婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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サリーナに面会する

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私達が王都に戻ると、パドック様は密かに国王陛下と魔法石について話し合いを持たれました。

この事だけは、出来るだけ限られた人にだけ話をする事にした私達。

魔石の谷の事を知る者が増えれば、いずれ善からぬ事を考える者が出てくるからだ。

この話を聞いた陛下はパドック様に魔法塔での魔石の管理を命じた、今まで市中に出回っている魔石とはあまりにも質が違うため、出所を探られる事を恐れたためだ。


陛下は最果ての山の存在理由を知って、あの一帯を最重要管理地区に指定して魔導士達に守りの強化を命じた。

前王の様な国王でなかった事はアランソル国にとって幸いだった。

今の国王と新たに継承権第1位になったバイロン王子の弟アランなら、誠実に神獣様との約束を守り続けてくれるだろう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「はじめまして、聖女マリナの又姪まためいのエリーナと言います」

「マリナ様… きっとマリナ様はまだ私を恨んでいるでしょうね」
全てを諦めたような、それでいてフッ来れたような顔のサリーナが言った。

王都に運ばれて1ヶ月後、医療刑務所の独房に入れられたサリーナは1人で歩ける程に回復していた。

裁判ではパドック様に告白した事と王宮の諜報員が調べた事全てを認め数日後に死刑が確定していた。

私は陛下にお願いして、サリーナに最後の面会をさせてもらったのだ。

「あなたも聖女に覚醒したのでしょ? パドック様が言っていたわ、私を治したのはあなただって。
なぜマリナ様の仇の私を治して救ってくれたの?」

「誰かを救うのに、理由など考えた事はありません。
今にも息が止まりそうな人が目の前にいたら、助けたくなるでしょう?」

「私には分からないわね」

「大叔母様はあなたの行方は気になっていたと思いますけど、決してあなたが憎くて探したかった訳ではないと思います」

「なぜ? 私の所為で家族は散り散りになり、この国にいられなくなったのよ?
恨んで、憎んで当然じゃないの」

「人は怨み辛みで生きていけば自分が辛くなるだけです。
それでは決して幸せな日々ではない筈です。
あなたもゲルドー男爵と暮らした日々で怨み辛みは忘れていたのではないですか?」

サリーナは思い出すように目を閉じてじっと考えています。
パドック様に話を聞いた時、前王から逃れてミゲール・ゲルドーと暮らす日々はサリーナにとって平和で幸せだったと私には思えたからだ。
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