カランコエの咲く所で

(9)

村に戻ってまず僕がしたことは、両親へ紹介だった。
僕が産まれた日に倒壊した城の跡地に出来たお墓はいつも誰かが訪れているおかげで、華やかだ。


「おとーさん、おかーさん、これからいっしょにこのことくらそうとおもうの！」


僕が感じてきた寂しさをこの子には感じて欲しくなくて、僕は両親にそう言った。
僕にはエクベルトが側にいたけれど、この子にはいないからなおのこと僕は自分が側にいてあげなくてはと思っていたのかもしれない。


「きっとむらのじーちゃんもいいよっていってくれるからだいじょうぶ。もうひとりじゃないよ」


僕がこの子に笑いかけたら、今までずっと僕の顔をじっと見つめていたはずなのに、急に大きな泣き声を上げてボロボロと泣き始めたのだ。


「え、どうしたの？！どこかかいたむの？」


何故泣いているのか分からず、安心させるように抱き締めてあげることしか出来なかった。


「だいじょうぶ、もうだいじょうぶだよ」