きっと、貴女は知っていた

mahiro

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「急展開過ぎて驚いたと思うけど、そういうわけだから。今までありがとう、楽しかった」


確かに一昨日の今日で展開が早すぎる気もするけども、善は急げとも言うし、いつまでも私と暮らしてるわけにはいかない。


「寂しいですが分かりました。こちらこそ今までありがとうごさいました。楽しい時間を過ごせました。ありがとうごさいました」


玄関からヴァネッサの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
もうこれで最後のようだ。


「ヴァネッサ、お身体にはお気をつけて」


「ブランシュもね」


差し出された手を握り締め、二人で笑い合った。
握り締めた手からは、やはりトマと呼ばれた男性と笑い合うヴァネッサの姿がはっきりと見えていた。


「……トマさんとどうかお幸せに」


私がそう言うと、ヴァネッサは目を僅かに広げてから首を立てにふった。


「うん、ありがとう。ねぇ」


「はい」


「ブランシュも運命の相手と糸が繋がれたようだね。このままいけばうまく行くよ」


…………はい?


「それじゃあ、またね。ブランシュ。また近々会おうね」


頭がついていかずに振られた手を振り替えしながら、ヴァネッサの言葉を反芻してみた。


私も運命の相手と糸が繋がれた?
このままいけばうまく行く?

どういうことですかね、ヴァネッサさん。
もっと補足をお願いたいんですが、と部屋の外に出てみたら、すでに二人の姿はありませんでした。















おわり










ここまでお付き合いいただきました皆様、本当にありがとうございました。
本当は主人公の運命の相手が誰なのかとか書こうかとも思ったのですが、ここまでとさせていただきました。
少しでも楽しんでいただけた方がいらっしゃれば嬉しいです。
この度も本当にありがとうございました。
今後もお付き合いいただけますと幸いです。

この度も本当にありがとうございました。
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