婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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問題1つ解決です

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「聖女よ、ありがとう。
そなたの歌の力はとても心地よいな」
優しい眼差しで言ってくれた神獣様の言葉はとてもうれしかった。

「なんかパワーアップしてないか?エレーナの力」
周りを見回しながらカイルが呆れる様な声をあげている。

うーん。自分でもそう思う。
だって最初に知らないで讃美歌歌った時より、慎重に力を流したつもりだった。
決してガムシャラに力任せに解放した訳でもない。
なのに、こんな大きな効果があるなんて。

でも、教会の裏庭より、林檎園より広範囲に力が広がったのは森の特性のせいもあるのかな?

とにかく、いままでの比ではない事は確かだわ。

「これで1つ問題が解決できましたよね?」
内心の動揺を隠しつつ2人に同意を求める。

「さて、次は結界を… あれ?」

綻びてしまった結界から押し入って来たって聞いたけど、これって無理矢理何かの作用で脆くしてる?

ここだけ力を弱くするように、結界の力を遮断してるみたいな…。

「神獣様 この辺の結界の弱くなっている所。これって何かで結界の力を遮断してません?」

私の言葉に神獣様が結界の辺りをじっくり眺める
「ん? … …確かに。
そうか、これは脆くなったり、力のムラで弱い所を狙われたのかと思っていたが、ここだけわざと結界の力を押さえているのか。
だが、どうやって」

私はもう一度ゆっくり結界付近を調べ直します。
カイルも一緒に調べてくれると、
「エレーナちょうど脆くなった結界の辺りの土が他より柔らかい。
これってここら辺を掘り起こしていないか?」
言われてみればそこだけ土を耕した様に色も違って見えます。

「ちょっと掘ってみるか?」
カイルがナイフを出して言います。
「お願い」
頷いて同意します。

カイルがナイフを器用に使って土を掘っていくと、何か出てきました。

「これって…」

何?これ?

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