ブレスレットが運んできたもの

5

「廊下で出会ったときから、ずっと側にいましたよ。ブレスレットとしてですけど」


「は？！ブレスレット？！」


ブレスレットとしてって、どういうことだ？
今は人間の格好をしているけど、実は人間じゃなくてブレスレットなんです、とかそんな非現実的な話か？
言われてみれば人間離れしているとも言える見た目だけど、それを言ったらさっき見た派手な髪色の3人だって同じことが言えるわけで。


「はい。信じて貰えないとは思いますが、僕、今でこそ人の形をしていますが本当はブレスレットなんです」


非現実的な話であってた。
出来れば当たってほしくはなかったが。
だとすると、彼らも物だったりして。


「ちなみに城で見かけた彼ら三人についてですが、一人は僕と同じブレスレットでもう二人は対の指輪です」


やっぱりそうだった。