聖女派遣いたします

ゆうゆう

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再会

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「王妃様にご挨拶申し上げます」
私達は部屋に入り頭を下げた。

「フランカ、よく来てくれました。
まぁドーリスも一緒に連れてきてくれたのね。
2人とも元気でしたか?」

「王妃様、お久しぶりです」

「王妃様私の事も覚えていてくれたのですか?」

私がまだこの国に派遣されていた時、応援でドーリスも3ヶ月だけ一緒に王妃様にお仕えした事があった。

「当たり前よ、2人にはとても感謝しているもの」

私がスーリアに派遣された時を同じくしてマリーエル様はこの国へ嫁いで来られました。
その当時まだ15才で幼さが残る可憐な少女でした。

知らない国に1人で心細い思いをしているマリーエル様を見た陛下が私に力になってやってくれと頼み込んでこられたのです。

陛下の心配の通り、マリーエル様は重度のホームシックにかかってしまいました。

私は彼女から目を離せなくなり、24時間側に居ることにしたので、その他の仕事を代わりにやってくれる人員をお願いしました。
そこにやって来てくれたのがドーリスでした。

ドーリスは結界の張り直しや病人の治療などの仕事の合間にマリーエル様のケアを一緒にしてくれました。

私達がマリーエル様の心に癒しの魔法を掛けながら、いつも側に寄り添う様になって1ヶ月が経った頃、私とドーリスに笑顔を向けて気を許してくれるようになりました。

それから、ホームシックを乗り越えて、スーリアに馴染むと陛下に対しての緊張も解けて仲睦まじい夫婦となっていきました。

2人は歳の差があるためマリーエル様は余計に身構えて、1人孤独を感じていたのでしょう。

その2人の間の距離を少しづつ縮めるお手伝いが出来てよかった。

マリーエル様の感謝とはその時の事を言っているのでしょう。

「私達の方こそマリーエル様にいつも気に留めていただけて、感謝しております」

お茶の用意を侍女達がした後、マリーエル様は私達4人以外の者を下がらせました。

「マルグリットお願い」
そう王妃様が言いい。
「かしこまりました」
とマルグリット姉さんが盗聴防止魔法を部屋に掛けます。

「マリーエル様?」
私は不思議に思い疑問をぶつけます。

この国は王妃様が部屋で親しい者と話すのに、ここまで気を遣う国ではなかったハズです。
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