きっと、君は知らない

mahiro

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キヨさんの指示するままに進んで行く中、自然とグループのようなものが出来ていた。
先輩とケイト。
ショウンさんとキヨさん。
俺とアレシアとフランさんの3グループだ。
旅が始まった頃には特に意識していなかったが、今はどうにも意識してしまう。
先輩とケイトのことは気になるが、そこはあえて意識しないようにして、今の問題はキヨさんとアレシアだ。
前は少なからず交流があったのに、今は全くなく、2人が話しているところを見ていない気がする。
なんせアレシアが俺から離れようとしないし、話題を振ろうとすると曇りない笑顔で大丈夫だ!と返されてしまい、それ以上踏み込むことを許してくれない。
何か力になりたいが俺に何が出来るのか分からないし、そもそもアレシアと先輩であるキヨさんに何があったのか俺はよく知らない。
俺と同じ傷があるということは俺と同様に最期に事故があったのは確かで、その詳細を聞きたくても聞けない。
キヨさんに聞く訳にも行かないだろうし、どうしたものか。
とひとり悶々と悩んでいると、隣を歩いていたアレシアが急に足を止めた。


「アレシア?」


どうした?と声を掛けるよりも早く左方向へ急に走り出した。


「え?おい、アレシア?!」


何が何だか分からないがその後を追い掛けると、先輩の式神も俺の後を追い掛けてきた。


「急に走り出してどうし」


たんだ、と繋げようとした言葉は、アレシアが両腕で何かをキャッチしたのを見て途切れた。
え?何?何キャッチしたの?
と恐る恐るアレシアに近付けば、その腕には可愛らしい女性が抱き抱えられていた。
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