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荒巻さん?
何で荒巻さんが大学の門の所にいるんだ?
まさか撮影の帰り、なわけがない。
今日は早い時間に撮影を終えていたのを見かけたじゃないか。
だとしたらまさか、俺を待っていたのか?
「ねぇ、荒巻君だよね?本人だよね?何で先から何も言ってくれないの?」
女子生徒はこちらからは全く顔の見えない荒巻さんの腕に触れようとして、思いっきり避けられていた。
まるで触られたくないかのような素振りに、女子生徒は目を見開いたのが見える。
「私に触られたくないの?」
その問いかけに荒巻さんは返事を返したのか、俺のいる位置からは見えないし聞こえない。
もう少し近付こうにも、隠れられる面積が減るためバレそうだ。
「酷い………私、貴方のファンなのに」
ついに泣き出して決まった女子生徒に、荒巻さんはどうするのか見守っていたが、荒巻さんは女子生徒の方は見ずに真っ直ぐに校舎の方へと顔を向けていた。
ポケットに手を入れ、顔を上に向けている姿が一枚の絵のように見えた。
「あのさ、ファンでいてくれるのは大変ありがたいんだけど、ひとりのファンを特別扱い出来ないから、泣くなら家で好きなだけ泣いてくれねぇかな?俺は下手に慰めたりした所を撮られたりとかしたくなねぇの」
そこへ俺が今まで聞いてきた荒巻さんの声とは全く異なる氷のように冷たい声が風と共にやってきた。
何で荒巻さんが大学の門の所にいるんだ?
まさか撮影の帰り、なわけがない。
今日は早い時間に撮影を終えていたのを見かけたじゃないか。
だとしたらまさか、俺を待っていたのか?
「ねぇ、荒巻君だよね?本人だよね?何で先から何も言ってくれないの?」
女子生徒はこちらからは全く顔の見えない荒巻さんの腕に触れようとして、思いっきり避けられていた。
まるで触られたくないかのような素振りに、女子生徒は目を見開いたのが見える。
「私に触られたくないの?」
その問いかけに荒巻さんは返事を返したのか、俺のいる位置からは見えないし聞こえない。
もう少し近付こうにも、隠れられる面積が減るためバレそうだ。
「酷い………私、貴方のファンなのに」
ついに泣き出して決まった女子生徒に、荒巻さんはどうするのか見守っていたが、荒巻さんは女子生徒の方は見ずに真っ直ぐに校舎の方へと顔を向けていた。
ポケットに手を入れ、顔を上に向けている姿が一枚の絵のように見えた。
「あのさ、ファンでいてくれるのは大変ありがたいんだけど、ひとりのファンを特別扱い出来ないから、泣くなら家で好きなだけ泣いてくれねぇかな?俺は下手に慰めたりした所を撮られたりとかしたくなねぇの」
そこへ俺が今まで聞いてきた荒巻さんの声とは全く異なる氷のように冷たい声が風と共にやってきた。
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