婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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聖女のための訓練

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パルフィート国に来て大叔母様の所に落ち着いて、数日が過ぎた。

その間に大叔母様から自分の力を自覚するために、いろいろと教えてもらっています。

まずは体の中に流れる聖なる力を感じる事。
瞑想や祈りの時の様に、目を瞑り手を合わせながら感覚を研ぎ澄ませていきます。

最初はよくわからなかったけど、だんだんと体に暖かい光が流れている感じを覚えてきました。

これをいつも感じておきなさい。と大叔母様に言われました。

次に温室の一画に種をたくさん埋めて、その前で祈りを捧げて行きます。
大叔母様が祈った場所はその日の内に芽が出ました。
さすがです。

私の祈っている場所は2日目まで何も変化がありませんでした。
3日目の今日も変化がなかったら、どうしよう。

温室にやって来ました。
私が種を蒔いた場所を見ると、少しみどりの物がチラホラみえます。

「やったわ、芽が出てきた」
私はホッとして、いつもより時間をかけて祈りを捧げます。
昨日までは、上手くいくのか緊張していた祈りが、とてもウキウキとした気分での祈りに変わります。

祈りを終えて目を開ける。
すると、目の前には緑色が広がっています。

「ふぇ?」何が起こったのかしら?

さっきまで少し芽が出始めた位だったのに。今は青々とした双葉やそれ以上に育った植物がいっぱいです。

私は慌てて、大叔母様のところへ行きました。

「ほほほ、びっくりしたようだけど、上手く変化を起こせたみたいね」

「大叔母様はこうなるのが分かっていらしたの?」

「ええ。
エレーナ、昨日と今日のお祈りの時の気持ちを思い出してみて…」

「えっと、昨日までは私でも芽を出す事が出来るか不安がありました。
今日は芽が出ていたから、嬉しくて…」

「そう。あなたの昨日と今日の気持ちや緊張感は全然違った訳ね」

「はい」
言われてみたら、同じ祈りを捧げても、その時の気持ちは全く違った。

「それが答えですよ。
私達も所詮はただの人なのです。
自分の気持ちや感じ方によって力に差が出てしまう。
でも、それは決して良いことではありませんよね?」

確かにその時の感情に流されて力が発揮出来ないのは、困る事態もあるだろう。

「次はどんな時も一定の力を出せるように自分でコントロール出来るようにならないといけません。
自分の気持ちをいつも一定に保てるようにしながら、その時の力の量を覚えましょう」

そうか、大叔母様は私の力のムラを自覚させ、その上で一定に保てと言っているのね。



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