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第二章 ― 遥斗 ―
希望④
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反省して、ネットで商品に付けるメッセージカードの文例を調べてみる。
うん、これに俺の絵をつけて印刷すればいいか。
カードの作り方もいろいろ見てみる。
紙はあるから、試しに何枚かデザインを変えて印刷してみた。
そんなことをやっていたら、あっという間に夕方になり、優が来た。
顔を見るなり「絵が売れた」と言うと、優はぱぁっと目を輝かせて、「どの絵ですか!」とパソコンに近寄ってきた。
「あー、あのお前が欲しいと言っていた絵だ」
そう告げると、ガーンとわかりやすくショックを受けていた。悲痛な顔をしている。
「えぇー、あの絵、売れちゃったんですか! 高くしたのに……。でも、やっぱり素敵でしたもんねー。お客さんも目が高い!」
誰目線なのか、優が落ち込みながらもそんなことを言う。おかしくて笑いながら「まぁ、また描いてやるよ」と言うと、「本当ですか!」と顔を輝かせる。
「まったく同じものは無理だけどな」
「うれしい! 絶対に約束ですよ!」
あっという間に立ち直った優がニコニコして、小指を出してくる。
「?」
意味がわからず、その小さな細い指を見ていると、「指切りげんまんですよー」と言って、指を絡められた。
「約束破ったら本当に針千本呑ませますからね! 指切った!」
強引に約束させられ、自分の小指を見つめる。
まだ絡められた感触が残っている。
「しょうがないな。気長に待ってろ」
「えー、遥斗先輩、私が気が短いのを知ってるでしょ!」
そうだなと苦笑して、頷いた。
商品に付けるカードの試作を優に見せると、素敵とはしゃいだ。
「あ、お店の名前を入れたらいいかも。また買ってもらえるように」
「店の名前?」
「ほら、ここのアイコンに載せたでしょ? 『遥』って」
とてもベタだが、表示名が必要ということで、名前の漢字を使っていたのだ。
これが店名になるのか。
「お店の名前とQRコードを載せるのがいいと思いますよ」
「QRコード?」
「スマホでそれを読み取ると、そのサイトに跳べるんです。たしか、QRコードって簡単に作れたような……」
優は検索をかけて、お目当てのサイトを発見すると、俺のページのQRコードを作ってくれた。
それを作ったカードのデザインに落とし込む。プリントアウトしたものをうんうんと優が満足そうに眺めた。
うん、これに俺の絵をつけて印刷すればいいか。
カードの作り方もいろいろ見てみる。
紙はあるから、試しに何枚かデザインを変えて印刷してみた。
そんなことをやっていたら、あっという間に夕方になり、優が来た。
顔を見るなり「絵が売れた」と言うと、優はぱぁっと目を輝かせて、「どの絵ですか!」とパソコンに近寄ってきた。
「あー、あのお前が欲しいと言っていた絵だ」
そう告げると、ガーンとわかりやすくショックを受けていた。悲痛な顔をしている。
「えぇー、あの絵、売れちゃったんですか! 高くしたのに……。でも、やっぱり素敵でしたもんねー。お客さんも目が高い!」
誰目線なのか、優が落ち込みながらもそんなことを言う。おかしくて笑いながら「まぁ、また描いてやるよ」と言うと、「本当ですか!」と顔を輝かせる。
「まったく同じものは無理だけどな」
「うれしい! 絶対に約束ですよ!」
あっという間に立ち直った優がニコニコして、小指を出してくる。
「?」
意味がわからず、その小さな細い指を見ていると、「指切りげんまんですよー」と言って、指を絡められた。
「約束破ったら本当に針千本呑ませますからね! 指切った!」
強引に約束させられ、自分の小指を見つめる。
まだ絡められた感触が残っている。
「しょうがないな。気長に待ってろ」
「えー、遥斗先輩、私が気が短いのを知ってるでしょ!」
そうだなと苦笑して、頷いた。
商品に付けるカードの試作を優に見せると、素敵とはしゃいだ。
「あ、お店の名前を入れたらいいかも。また買ってもらえるように」
「店の名前?」
「ほら、ここのアイコンに載せたでしょ? 『遥』って」
とてもベタだが、表示名が必要ということで、名前の漢字を使っていたのだ。
これが店名になるのか。
「お店の名前とQRコードを載せるのがいいと思いますよ」
「QRコード?」
「スマホでそれを読み取ると、そのサイトに跳べるんです。たしか、QRコードって簡単に作れたような……」
優は検索をかけて、お目当てのサイトを発見すると、俺のページのQRコードを作ってくれた。
それを作ったカードのデザインに落とし込む。プリントアウトしたものをうんうんと優が満足そうに眺めた。
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