やっと、

mahiro

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誕生日当日を迎え、手紙を読むことへの緊張となれないであろう服装のせいで恥ずかしがるエディスの背を押してノエリア王子がいるという部屋の中へ押し込んだ。
どんな服装をさせたかというと、旅の途中でサイズの小さいドレスを間違って購入したものでノエリア王子の瞳と髪の色に似た華やかなドレスだ。
ちょっと胸元が開きすぎているのが、問題なような気もするが、私以外だとノエリア王子しか見ないだろうから問題ないだろう。


「よう、ミュライユ。昨日はちゃんと眠れたか?」


そこへアルノルフさんが軽く手を上げ、近寄ってきた。
今日はノエリア王子の誕生日だが、城の皆は城を華やかにしたり食事を特別なものにしたりとするだけで他は特にしないのだとか。
何故なら、ノエリア王子の一番はエディスであり、どんなに特殊なことを行おうとノエリア王子にとっては大したことがないことだかららしい。
なら、私など最初から城にいれる必要がなかっただろうにと思うが、アルノルフさんとしては何としてでもエディスに戻ってきて欲しかったのだろうなとも思う。


「おはようございます、アルノルフさん。お陰さまでよく眠れました」


「そりゃ良かったな」


久しぶりにまともな、それ以上によいベッドで眠れた気がする。
それも今日で終わりだろうけども。
もともとこの城には誕生日会までという話だったし。
また行く先なくたらたらと旅に出なければ。


「アルノルフさん、短い間でしたがありがとうございました」


「は?」


私が頭を下げれば、何を言われているのか分からないような顔をされたのだが、何故そんな顔をされているのか私も分からない。


「アルノルフさんにはお伝えしていなかったかもしれないのですが、私は元々旅人です。この国には一週間だけの滞在を予定していましたので、そろそろ次の旅に出ようかと思っておりまして」

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