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レイチェルの章
過去の記憶
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幼い日のあの頃、私は王宮の庭でニコラス殿下と一緒にいた。
別に一緒にいたくて、そうして
いた訳でなく、お父様に連れられて行った王宮で、大好きな庭に出てお気に入りのベンチで本を呼んでいると必ずニコラスが寄ってきた。
幼いながらに、邪険にしてはいけないと分かっているが、いつも読書の邪魔をされ面倒に思っていた。
「なぁレイチェル お前知ってるか?
本当は女神さまなんて、いないんだぞ。 あれは教会が我らを操ろうとしているんだ」
「ニコラスさまは何を言っているのですか?
女神さまはちゃんといますわよ」
「バカだな~ あんなのインチキなんだぞ。
母上が言っていたんだから、本当の事だぞ」
「王妃さまがそのような事を言う筈ありませんわ」
「まぁ、いいさ そのうち分かるだろう」
「それより、本なんか読んでないで、あっちで遊ぼう」
「ニコラスさまは、王子なのですから、もっと勉強をしないといけませんよ」
「なんで、王子だから勉強するんだよ」
「他の者のお手本になるためですわ
王家の者は貴族の手本になれと、王様も言うではありませんか」
「父上が言ってるのは兄上に対してだろ?
どうせオレはいつか王家から出るんだから」
「王家を出ても、王家を一緒に支えていくのですから、頑張らないといけないのですよ」
「やだよ、 オレは学校に入ってから勉強するからいいだろ」
「学校に入って周りの貴族より出来ないと恥をかくのはニコラスさまですよ?」
「うるさい! もういい、オレは1人で遊んでくる」
そう言って駆けて行ってしまった。
レイチェルはやっとうるさくなくなってホッとした。
毎回同じようなやり取りをしている
でも、今日初めて聞いた、女神さまがインチキだなんて…
なんで、あんな事を?
王妃さまがそんな事を言うなんて本当かしら?
気にはなったけど、私は読書に意識が沈んでいって、いつしかそんな事は忘れてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
私は目が覚めて、夢を見ていたことに気がついた…
あれは幼い頃の夢?
いいえ、夢ではない。
まだ学校へ通う前の本当にあった出来事だった。
そうだ。あの頃ニコラス殿下はよくあのように私の邪魔をしに来たっけ
いつも家庭教師の目を盗み、部屋から逃げ出して来ていたという事は後から知った。
それでも、勉強していないのがおかしいと思い、その事を指摘していたのだ。
だって、私も王子妃教育の為に、王宮へ行っていたのだから。
あそこで、本を呼んでいたのは大人たちの時間調整で、1時間位の休憩時間をもらった時なのだ。
でも、さっきの夢…
そうだわ、なぜ忘れていたのかしら
あの時殿下に王妃さまが女神様をインチキと言っていたと確かに聞いたんだ。
まさかニコラス殿下は今だにそれを信じているのかしら?
だから、あんなに簡単に破棄出来ると思っているのかも…
そろそろ、お父様の調査結果が出るだろう。
これからの私達の未来の結果が…
別に一緒にいたくて、そうして
いた訳でなく、お父様に連れられて行った王宮で、大好きな庭に出てお気に入りのベンチで本を呼んでいると必ずニコラスが寄ってきた。
幼いながらに、邪険にしてはいけないと分かっているが、いつも読書の邪魔をされ面倒に思っていた。
「なぁレイチェル お前知ってるか?
本当は女神さまなんて、いないんだぞ。 あれは教会が我らを操ろうとしているんだ」
「ニコラスさまは何を言っているのですか?
女神さまはちゃんといますわよ」
「バカだな~ あんなのインチキなんだぞ。
母上が言っていたんだから、本当の事だぞ」
「王妃さまがそのような事を言う筈ありませんわ」
「まぁ、いいさ そのうち分かるだろう」
「それより、本なんか読んでないで、あっちで遊ぼう」
「ニコラスさまは、王子なのですから、もっと勉強をしないといけませんよ」
「なんで、王子だから勉強するんだよ」
「他の者のお手本になるためですわ
王家の者は貴族の手本になれと、王様も言うではありませんか」
「父上が言ってるのは兄上に対してだろ?
どうせオレはいつか王家から出るんだから」
「王家を出ても、王家を一緒に支えていくのですから、頑張らないといけないのですよ」
「やだよ、 オレは学校に入ってから勉強するからいいだろ」
「学校に入って周りの貴族より出来ないと恥をかくのはニコラスさまですよ?」
「うるさい! もういい、オレは1人で遊んでくる」
そう言って駆けて行ってしまった。
レイチェルはやっとうるさくなくなってホッとした。
毎回同じようなやり取りをしている
でも、今日初めて聞いた、女神さまがインチキだなんて…
なんで、あんな事を?
王妃さまがそんな事を言うなんて本当かしら?
気にはなったけど、私は読書に意識が沈んでいって、いつしかそんな事は忘れてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
私は目が覚めて、夢を見ていたことに気がついた…
あれは幼い頃の夢?
いいえ、夢ではない。
まだ学校へ通う前の本当にあった出来事だった。
そうだ。あの頃ニコラス殿下はよくあのように私の邪魔をしに来たっけ
いつも家庭教師の目を盗み、部屋から逃げ出して来ていたという事は後から知った。
それでも、勉強していないのがおかしいと思い、その事を指摘していたのだ。
だって、私も王子妃教育の為に、王宮へ行っていたのだから。
あそこで、本を呼んでいたのは大人たちの時間調整で、1時間位の休憩時間をもらった時なのだ。
でも、さっきの夢…
そうだわ、なぜ忘れていたのかしら
あの時殿下に王妃さまが女神様をインチキと言っていたと確かに聞いたんだ。
まさかニコラス殿下は今だにそれを信じているのかしら?
だから、あんなに簡単に破棄出来ると思っているのかも…
そろそろ、お父様の調査結果が出るだろう。
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