっぱり上流階級の人間は、上流階級同士でくっつくべきだと思うの。あなたもそう思わない?」 「はぁ…」 なんと返したら良いのか。 私の家は、一代貴族と言われている。いわゆる平民からの成り上がりである。 そんなわけで、没落貴族の息子と政略結婚ならぬ政略婚約をしていたが、その相手から婚約破棄をされてしまった。 理由は、私の家が事業に失敗して、莫大な借金を抱えてしまったからというものだった。 もちろん、そんなのは誰かが飛ばした噂でしかない。 それを律儀に信じてしまったというわけだ。 金の切れ目が縁の切れ目って、本当なのね。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

全てから捨てられた伯爵令嬢は。

毒島醜女
恋愛
姉ルヴィが「あんたの婚約者、寝取ったから!」と職場に押し込んできたユークレース・エーデルシュタイン。 更に職場のお局には強引にクビを言い渡されてしまう。 結婚する気がなかったとは言え、これからどうすればいいのかと途方に暮れる彼女の前に帝国人の迷子の子供が現れる。 彼を助けたことで、薄幸なユークレースの人生は大きく変わり始める。 通常の王国語は「」 帝国語=外国語は『』

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

処理中です...