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第八話 小さな冒険
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「フェリド、どうした? 何かあったか?」
部屋に入ってきたのは大柄の年配男性だった。白髪交じりの髪、少し背が曲がっているのか腰をかばいながら歩いている。手には大きなバケツを持ち、雑草などの草木がびっしりと詰まっている。
「悪い、ロウア爺。庭園で知り合いが怪我したから手当てしてた。もう戻るよ」
軽く挨拶をしてフェリドは、ロウア爺と呼ぶ人物に向き直る。同じ庭師の仲間だろうか、とても気さくに二人は話し込んでいる。どうやら城の騒ぎで、庭園の仕事を切り上げて帰り支度に戻ったようだった。
「で、あんたは城の下女か、えらくボロボロだね」
そう言ってロウアは私の方へ向き直す。たしかに髪も服も泥だらけで、挙句に足も怪我をしている。フェリドが間に入って色々と説明を始めた。一通りの説明を聞いてロウアは険しい表情を浮かべた。
「理由はどうあれ、貴族の人間が儂らと関わるのは良くない。フェリドは面倒見がいいのが長所だが、首を突っ込みすぎる。悪いがすぐに帰ってもらえんか」
隔たる壁の大きさを思い知る。平民と貴族の交流はろくな事がないと彼は悟っているようだった。フェリドも困った顔をするものの否定する様子はない。
「ティアラ、ごめん。ロウア爺はずっと城に務めているから、貴族に良い思い入れがないんだ。悪く思わないでくれ」
やんわりと言葉を濁しているが、フェリドも貴族と平民との溝について否定はしない。たしかに職人とはいえ平民階級の彼らは、過去に辛い思いをしたとしても不思議ではない。今もずっとこの国は、身分について厳しい序列と根深い差別が残っている。何を言ってもロウアの考えは変わらないと思い、力なく頷くしかなかった。
「戻りたいけれど、足が痛くて困っているの」
先程、立ち上がろうとして転倒したばかりだ。まだ足は痛みで痺れて、とても歩いて帰れる気はしなかった。痛々しい足の様子を見てロウアは大きくため息する。
「とりあえず目立たないよう送っていってあげなさい」
ロウアに言われてフェリドは苦笑した。きっと平民である彼らは、城内での移動を厳しく制限されている。王宮に入る権限など持ち合わせていないはずだ。どうやって宮に送るのかという疑問の笑みだったのかもしれない。フェリドの問いかけをロウアも理解していたようで、窓の外を指さした。
「外に納品用の花束がちょうど用意されている。台車の花に紛れて彼女を王宮に届ければ問題ないだろう」
そう言うとロウアは椅子に腰かけて、あとは任せたと言わんばかりに寛ぎ始める。フェリドはやれやれ、といった様子で私を抱えて外の台車に乗せてくれた。
たくさんの花を運搬するための台車はとても大きく、花束で身体を隠せる十分な量が積み込まれている。王宮で普段飾られている花は、こうやって届けられているのだと初めて知った。
「城の納品場所にはこれで行くから、その先のどこか目立たない所で降ろすよ」
そう言って台車がゆっくり動き始める。この大きさを一人で動かすというのだから、さすがとしか言いようがない。
ゆっくり車輪が音をたてて回り、そのたびに木が軋むような音がする。
「ロウア爺はああ言ってたけど、また仕事をさぼりたくなったらおいで。庭園は心を和ませる不思議な力があるからね」
フェリドの一言に心が軽くなる。また来てもいいよ、と許されたのがとても嬉しかった。身分を隠しているからこそ知り合えた人だ。世辞でもなく駆け引きもない、普通に対等の立場で接してくれるのが心地よかった。
「ありがとう」
静かに返事をして、台車の心地よい揺れに身を預ける。気付けば王宮内の物資保管庫まで来ていた。花をはじめとした野菜や麦、城内で栽培されている品がたくさん積まれている。人目を避けながらフェリドは私を抱えて、適当な場所に下ろす。保管庫であれば誰かが必ず立ち寄るし、建物内で明かりもあり不安は何もない。
「早く誰かに見つけてもらって宿舎へ戻れよ」
そう言ってフェリドは台車を押して来た道を戻っていく。あまり王宮をうろつくと禍の種になると思っているのか、足早に立ち去ってすでに姿は見えない。彼へと続く道を眺めながら、足をさすって誰かがやってくるのを静かに待つ。
しばらくして下働きの女性がすぐに見つけてくれた。すぐさま連絡がいったのか侍女が飛んで来て部屋に連れ戻された。
「姫様、どうしてあんな所に? それに足の怪我、その服、何があったのですか? お部屋にいると思ったらいらっしゃらないし。ああ、でも聞くのが怖いです」
部屋に戻った私に、すごい勢いで間髪容れずに侍女のアンナが詰め寄ってくる。驚くほど早口で悲壮な表情を浮かべており、どれだけ迷惑をかけたのか思い知る。
「ごめんなさい。少し城内を散策していただけで、あまり大袈裟にしたくないの。私は大丈夫だから」
特にと念を押して、父王とロイの耳に入らぬよう口止めをする。大事になればなるほど追究が厳しくなる、特にあの二人は私の事となると見境がつかない。
「私は貴女と一緒に王宮内に居て、散歩中に怪我をしてしまった。これが真実よ、いい?」
無理矢理アンナに言い聞かせて、騒ぎと共に生まれる噂を消し去ろうとする。アンナに口封じをさせる事で周りもそれに合わせざるを得なくなる。ともかくこれ以上、話が大きくなるのは阻止しなければならない。
こちらの剣幕に圧倒されたのかアンナはただ頷いている。
「この事は一部の者しか知りませんので、口外しないようにします。王宮に要らぬ噂が立っても、すぐに収めますので安心してください」
ただ、とアンナは前置きして、次回からは必ず侍女の同行をつけるよう条件をつけた。アンナと一緒でなければ彼と会えないと思い、私は彼女にフェイドの話をしようと決心する。きっと心良くは思ってくれないだろうが、幼少期から共に居てくれる彼女ならきっと頭ごなしに否定はしないはずだ。
「城の庭師、ですか?」
渋い顔をしているが批判の言葉は何も口にしない。下働きで職人、たまたま庭園で知ったという話でアンナは青ざめているものの、事実を知ったことで少しだけ安堵の表情が見て取れる。
「とにかく姫様の身分を知らず、知り合ったのですね。感心はしませんが庭園で迷った姫様を助けてくれたのも事実。ただこれからは軽率な行動は控えてください。お会いになるなら必ず私を同行させてくださいね」
割とすんなりアンナは認めてくれた。ならばお礼もかねて彼のもとを訪れようと思う。アンナが味方になってくれれば、予定の合間に外出がしやすくなる。
アンナに耳打ちしていくつか必要なものを依頼し、冒険をする子供のように胸が高鳴っているのを感じた。いつもとは違う非日常の興奮で今日は眠れそうにない。
「フェリド、どうした? 何かあったか?」
部屋に入ってきたのは大柄の年配男性だった。白髪交じりの髪、少し背が曲がっているのか腰をかばいながら歩いている。手には大きなバケツを持ち、雑草などの草木がびっしりと詰まっている。
「悪い、ロウア爺。庭園で知り合いが怪我したから手当てしてた。もう戻るよ」
軽く挨拶をしてフェリドは、ロウア爺と呼ぶ人物に向き直る。同じ庭師の仲間だろうか、とても気さくに二人は話し込んでいる。どうやら城の騒ぎで、庭園の仕事を切り上げて帰り支度に戻ったようだった。
「で、あんたは城の下女か、えらくボロボロだね」
そう言ってロウアは私の方へ向き直す。たしかに髪も服も泥だらけで、挙句に足も怪我をしている。フェリドが間に入って色々と説明を始めた。一通りの説明を聞いてロウアは険しい表情を浮かべた。
「理由はどうあれ、貴族の人間が儂らと関わるのは良くない。フェリドは面倒見がいいのが長所だが、首を突っ込みすぎる。悪いがすぐに帰ってもらえんか」
隔たる壁の大きさを思い知る。平民と貴族の交流はろくな事がないと彼は悟っているようだった。フェリドも困った顔をするものの否定する様子はない。
「ティアラ、ごめん。ロウア爺はずっと城に務めているから、貴族に良い思い入れがないんだ。悪く思わないでくれ」
やんわりと言葉を濁しているが、フェリドも貴族と平民との溝について否定はしない。たしかに職人とはいえ平民階級の彼らは、過去に辛い思いをしたとしても不思議ではない。今もずっとこの国は、身分について厳しい序列と根深い差別が残っている。何を言ってもロウアの考えは変わらないと思い、力なく頷くしかなかった。
「戻りたいけれど、足が痛くて困っているの」
先程、立ち上がろうとして転倒したばかりだ。まだ足は痛みで痺れて、とても歩いて帰れる気はしなかった。痛々しい足の様子を見てロウアは大きくため息する。
「とりあえず目立たないよう送っていってあげなさい」
ロウアに言われてフェリドは苦笑した。きっと平民である彼らは、城内での移動を厳しく制限されている。王宮に入る権限など持ち合わせていないはずだ。どうやって宮に送るのかという疑問の笑みだったのかもしれない。フェリドの問いかけをロウアも理解していたようで、窓の外を指さした。
「外に納品用の花束がちょうど用意されている。台車の花に紛れて彼女を王宮に届ければ問題ないだろう」
そう言うとロウアは椅子に腰かけて、あとは任せたと言わんばかりに寛ぎ始める。フェリドはやれやれ、といった様子で私を抱えて外の台車に乗せてくれた。
たくさんの花を運搬するための台車はとても大きく、花束で身体を隠せる十分な量が積み込まれている。王宮で普段飾られている花は、こうやって届けられているのだと初めて知った。
「城の納品場所にはこれで行くから、その先のどこか目立たない所で降ろすよ」
そう言って台車がゆっくり動き始める。この大きさを一人で動かすというのだから、さすがとしか言いようがない。
ゆっくり車輪が音をたてて回り、そのたびに木が軋むような音がする。
「ロウア爺はああ言ってたけど、また仕事をさぼりたくなったらおいで。庭園は心を和ませる不思議な力があるからね」
フェリドの一言に心が軽くなる。また来てもいいよ、と許されたのがとても嬉しかった。身分を隠しているからこそ知り合えた人だ。世辞でもなく駆け引きもない、普通に対等の立場で接してくれるのが心地よかった。
「ありがとう」
静かに返事をして、台車の心地よい揺れに身を預ける。気付けば王宮内の物資保管庫まで来ていた。花をはじめとした野菜や麦、城内で栽培されている品がたくさん積まれている。人目を避けながらフェリドは私を抱えて、適当な場所に下ろす。保管庫であれば誰かが必ず立ち寄るし、建物内で明かりもあり不安は何もない。
「早く誰かに見つけてもらって宿舎へ戻れよ」
そう言ってフェリドは台車を押して来た道を戻っていく。あまり王宮をうろつくと禍の種になると思っているのか、足早に立ち去ってすでに姿は見えない。彼へと続く道を眺めながら、足をさすって誰かがやってくるのを静かに待つ。
しばらくして下働きの女性がすぐに見つけてくれた。すぐさま連絡がいったのか侍女が飛んで来て部屋に連れ戻された。
「姫様、どうしてあんな所に? それに足の怪我、その服、何があったのですか? お部屋にいると思ったらいらっしゃらないし。ああ、でも聞くのが怖いです」
部屋に戻った私に、すごい勢いで間髪容れずに侍女のアンナが詰め寄ってくる。驚くほど早口で悲壮な表情を浮かべており、どれだけ迷惑をかけたのか思い知る。
「ごめんなさい。少し城内を散策していただけで、あまり大袈裟にしたくないの。私は大丈夫だから」
特にと念を押して、父王とロイの耳に入らぬよう口止めをする。大事になればなるほど追究が厳しくなる、特にあの二人は私の事となると見境がつかない。
「私は貴女と一緒に王宮内に居て、散歩中に怪我をしてしまった。これが真実よ、いい?」
無理矢理アンナに言い聞かせて、騒ぎと共に生まれる噂を消し去ろうとする。アンナに口封じをさせる事で周りもそれに合わせざるを得なくなる。ともかくこれ以上、話が大きくなるのは阻止しなければならない。
こちらの剣幕に圧倒されたのかアンナはただ頷いている。
「この事は一部の者しか知りませんので、口外しないようにします。王宮に要らぬ噂が立っても、すぐに収めますので安心してください」
ただ、とアンナは前置きして、次回からは必ず侍女の同行をつけるよう条件をつけた。アンナと一緒でなければ彼と会えないと思い、私は彼女にフェイドの話をしようと決心する。きっと心良くは思ってくれないだろうが、幼少期から共に居てくれる彼女ならきっと頭ごなしに否定はしないはずだ。
「城の庭師、ですか?」
渋い顔をしているが批判の言葉は何も口にしない。下働きで職人、たまたま庭園で知ったという話でアンナは青ざめているものの、事実を知ったことで少しだけ安堵の表情が見て取れる。
「とにかく姫様の身分を知らず、知り合ったのですね。感心はしませんが庭園で迷った姫様を助けてくれたのも事実。ただこれからは軽率な行動は控えてください。お会いになるなら必ず私を同行させてくださいね」
割とすんなりアンナは認めてくれた。ならばお礼もかねて彼のもとを訪れようと思う。アンナが味方になってくれれば、予定の合間に外出がしやすくなる。
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