20 / 27
20
しおりを挟む
建国際が無事に終わり、お父様とお兄様は各々領地の町を巡って様子を見ている。
お母様は王都のタウンハウスに残り、当分社交に精を出すそうです。
私もまたマルクスに戻ってきました。
私がいない間に木の実の苗もしっかり根付き、広大な畑も出来上がっていた。
農夫達の生活も改善し、今は皆頑張って働いてくれている。
商会にいるラナ、コレット、マルタの3人も仕事にも慣れて他の皆とも上手くやっているようだ。
そろそろコレット達に字を教えようかしら?
そんな事も考える。
やっと1つマルクスの問題を解決出来たようで嬉しかった。
これからもどんどん仕事をしていこう。
手始めに新たに仕入れた情報をもとに、今考えている事をうちの主要メンバーに相談します。
いつもの様に、2人を執務室へ呼び、お茶を飲んで一息ついて、私はテッドとドミニクに切り出す。
「ねぇテッド、ドミニク。
今、王都で羽を使った髪飾りが流行りだしたところなの」
これは私が王都を離れる前にルビアが親しい令嬢達だけを集めてお茶会を開いてくれた時に聞いたの。
また一部の高位貴族の間で流行り出しているらしいけど、すぐに広まるだろうって言っていた。
「そのうちに、いろんな色の羽がそこかしこで売り買いされてる筈よ。
それで、私もちょっと珍しい鳥の羽を仕入れてみたいのだけど」
そう提案すると、
「鳥の羽ねぇ… 面白い物が流行りだしましたね。
ああ、だったらワグナー共和国がいいですよ。
あそこなら大きな鳥や色の鮮やかな鳥がいるから輸入してみると面白いでしょう」
テッドが言うには大きな山脈や森が多く、そこにとても珍しい鳥が数多く生息する国なのだとか…
山の麓の村むらでは、そう言った鳥を捕まえて肉は食用として、羽や嘴などを加工してお土産物を作ったりしているそう。
ずいぶんとテッドがワグナー共和国に詳しくてびっくりしです。
それにワグナー共和国と聞いて、またドキッとしちゃいました。
不意打ちでテオバルド様のいる国の名前を聞くと、慌ててしまうようです。
そうか、ワグナー共和国にはそんな素敵な鳥が生息しているのね。
今度手紙でテオバルド様にいろいろ聞いてみようかな。
「へ、へえー、うちは今までワグナー共和国との付き合いってあったのかしら?」
心の中でテオバルド様の事を考えていた事を誤魔化しながら、声が上ずりそうになるのをどうにか抑えて言います。
「一度コーヒーを仕入れたと思いますよ。その時の船の船長に聞いておきますよ」
そうドミニクが請け負ってくれた。
予想外の事で、皆に変に思われないように装うので精一杯でしたが、何とか相談事は無事すみました。
:
今日テッドに聞いた話を思い出しながら、テオバルド様に手紙を書きました。
まずは建国際が無事に済んだ報告。
そしていつか一緒に建国際のお祭りを見に行ってみたいという事。
それからテオバルド様が贈って下さったドレスがとても気に入って、お母様やお兄様、ルビアにもとても好評だった事。
なぜ私の好みを把握しておられるのですか?
しかも私の容姿にピッタリなんて、もしかしてテオバルド様は私を以前からご存知だったのではないか?など、結構攻めた内容を書いてしまった。
そして最後にうちの商会の人間からワグナー共和国はとてもきれいな鳥が多い話を聞いたと書きます。
出来たら、どんな色の鳥がいるのか教えて欲しいとも書きます。
手紙を封筒に入れて、封蝋でシーリングスタンプを押す。
「よし」
自分から提案した手紙のやり取りは何も知らない相手に対しての苦肉の策だったが、これのお陰で2人の仲は随分と近付いた気がする。
それにテオバルド様の人となりが想像できるような気がしていた。
今、リディアーヌの悩みの種は1つだけ、マルクスの皆にいつ結婚の話をするか?と言う事だけだった。
第2の実家とも言えるここへ帰ってきていつも、その事を頭の片隅に置いていた。
一度は決心をして切り出そうとしたけれど、邪魔が入ってしまいそれっきりになってしまっていた。
「本当にそろそろ言わないといけないわよね」
以前よりもテオバルド様を身近に感じ、好意を持っていることも自覚した。
だから、前よりは胸を張って結婚の報告は出来そうだった。
もうただの契約結婚ではない。
そんな風に思えるから。
お母様は王都のタウンハウスに残り、当分社交に精を出すそうです。
私もまたマルクスに戻ってきました。
私がいない間に木の実の苗もしっかり根付き、広大な畑も出来上がっていた。
農夫達の生活も改善し、今は皆頑張って働いてくれている。
商会にいるラナ、コレット、マルタの3人も仕事にも慣れて他の皆とも上手くやっているようだ。
そろそろコレット達に字を教えようかしら?
そんな事も考える。
やっと1つマルクスの問題を解決出来たようで嬉しかった。
これからもどんどん仕事をしていこう。
手始めに新たに仕入れた情報をもとに、今考えている事をうちの主要メンバーに相談します。
いつもの様に、2人を執務室へ呼び、お茶を飲んで一息ついて、私はテッドとドミニクに切り出す。
「ねぇテッド、ドミニク。
今、王都で羽を使った髪飾りが流行りだしたところなの」
これは私が王都を離れる前にルビアが親しい令嬢達だけを集めてお茶会を開いてくれた時に聞いたの。
また一部の高位貴族の間で流行り出しているらしいけど、すぐに広まるだろうって言っていた。
「そのうちに、いろんな色の羽がそこかしこで売り買いされてる筈よ。
それで、私もちょっと珍しい鳥の羽を仕入れてみたいのだけど」
そう提案すると、
「鳥の羽ねぇ… 面白い物が流行りだしましたね。
ああ、だったらワグナー共和国がいいですよ。
あそこなら大きな鳥や色の鮮やかな鳥がいるから輸入してみると面白いでしょう」
テッドが言うには大きな山脈や森が多く、そこにとても珍しい鳥が数多く生息する国なのだとか…
山の麓の村むらでは、そう言った鳥を捕まえて肉は食用として、羽や嘴などを加工してお土産物を作ったりしているそう。
ずいぶんとテッドがワグナー共和国に詳しくてびっくりしです。
それにワグナー共和国と聞いて、またドキッとしちゃいました。
不意打ちでテオバルド様のいる国の名前を聞くと、慌ててしまうようです。
そうか、ワグナー共和国にはそんな素敵な鳥が生息しているのね。
今度手紙でテオバルド様にいろいろ聞いてみようかな。
「へ、へえー、うちは今までワグナー共和国との付き合いってあったのかしら?」
心の中でテオバルド様の事を考えていた事を誤魔化しながら、声が上ずりそうになるのをどうにか抑えて言います。
「一度コーヒーを仕入れたと思いますよ。その時の船の船長に聞いておきますよ」
そうドミニクが請け負ってくれた。
予想外の事で、皆に変に思われないように装うので精一杯でしたが、何とか相談事は無事すみました。
:
今日テッドに聞いた話を思い出しながら、テオバルド様に手紙を書きました。
まずは建国際が無事に済んだ報告。
そしていつか一緒に建国際のお祭りを見に行ってみたいという事。
それからテオバルド様が贈って下さったドレスがとても気に入って、お母様やお兄様、ルビアにもとても好評だった事。
なぜ私の好みを把握しておられるのですか?
しかも私の容姿にピッタリなんて、もしかしてテオバルド様は私を以前からご存知だったのではないか?など、結構攻めた内容を書いてしまった。
そして最後にうちの商会の人間からワグナー共和国はとてもきれいな鳥が多い話を聞いたと書きます。
出来たら、どんな色の鳥がいるのか教えて欲しいとも書きます。
手紙を封筒に入れて、封蝋でシーリングスタンプを押す。
「よし」
自分から提案した手紙のやり取りは何も知らない相手に対しての苦肉の策だったが、これのお陰で2人の仲は随分と近付いた気がする。
それにテオバルド様の人となりが想像できるような気がしていた。
今、リディアーヌの悩みの種は1つだけ、マルクスの皆にいつ結婚の話をするか?と言う事だけだった。
第2の実家とも言えるここへ帰ってきていつも、その事を頭の片隅に置いていた。
一度は決心をして切り出そうとしたけれど、邪魔が入ってしまいそれっきりになってしまっていた。
「本当にそろそろ言わないといけないわよね」
以前よりもテオバルド様を身近に感じ、好意を持っていることも自覚した。
だから、前よりは胸を張って結婚の報告は出来そうだった。
もうただの契約結婚ではない。
そんな風に思えるから。
13
あなたにおすすめの小説
結婚はするけれど想い人は他にいます、あなたも?
灯森子
恋愛
度重なる不幸で家族を亡くし、一人ぼっちになってしまった少女エレノア。女手ひとつ歯を食いしばって領地を守ってきた。
その能力を買われどうしてもと言うから、断りきれずに公爵家へと嫁いだ。
切望されて嫁いだはずだったのに。
式当日の朝、新郎は迎えにこない。誓いのキスはくちびるではなくおでこだし、結婚披露パーティーのダンスはあなたとは踊れないと言われてしまった。え?踊らないって?わたしたち主役ですけど、どうするの?
どうやら夫レオンはこの結婚を望んでいなかったらしい。
ま、いいか。わたしにも想い続けている人がいますから。
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
私と義弟の安全は確保出来たので、ゆっくり恋人を探そうと思います
織り子
恋愛
18歳で処刑された大公家の令嬢、セレノア・グレイス。
目を覚ますと――あの日の6年前に戻っていた。
まだ無邪気な弟ルシアン、笑う両親。
再び訪れる“反逆の運命”を知るのは、彼女だけ。
――大公家に産まれた時点で、自由な恋愛は諦めていた。だが、本当は他の令嬢達の話を聞くたびにうらやましかった。人生1度きり。もう少し花のある人生を送りたかった。一度でいいから、恋愛をしてみたい。
限られた6年の中で、セレノアは動き出す。
愛する家族を守るため、未来を変えるために。
そして本当の願い(恋愛)を叶えるために。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
捨てられた悪役はきっと幸せになる
ariya
恋愛
ヴィヴィア・ゴーヴァン公爵夫人は少女小説に登場する悪役だった。
強欲で傲慢で嫌われ者、夫に捨てられて惨めな最期を迎えた悪役。
その悪役に転生していたことに気づいたヴィヴィアは、夫がヒロインと結ばれたら潔く退場することを考えていた。
それまでお世話になった為、貴族夫人としての仕事の一部だけでもがんばろう。
「ヴィヴィア、あなたを愛してます」
ヒロインに惹かれつつあるはずの夫・クリスは愛をヴィヴィアに捧げると言ってきて。
そもそもクリスがヴィヴィアを娶ったのは、王位継承を狙っている疑惑から逃れる為の契約結婚だったはずでは?
愛などなかったと思っていた夫婦生活に変化が訪れる。
※この作品は、人によっては元鞘話にみえて地雷の方がいるかもしれません。また、ヒーローがヤンデレ寄りですので苦手な方はご注意ください。
※表紙はAIです。
ベルガー子爵領結婚騒動記
文月黒
恋愛
その日、王都より遠く離れたベルガー子爵領は、俄かに浮き足立っていた。
何せ、ついに領民一同が待ち望んでいたベルガー子爵の結婚相手がやって来るのだ。
ちょっとだけ(当領比)特殊な領地の強面領主に嫁いで来たのは、王都の男爵家の末娘・マリア。
だが、花嫁は領主であるベルンハルトの顔を見るなり泣き出してしまった。
最悪な顔合わせをしてしまったベルンハルトとマリア。
慌てるベルンハルトの腹心の部下ヴォルフとマリアの侍女ローザ。
果たしてベルガー子爵領で彼らは幸せを掴めるのか。
ハピエン確定のサクッと読めるギャグ寄り恋愛ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる