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先輩とキヨさんは大きな変わりはなさそうだけど、ケイトの変わりように動揺が隠せない。
前世のケイトを知っていてもこうなのだから、知らない他のメンバーはもっと動揺するだろう。
俺としては昔の繋がりがある人物が急に増えたことで立ち振舞い方を考えないといけなくなったし。
「矢については予定だったものを探しに行こうと思う。今日はもう遅いから明日早速向かおう」
先輩の言葉に皆が頷いた。
その他に状況整理が必要かという話しになったが、この短期間に様々なことが起こりすぎているので一旦各自で頭の中をまとめてから再度話し合おうという結論に至った。
解散という合図と共に俺は部屋から出た。
本当は俺と先輩が同じ部屋だったと思うが、先輩はケイトと話をしていて俺が出ていったのも気付いていないようだった。
「あれ、グレイ?何で部屋から出てるんだ?」
それに気付いたのはやはりというかフランさんで、不思議そうに俺を見た。
「あーえっと………」
どう説明しようか。
実はケイトって俺の元同級生で、先輩にとってケイトも俺と同じ後輩でって話すか。
「あれ?グレイだ。どうしたの?」
言い淀んでいるうちにアレシアまでこちらにやってきた。
どうやらキヨさんとショウンさんは各々の状況を共有するためか2人で部屋に向かってしまい、アレシアはひとり取り残されたらしい。
「そういうアレシアは?」
「俺?俺は取り残されちゃった。まぁ、先輩について回るわけには行かないから、都合がいいっちゃ都合が良いんだけどさ」
そうか。
アレシアもキヨさんと話し合った後で、2人きりになるのは気まずいか。
「俺はケイトのこともあって、気まずくて部屋から出てきた」
「あぁ、ケイトな」
「ムシューニと関係があったということは、グレイとも関係があったってことか」
「そうなんです。ケイトとは同級生でした」
「同級生?!この世界、そんな繋がりもあるのか」
前世のケイトを知っていてもこうなのだから、知らない他のメンバーはもっと動揺するだろう。
俺としては昔の繋がりがある人物が急に増えたことで立ち振舞い方を考えないといけなくなったし。
「矢については予定だったものを探しに行こうと思う。今日はもう遅いから明日早速向かおう」
先輩の言葉に皆が頷いた。
その他に状況整理が必要かという話しになったが、この短期間に様々なことが起こりすぎているので一旦各自で頭の中をまとめてから再度話し合おうという結論に至った。
解散という合図と共に俺は部屋から出た。
本当は俺と先輩が同じ部屋だったと思うが、先輩はケイトと話をしていて俺が出ていったのも気付いていないようだった。
「あれ、グレイ?何で部屋から出てるんだ?」
それに気付いたのはやはりというかフランさんで、不思議そうに俺を見た。
「あーえっと………」
どう説明しようか。
実はケイトって俺の元同級生で、先輩にとってケイトも俺と同じ後輩でって話すか。
「あれ?グレイだ。どうしたの?」
言い淀んでいるうちにアレシアまでこちらにやってきた。
どうやらキヨさんとショウンさんは各々の状況を共有するためか2人で部屋に向かってしまい、アレシアはひとり取り残されたらしい。
「そういうアレシアは?」
「俺?俺は取り残されちゃった。まぁ、先輩について回るわけには行かないから、都合がいいっちゃ都合が良いんだけどさ」
そうか。
アレシアもキヨさんと話し合った後で、2人きりになるのは気まずいか。
「俺はケイトのこともあって、気まずくて部屋から出てきた」
「あぁ、ケイトな」
「ムシューニと関係があったということは、グレイとも関係があったってことか」
「そうなんです。ケイトとは同級生でした」
「同級生?!この世界、そんな繋がりもあるのか」
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