カランコエの咲く所で

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まさかと思うが、何だかんだもっともらしい理由をつけて俺をヨーゼフのもとへと連れてきたが、実際は早く俺たちから解放されたかったから強引に俺をここに連れてきたのか？


「言われてみりゃ、返事してない…」


『ゲルハルトが責任持ってイヴのことを守る』ってエクベルトやヨーゼフが言っていたのに大して本人はやるともやらないとも言っていなかった。
やらないと言ったら、二人から、特にヨーゼフから何か言い出しそうだったし、いつまで経っても事が動かなかっただろう。
それを避けるために、あえて何も言わずに様子を見ていたと考えられる。

昔から女の子にはモテていたけれど、昔はもっと堅物で女の子に何て興味ありません。
恋より任務第一って感じだったのに、この十年で人はここまで変わるものなのか。


「はぁ………」


俺は昔も今も何ら変わらないってのに。
そうこうしている間にもヨーゼフはゲルハルトがいなくなったことなど気付かずに、瓦礫の山を失くし、建物を新たに作り出していた。
もしかしたら、ここにある瓦礫の山は元々この村にあった建物が崩れて出来たものなのかもしれない。
どうしてこんな風になってしまったのだろうか。
何がきっかけでこんな瓦礫の山のようになってしまったのだろう。
もしかして、十年前の出来事と関係があるのだろうか。
それともまた別件なのだろうか。
だとしたら何が起きたというのだろう。