婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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悪い予感的中です

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「神獣様、あなた様はその魔女の名を知っていますか?」

私はなぜか背中がぞくぞくと悪寒の止まらぬまま、ある1つの可能性を考えながら神獣様に向かって聞きます。

「あやつの名前はサリーナと言った。サリーナ・ゲルドーだ。
あの土地に来る前の事は分からない」

やはりそうか…
何だか分からないけど、神獣様がこの女の話をし出した時にふと思い出したのが、大叔母さまを陥れた魅了魔法を使う伯爵令嬢だったサリーナだった。

まさか本当にサリーナだったとは。
名前が同じだけの別人とは考えにくい。

「そのサリーナと言う女はゲルドー男爵に魅了魔法を使っていたと言う事ですね」

「その通りだ」

私は念押しして確信を強くした。

「エレーナ嬢 何かご存知なのですか?」

「ふー パドック様知っておいてもらいたい事があります。
しかしこの話はカイルにも一緒に聞いてほしいので、ひとまず落ち着ける場所に移動したいのですが…
神獣様もう動けますか?」

「問題ない」

「では、国境の町の教会の中庭へ移動して頂けますか?」

「いいだろう、 ではおぬし達を乗せて行ってやろう」
と事も無げに言う神獣様。

「私達2人ではないのですよ。
あちらにもう3人待機しています。
だから、神獣様の背に乗るのはちょっと無理かと。
今呼びますね」
私はカイルのいる方向へ魔力を風に乗せるようにして声を響かせます。

「カイル戻ってきて!」
そんなに大きな声ではなくても風にカイルのもとへ届けてもらう。

数分もしないで3人が私達の元へ戻って来た。

「うまくいったか?」

「ええ、それで神獣様とゆっくり話したいから教会へ戻る事にしたの。
セレン、教会の中庭を借りたいわ」

「ええ、もちろん。
神獣様、どうぞ教会へお越しください」
セレンは跪き祈りを捧げている。
シスターであるセレンには神の使いとされる神獣は尊い存在ですものね。

「では、我の背中に乗れ」
そう言うとなんと神獣様は2倍の大きさに変化しました。

確かにこれなら人間5人くらい楽勝だわ。
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