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家に帰りたくないからなのか、ただ単純に仕事が終わらなかったからなのか分からないが、いつもより帰宅時間が遅くなってしまった。
月曜日からもう火曜日の時刻になってしまっている。
今日はもう帰ってすぐに寝よう、と構内を歩きながら考えているとこんな時間に人の声などするはずがないのに、門の辺りから何か聞こえる。
こんな真夜中に生徒が居るわけがないし、俺の他の先生方だってとっくに帰っていた。
では一体誰なんだと思って、気持ち急いで門へと向かえば、女の子の声だけが聞こえてきた。
「…………です。……………な……………か」
内容は遠すぎて聞こえないが、何やら真剣に訴えているような声だ。
まさか学校前で喧嘩でもしているのだろうか。
「…………ね…………!」
相手がいるとは思うが、相手の姿も声も一切聞こえないし見えない。
もしかして電話か?とそっと近付いていくと、そこには、昼間に俺に話しかけてきた女子生徒と黒いフードを深く被った長身の男が暗闇に溶け込むように立っていた。
女子生徒はその男に必死な表情を向けていたが、男の表情は全く見えないが、何か反応を返しているように見えない。
どうしたものか。
変に介入をして邪魔をするわけにもいかないし、だからといって見過ごして何か起こっても困る。
しばらく様子を見て、何か起きそうなら動き出せるようにしておくか。
「荒巻君!」
そう思っていたとき、女子生徒の口から馴染みのありすぎる名前がしっかりと俺の耳に入り込んできた。
月曜日からもう火曜日の時刻になってしまっている。
今日はもう帰ってすぐに寝よう、と構内を歩きながら考えているとこんな時間に人の声などするはずがないのに、門の辺りから何か聞こえる。
こんな真夜中に生徒が居るわけがないし、俺の他の先生方だってとっくに帰っていた。
では一体誰なんだと思って、気持ち急いで門へと向かえば、女の子の声だけが聞こえてきた。
「…………です。……………な……………か」
内容は遠すぎて聞こえないが、何やら真剣に訴えているような声だ。
まさか学校前で喧嘩でもしているのだろうか。
「…………ね…………!」
相手がいるとは思うが、相手の姿も声も一切聞こえないし見えない。
もしかして電話か?とそっと近付いていくと、そこには、昼間に俺に話しかけてきた女子生徒と黒いフードを深く被った長身の男が暗闇に溶け込むように立っていた。
女子生徒はその男に必死な表情を向けていたが、男の表情は全く見えないが、何か反応を返しているように見えない。
どうしたものか。
変に介入をして邪魔をするわけにもいかないし、だからといって見過ごして何か起こっても困る。
しばらく様子を見て、何か起きそうなら動き出せるようにしておくか。
「荒巻君!」
そう思っていたとき、女子生徒の口から馴染みのありすぎる名前がしっかりと俺の耳に入り込んできた。
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