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知らない男
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講義が終わり帰ろうとすれば、何故か俺は宝生にとある国立大学の前に連行されていた。
男性が割合的に多いように見えるここに一体誰が居ると言うのか。
まさか、あの怖い彼氏の通っている大学とか?
だとしたら何故俺は連れて来られた?
1人で待っていれば良いじゃないか。
「あの、宝生?俺は何故連れて来られたんだ?」
「ここは奴の通う大学で、ここで待つように言われたんだが絶対に1人で待つなと言われてな」
「あ、そう」
つまり、用心棒的な存在として連れて来られたのか。
それが終われば俺はおさらばして良さそうだな。
「別におなごじゃあるまいし1人で待てるのだがな」
「いや、宝生のことがそれほど心配なんだろ?」
俺がそう言えば嬉しそうに笑う宝生を通り過ぎる女性たちが宝生を見て頬を染めて騒いでいるのが見え、何となくヤバい気がした。
これは宝生の姿を出来るだけ彼女たちから隠すべきかと門に背を向けたのだが、宝生の方が俺より微妙に背が高いせいで隠れきれていない。
「どうしたのだ?孝介、何かあったか?」
「この無自覚人間め……」
分かっていてやられるのも困るが、無自覚のも困るな。
これじゃあ彼氏も大変だ。
「お、奴が来たな。でも、誰だ?あのチャラそうな男は」
俺の横から覗くように門の方を見た宝生に促されるように見てみれば、あの凶悪面をした彼氏と金髪で目立つ格好をした男が話ながらこちらに向かっている姿が見えた。
「宝生が知らないのに俺が知るわけないだろ」
「だよな…」
そうこうしているうちに宝生の彼氏はこちらに気付き、毎度のごとく睨まれました。
宝生を1人で待たせないために一緒に居ただけなのに酷い。
「あれ?男じゃん」
宝生の彼氏もそれならに身長があるのに、それを越えるこの男。
俺たちを交互に見てガッカリしたように言ってきたが、誰が居ると思って来たんだ。
「だからお前が付いてきても面白くないっつったろ。さっさと帰れ」
宝生の彼氏が嫌そうな顔をしながら追い払おうとすれば、その男は何故かにんまりと笑った。
「初めまして、真宮颯斗(じんぐうはやと)って言います。お見知りおきを」
「こんな奴知らなくて良いから行こうぜ」
宝生の彼氏に宝生共々背中を押され、真宮という男とは逆方向に向かされ、そのまま背中を押され続ける。
宝生は分かるが何で俺まで。
「おい、北嶌?押さなくとも歩けるぞ」
「はいはい、今はこのまま歩け」
「逃げるなよ、北嶌!オレも行く!」
「来んな!」
面白そうに追いかけてくる真宮に宝生は足を止め、真宮に指を指し言った。
「真宮だか何だか知らんが、北嶌が嫌がっているではないか。北嶌のためにもいい加減、ついてくるのは止めてくれないか」
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「だよな…」
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