オレに触らないでくれ

mahiro

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入学式当日はバタバタ

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入学式当日。
この日の朝は修羅場だった。
入学式に間に合わせるために、日夏を少し早めに起こして顔を洗ってあげて、髪の毛を結わいて私服に着替えさせてリビングの椅子に座らせ、同様に幸輝も同じことをしてあげようとしたら恥ずかしいから止めて、と怒られ、何とか朝食まで辿り着けたかと思いきや日夏の二度寝。
椅子に座ってスプーンを片手にすやすや。
この状態で食べさせるのは忍びないけど、オレの時間がないから日夏の名前をひたすら呼びながらご飯を口に運び、食べさせ、合間見てオレも食べる。
先に食べ終わった幸輝に歯を磨かせ、オレは食器を水につけ、新しい制服に袖を通して二人分の弁当を各々の鞄に入れ込んだ。
幸輝はまだ小学校は春休みで、空手道場に朝から夕方まで居るだろ、日夏はいつものように保育園だけど、今日は1時間半早く預かってくれることになってるからそれで良しとして、オレも忘れ物しないようにしないと。
鞄の中に筆記用具と提出物と、あと何だっけ。
そうこうしているうちに出発の時刻になってしまい、いつもは三人で仲良く手を繋いで登校してるけど今日はそんな余裕がないから、鞄を背中に背負い、日夏を片手で抱っこし、幸輝を反対の手で抱え込んだ。


「幸輝、恥ずかしいと思うけど今日は我慢してくれ」


「うん、大丈夫」


大切な弟を脇で抱え込むなんてことしたくなかったけど、今日だけは我慢してくれ。
小学六年生になろうとしてる男の子がこんな格好をさせられてるだけでも恥ずかしいよな。
分かる分かるが、ごめん。
兄ちゃん今日だけは時間がないんだ。


「おにいちゃん、はやいはやい!」


「日夏も落ちないようにお兄ちゃんにしっかりしがみついててな!」


二人を抱えている腕に力を入れて走り込み、汗だくだくのまままずは保育園につき、先生に日夏を預けようとしたらまさかの日夏大泣き。
もしかして抱っこが怖かったのかと思いきや、もっと一緒に居たかったのだと。
いつもは幸輝と別れてから日夏と別れるもんな。
今日はいつもと順番が逆なのと時間が早いから。


「日夏、学校終わったらすぐに迎えに来るから良い子で待ってるんだぞ」


泣きじゃくる日夏を落ち着かせてから、幸輝の空手道場に着いた頃にはもう時間ギリギリ。


「またな、幸輝!日夏と一緒に迎えに来るから!」


「分かった。兄さんも気を付けて」


「ありがと!じゃあな!」


そう言って幸輝と別れてからダッシュで高校へと向かい、何とか時間内には間に合ったんだけど、何故か女の子たちに朝から囲まれてます。
囲まれるのは別に良いんだけど、少し休ませて欲しい。
ここまで休む間もなく、来たから汗も凄いし、とにかく疲れた。
そう思いながら視線を彷徨わせたら、同じクラスのエリアに『宮永』の姿と宗方の姿が。
同じクラスなのは凄く嬉しいし、姿を見れるだけで幸せなんだけど、相変わらずガードが固くて近寄れそうもないな。
別にオレは両思いになれるなんて思っていない。
そもそも接点を持つことすら出来るか分からないし。
もし、何かの間違えで関わることが出来るのであれば友達にはなりたいな、とは思ってる。
友達として何かしらの繋がりを持っていれば、たまに会えたり出来るだろうし。
友達でなければ、それも出来はしない。
どうすればあの二人の間に入ることが出来るのか、それが分からないままでいる。
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