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欲しい③

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「宇沙ちゃん、かわいいね」

 かすれた声で、木佐さんがささやく。
 チュッチュッと顔や首すじにキスしながら、速まる抽送に登ったまま下りてこれない。

「やあ、はっ、あん、あんっ、あんっ!」

 抱き合ったまま、腰だけ激しく突き動かされ、私は何度もイった。
 ようやく木佐さんが止まってくれたとき、私は茫然としていた。
 それなのに、木佐さんはゴムを付け替えて、また入ってくる。 

「んっ……、もうムリです……」
「ここは喜んでるけど?」

 笑った木佐さんが腰を動かすと、彼のものを離すまいと膣壁がうねって締まるのを感じた。とろとろ染み出した愛液がぱちゅぱちゅと音を立てる。
 また激しくされて揺さぶられて、わけがわからなくなった私は浮かされたように彼の名前を呼んだ。

「あんっ、もう、だめ、ああっ、木佐さんっ、木佐さんっ……」
「くっ!」

 木佐さんが喉を鳴らした。
 脚を持ち上げられて、奥深くを穿たれる。

「やっ、やああ~~~ッ」

 弓なりになって、絶頂した。
 同時に木佐さんもイったようで、私を抱きしめて、身を震わせた。
 心臓が飛び出しそうに跳ねて、身体は指も動かないほど重い。
 木佐さんが耳もとにキスをした。

「宇沙ちゃん、…………だよ」

 なにか言われた気がした。
 でも、疲れ果てていた私は聞き取れず、そのまま眠りに落ちていった。


  
 髪を撫でる手の動きに、ふいに意識が浮上した。
 目を開けると、優しい顔つきで私を撫でる木佐さんがいた。
 
「ごめん、起こしちゃった?」

 周りが明るいってことは朝なのに、木佐さんが起きてることにびっくりした。

「大丈夫です。充分寝ました。今、何時ですか?」

 時計を探して身を起こそうとして、身体がとんでもなく重いのに気づいた。
 木佐さんが手を貸してくれて、きまり悪げに髪を掻き上げた。

「十時半だよ。ごめん。昨日、ヤりすぎた」
「…………!」

 そんなに寝てたのかという驚きと、昨日の自分の痴態を思い出して、一気に顔がほてる。
 しかも、まだ私は裸だった。
 慌てて布団を引き上げて、身体を隠す。

「ほんと、ごめん。宇沙ちゃんが可愛すぎて止められなかった。身体、大丈夫?」

 布団ごと私を抱きしめて、木佐さんが謝ってきた。
 意識すると、腰は痛いし、全身重だるい。
 じとっと彼をにらむと、木佐さんはごまかすように笑った。

「ごめんってば。今度、誕生日祝ってあげるから許して」

(元旦なのに、誕生日も一緒にいてくれるの?)

 うっかり喜んでしまって、慌てて顔を取り繕う。
 でも、しっかり見抜かれてて、木佐さんはニヤリとした。

「じゃあ、決まりだね。除夜の鐘をつきに行って、年越ししよう」

 彼の提案はいつも魅力的で断れない。
 いくら鐘をついても煩悩なんて無くなりそうにない木佐さんの顔を見て、くすりと笑った。
 
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