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悪くない顔
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大叔母様に差し出された手鏡で自分の顔を映しました。
栗色の髪、そして少し薄い青色の瞳。
記憶の中のエレーナの顔立ち。
でもなぜかしら、思っていたより地味な顔でもない気がする。
目もクリクリと大きめで目尻が少しだけ下がっている。
鼻筋もそれなりで小鼻は小さめ
唇は流行りのぽってりとした厚みはなく色気はないながらもスッキリとして微笑むと口角が半月に上がった。
あれ? 私の顔そんなに悪くないんじゃないかしら?
何がそんなに嫌だったのか自分でもわからない。
「カイル… 私の顔って前と変わっていない?」
カイルが私の正面に来てまじまじと見つめています。
「そうだね。すこし頬がほっそりしたけど、前と変わらず可愛いよ」
そう言われました。
「なんで私この顔がそんなに嫌だったのかしら?」
頬に手を当てながら呟きました。
「きっと言葉の呪いがかかってしまったのよ」
大叔母様がいいます。
「言葉の呪い?」
「そう。いつもいつもお前の顔は地味だ可愛くないと言われ続ければ誰だって自信をなくすし、嫌になってくるでしょ?」
そうか、会うたびに婚約者にそんなこと言われれば、気が滅入るし気に入られようと思えば顔を変えたくなる。
それに、毎日のように義妹にもお姉様って貴族の癖に金髪じゃないのねとかそんなに地味ではドレスが気の毒だわとか言われていれば、私は地味で可愛くないって暗示をかけられる事になっていたのかも…
私のコンプレックスって拗らせ捲っていたのだわ。
私が思い至った事をカイルと大叔母様に伝えました。
「これでやっとエレーナの全てが浄化されたわね」と大叔母様がニッコリと笑った。
心の傷を癒しても、こんがらがった気持ちの葛藤や思考のパターンは直ぐに変わらず、徐々にほぐれてくるらしい。
そして自分で気付く事も大事なんだって。
「今までこの事に触れなかったのはね。その方がエレーナであることを隠しておくのに、都合がよかったからよ。
わざわざ変装する手間も省けたし嘘を付いてる訳ではないから気が楽だったでしょ?」
と大叔母様はいたずらっ子のような顔をします。
「でも、セシリアにはもう戻らないのか?」
とカイルに言われて、ちょっと考えて目を閉じ念じてみるとまたハニーブロンドのセシリアに変わります。
「もういつでも自在に変身出来るみたいよ」
と言うと2人が笑い出しました。
私も笑ってしまいました。
栗色の髪、そして少し薄い青色の瞳。
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目もクリクリと大きめで目尻が少しだけ下がっている。
鼻筋もそれなりで小鼻は小さめ
唇は流行りのぽってりとした厚みはなく色気はないながらもスッキリとして微笑むと口角が半月に上がった。
あれ? 私の顔そんなに悪くないんじゃないかしら?
何がそんなに嫌だったのか自分でもわからない。
「カイル… 私の顔って前と変わっていない?」
カイルが私の正面に来てまじまじと見つめています。
「そうだね。すこし頬がほっそりしたけど、前と変わらず可愛いよ」
そう言われました。
「なんで私この顔がそんなに嫌だったのかしら?」
頬に手を当てながら呟きました。
「きっと言葉の呪いがかかってしまったのよ」
大叔母様がいいます。
「言葉の呪い?」
「そう。いつもいつもお前の顔は地味だ可愛くないと言われ続ければ誰だって自信をなくすし、嫌になってくるでしょ?」
そうか、会うたびに婚約者にそんなこと言われれば、気が滅入るし気に入られようと思えば顔を変えたくなる。
それに、毎日のように義妹にもお姉様って貴族の癖に金髪じゃないのねとかそんなに地味ではドレスが気の毒だわとか言われていれば、私は地味で可愛くないって暗示をかけられる事になっていたのかも…
私のコンプレックスって拗らせ捲っていたのだわ。
私が思い至った事をカイルと大叔母様に伝えました。
「これでやっとエレーナの全てが浄化されたわね」と大叔母様がニッコリと笑った。
心の傷を癒しても、こんがらがった気持ちの葛藤や思考のパターンは直ぐに変わらず、徐々にほぐれてくるらしい。
そして自分で気付く事も大事なんだって。
「今までこの事に触れなかったのはね。その方がエレーナであることを隠しておくのに、都合がよかったからよ。
わざわざ変装する手間も省けたし嘘を付いてる訳ではないから気が楽だったでしょ?」
と大叔母様はいたずらっ子のような顔をします。
「でも、セシリアにはもう戻らないのか?」
とカイルに言われて、ちょっと考えて目を閉じ念じてみるとまたハニーブロンドのセシリアに変わります。
「もういつでも自在に変身出来るみたいよ」
と言うと2人が笑い出しました。
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