全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第一章 ― 優 ―

おせっかいの出番⑤

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「若いなぁ」とまぶしげな顔をして、和田先生はしぶしぶ頷いてくれた。

「……じゃあ、ここに俺の名前を書いたら、教頭先生のところに持っていくぞ」
「はーい、ありがとうございます!」

 申請書を書いた和田先生に連れられて、今度は教頭室に向かった。
 教頭先生って、まったく顔が浮かばない。入学式にいたんだろうけど。怖い人じゃないといいなぁ。

 和田先生が教頭室のドアをノックして、「和田です」と名乗ると、「どうぞ」と渋い声がした。

「失礼します」
「失礼しまーす!」

 部屋に入ると、声から想像した通りのイケオジがいた。アラフィフぐらい? 
 ロマンスグレーの髪をオールバックにした眼光鋭い目が銀縁メガネの奥からこちらを見ている。
 教頭先生って、中学がそうだったから、おじいさんなイメージだった。全然違う。紺にストライプのスーツだからか、なんかパリッとしている。学校が新しいから、教頭先生も若いのかな?

「どうしました?」

 渋くていい声で教頭先生が聞いてきた。
 はっと我に返る。

「この子が写真同好会を作りたいというので、申請書を持ってきたんです」
「1年2組の佐伯優です。写真同好会を作って、元写真部の部室を使いたいんです」
「ふーん、せっかくいい設備を揃えたのに写真部員がすぐいなくなってもったいなかったですからね。いいんじゃないですか」

 やったぁと喜びかけたら、教頭先生は和田先生が差し出した申請書を見て、眉をひそめた。

「メンバーは久住遥斗、山下真奈美。久住くんは絵を描くのに忙しいんじゃないですか?」

 私は慌てて考えていた言い訳をした。

「久住先輩には主に写真のモデルになってもらう予定なんです。あと構図の指導とかしてもらいたいなって」
「久住にも気分転換が必要ですからいいんじゃないですか?」

 和田先生が援護射撃をしてくれる。
 あれ、意外と協力的。

「思うところはありますが、まぁいいでしょう。和田先生、しっかり監督してくださいよ」
「………かしこまりました」

 和田先生はうへぇって一瞬顔をしかめたけど、すぐ取り繕って神妙に頷いた。

「これで同好会発足でいいんですか?」
「正式には校長の承認が要りますが、報告するだけなので、発足という理解で構いませんよ。頑張ってくださいね」

 最後に教頭先生が微笑んでくれた。
 うわぁ、目許が緩むと色気が漂って、大人の魅力全開だ。枯れ専のさやちゃんに教えてあげなきゃ。もうチェック済かな?

 和田先生と一緒にぺこりとお辞儀をして、教頭室を出た。


「あー、よかった。ダメって言われるかと思った」
「お前がいて、よかったかもな。俺だけだと却下されていたかもしれない」
「そうなんですか!? あの『絵を描くのに忙しい』って?」
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