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第九話 新種のバラ
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よく晴れた早朝。時間を作るために過密なスケジュールをこなし、やっと手に入れた束の間の休息。侍女の宿舎を人払いして、アンナから手渡された給仕服を身に着ける。傍らでは落ち着きなく辺りを警戒するアンナの姿がある。
「姫様、本当にそんな服をお召しになって庭園に行くのですか? もし見つかったらどう言い訳しましょうか」
青ざめるアンナを強い言葉で肯定する。王宮さえ出てしまえば私の顔を知る者は少ない。それに姫君が給仕の格好で出歩くなど誰も思わないだろう。堂々としていれば誰も気に留めない、皆が自分の仕事で手一杯で、他に気を遣る余裕があるはずがない。
「そんなに動揺していたら逆に怪しまれるわ。普通にしていて」
そう言ってアンナの手を引いていく。
厨房に用意してもらったお菓子や軽食を籠に詰めて、王宮を離れ庭園に入っていく。この広い敷地で彼らを探すのは骨が折れるが、今の季節はバラの手入れを中心に行うはずなので、そこに行けばきっと誰かとは鉢合わせすると思った。
「もうすぐ王宮でバラの式典が行われますものね、国内の子息、子女が集まってバラを愛でるなんてなんとも風流ですわ。王城のバラの美しさは随一、他領でも有名ですもの」
アンナがうっとりした表情で呟いている。私にとっては煩わしい式典だが、城で働く者には一世一代のイベントである。どんな悪天候でもその式典までに王城を見事なバラで飾り、世界一美しい花を王に贈らなければならない。
「庭師やここを管理する者にとっては、ものすごい重圧ね」
ものすごい重圧だからこそ、身分問わず優秀な職人を迎える。フェリドがここで働く理由でもあるが、正直気の毒にも思う。
庭園の小道に沿って、事前にアンナが用意した地図を頼りにバラ園を目指していく。けっこうな距離だが、完治した足なら問題なく歩ける。小一時間、道に沿って歩いていると上品で華やかな香りが漂ってきた。甘く落ち着いた香りはどんどん濃くなっていく。アンナの手をとって小走りし、汗ばむ頃合いにやっとバラ園にたどり着いた。
一面を埋め尽くす苗木、蕾や早咲きのものまで様々な種類が植えられている。まさにこれから見ごろを迎える準備がされている。品種などは詳しくないが、この庭園がバラで埋められた光景は想像するだけでため息が漏れる。
「あれ? ティアラ?」
苗木に気を取られていて、人の気配に気づくのが遅れた。声をかけられて振り返ると、麻袋を抱えたフェリドがこちらを見つめている。土いじりをしていたのか全身真っ黒で汗で肌にシャツが張り付いている。
こちらも手を振ろうと腕を伸ばすと、アンナがものすごい勢いで間に入ってきた。もちろん初対面のフェリドは首をかしげている。
「えっと、ティアラの同僚の人?」
アンナの形相に苦笑しながらフェリドは近付いてくる。少し戸惑いながらもアンナに握手を求めようと手を差し出す。
「貴方、何者です? それにいきなり声をかけるなんて無礼じゃありませんか?」
アンナの語尾が鋭く険しい。差し伸べられた手を冷ややかな目で見つめて、握手をかえす素振りはない。フェリドも何かを感じたようで少し沈黙したのち、手を引いて深々と頭を下げた。
「失礼しました。私はフェリドと申します。無礼をお許しください」
アンナの前で頭を下げるフェリドの姿に胸が痛くなって彼に駆け寄った。
「アンナ、やめて。彼が話していたフェリドなの。そんな態度をとらないで」
アンナもやっと事態を呑み込んだようで困惑の表情を浮かべる。思えばフェリドの名前しか彼女には伝えていない。いきなり声をかけられれば、彼女も貴族なのだから相応の対応をしてしまうだろう。
「この方がフェリドさんですか? もっと年配の方かと思っていましたわ。こんなに若い方だなんて」
アンナも急いで礼をし謝罪を口にする。二人して頭を下げたまま動かない。とても険悪な雰囲気に居たたまれず手で顔を覆った。
「この前のお礼がしたくて、少しだけどロウアさんと食べてほしいの」
重い空気を紛らわすように、アンナが抱えていた籠をフェリドに押し付ける。籠には厨房で詰めてもらったお菓子やサンドイッチがたくさん詰め込まれている。フェリドは中身を見ると感嘆の溜め息をもらした。目を輝かせて先ほどの強張った顔から一転して笑顔に包まれる。
「こんなにすごい料理、初めて見たよ。それも食べきれないくらいの量じゃないか。こんなにもらっていいのか?」
子供のような無邪気な笑顔に自然と口元がゆるむ。ぜひ受け取ってほしい、と伝えると彼は何か考え込む仕草をした。待つように呼び止め、バラの苗木に入り込んでいったかと思うと、一輪の花を持って戻ってきた。
「お礼にどうぞ、あまり大っぴらにできないけど新種なんだ」
そう言って差し出された花。形はバラなのだが、色が限りなく透明に近い。陽の光を吸収して、七色に輝いている。
「透明の花びら? 宝石みたい」
咄嗟に言葉に出すと彼は自慢げに語り出す。
「宝石の国にふさわしい花だろ? ロウア爺と育てた幻のバラだよ、この城内にしか咲かない、世に出回っていない品種だ」
差し出されるバラに手を伸ばそうとして、隣のアンナがそれを遮った。今まで様子を伺っていたようだが、耐えきれなくなったようで口を挟んでくる。
「お二人で話をしないでください。それにフェリドさんも女性に花を贈るなんて軽率です。どんな理由であれ受け取れません」
どうやらアンナは勘違いをしているようだ。通常の男女であれば花を贈る際に意味を込めたりする、だが彼は庭師だ。彼から特別な想いが込められているとは到底思えない。アンナの意図に気付いたようでフェリドはバツの悪い顔をする。
「下心なんてないよ、本当に感謝の気持ちだ。それに、ティアラには決まった相手がいるだろ」
急な暴露に絶句する。ロイから贈られたリクシオンの耳飾りの件は誰にも内緒にしているのだ。知られれば大きな噂になってしまうし、思った通りアンナは目を白黒させて動揺している。
「それに彼女はまだ幼い。怪我したり、危なかったりで気にかけてるだけだ」
関係を否定するために彼が弁解するのは分かるが、いくつかの言葉が流せずに引っ掛かる。何度も「子供」として扱われ、今回も言葉にしてはっきりと告げられたのだ。
「もう余計なことを言わないで! それに私は14歳、子供じゃないわ」
たしかに背は低いかもしれない、童顔だと思う時もある、しかしあと2年もすれば成人し立派な大人の一員になるのだ。
フェリドはしまった、という顔で頭を抱えた。
「もしかして求愛の話は秘密だったのか?」
「わざとやってる?」
秘密と言いながらもはや秘密でなくなっている、頭の中で収拾がつかなくて大きな声が出た。彼とかみ合っていない。さらにアンナは魂を抜かれたように隣で放心している。
「求愛って誰ですか? 私は全く知りませんよ!」
アンナは興奮した様子で詰め寄ってくる。これ以上ここに居ればボロが出ると思い彼女を無理やり引っ張っていく。立ち去ろうと躍起になっている私にフェリドは改めて花を差し出した。
「まだ誰にも話してなかったんだな、ごめん。次は気を付けるよ」
相変わらずの笑顔で頭を軽く撫でてくる。私は子供扱いしないように伝えたのに、ここまで鈍感だと思わなかった。私は小さくため息をついて、バラの花に手を伸ばした。
「次は気を付けてね」
この「次」は、また会おうという約束。今までの怒りが吹き飛ぶ言葉だ。こんな風に接してくれる人はいない。口元に漏れる笑みを抑えながら、私はアンナと共に帰路に就いた。
よく晴れた早朝。時間を作るために過密なスケジュールをこなし、やっと手に入れた束の間の休息。侍女の宿舎を人払いして、アンナから手渡された給仕服を身に着ける。傍らでは落ち着きなく辺りを警戒するアンナの姿がある。
「姫様、本当にそんな服をお召しになって庭園に行くのですか? もし見つかったらどう言い訳しましょうか」
青ざめるアンナを強い言葉で肯定する。王宮さえ出てしまえば私の顔を知る者は少ない。それに姫君が給仕の格好で出歩くなど誰も思わないだろう。堂々としていれば誰も気に留めない、皆が自分の仕事で手一杯で、他に気を遣る余裕があるはずがない。
「そんなに動揺していたら逆に怪しまれるわ。普通にしていて」
そう言ってアンナの手を引いていく。
厨房に用意してもらったお菓子や軽食を籠に詰めて、王宮を離れ庭園に入っていく。この広い敷地で彼らを探すのは骨が折れるが、今の季節はバラの手入れを中心に行うはずなので、そこに行けばきっと誰かとは鉢合わせすると思った。
「もうすぐ王宮でバラの式典が行われますものね、国内の子息、子女が集まってバラを愛でるなんてなんとも風流ですわ。王城のバラの美しさは随一、他領でも有名ですもの」
アンナがうっとりした表情で呟いている。私にとっては煩わしい式典だが、城で働く者には一世一代のイベントである。どんな悪天候でもその式典までに王城を見事なバラで飾り、世界一美しい花を王に贈らなければならない。
「庭師やここを管理する者にとっては、ものすごい重圧ね」
ものすごい重圧だからこそ、身分問わず優秀な職人を迎える。フェリドがここで働く理由でもあるが、正直気の毒にも思う。
庭園の小道に沿って、事前にアンナが用意した地図を頼りにバラ園を目指していく。けっこうな距離だが、完治した足なら問題なく歩ける。小一時間、道に沿って歩いていると上品で華やかな香りが漂ってきた。甘く落ち着いた香りはどんどん濃くなっていく。アンナの手をとって小走りし、汗ばむ頃合いにやっとバラ園にたどり着いた。
一面を埋め尽くす苗木、蕾や早咲きのものまで様々な種類が植えられている。まさにこれから見ごろを迎える準備がされている。品種などは詳しくないが、この庭園がバラで埋められた光景は想像するだけでため息が漏れる。
「あれ? ティアラ?」
苗木に気を取られていて、人の気配に気づくのが遅れた。声をかけられて振り返ると、麻袋を抱えたフェリドがこちらを見つめている。土いじりをしていたのか全身真っ黒で汗で肌にシャツが張り付いている。
こちらも手を振ろうと腕を伸ばすと、アンナがものすごい勢いで間に入ってきた。もちろん初対面のフェリドは首をかしげている。
「えっと、ティアラの同僚の人?」
アンナの形相に苦笑しながらフェリドは近付いてくる。少し戸惑いながらもアンナに握手を求めようと手を差し出す。
「貴方、何者です? それにいきなり声をかけるなんて無礼じゃありませんか?」
アンナの語尾が鋭く険しい。差し伸べられた手を冷ややかな目で見つめて、握手をかえす素振りはない。フェリドも何かを感じたようで少し沈黙したのち、手を引いて深々と頭を下げた。
「失礼しました。私はフェリドと申します。無礼をお許しください」
アンナの前で頭を下げるフェリドの姿に胸が痛くなって彼に駆け寄った。
「アンナ、やめて。彼が話していたフェリドなの。そんな態度をとらないで」
アンナもやっと事態を呑み込んだようで困惑の表情を浮かべる。思えばフェリドの名前しか彼女には伝えていない。いきなり声をかけられれば、彼女も貴族なのだから相応の対応をしてしまうだろう。
「この方がフェリドさんですか? もっと年配の方かと思っていましたわ。こんなに若い方だなんて」
アンナも急いで礼をし謝罪を口にする。二人して頭を下げたまま動かない。とても険悪な雰囲気に居たたまれず手で顔を覆った。
「この前のお礼がしたくて、少しだけどロウアさんと食べてほしいの」
重い空気を紛らわすように、アンナが抱えていた籠をフェリドに押し付ける。籠には厨房で詰めてもらったお菓子やサンドイッチがたくさん詰め込まれている。フェリドは中身を見ると感嘆の溜め息をもらした。目を輝かせて先ほどの強張った顔から一転して笑顔に包まれる。
「こんなにすごい料理、初めて見たよ。それも食べきれないくらいの量じゃないか。こんなにもらっていいのか?」
子供のような無邪気な笑顔に自然と口元がゆるむ。ぜひ受け取ってほしい、と伝えると彼は何か考え込む仕草をした。待つように呼び止め、バラの苗木に入り込んでいったかと思うと、一輪の花を持って戻ってきた。
「お礼にどうぞ、あまり大っぴらにできないけど新種なんだ」
そう言って差し出された花。形はバラなのだが、色が限りなく透明に近い。陽の光を吸収して、七色に輝いている。
「透明の花びら? 宝石みたい」
咄嗟に言葉に出すと彼は自慢げに語り出す。
「宝石の国にふさわしい花だろ? ロウア爺と育てた幻のバラだよ、この城内にしか咲かない、世に出回っていない品種だ」
差し出されるバラに手を伸ばそうとして、隣のアンナがそれを遮った。今まで様子を伺っていたようだが、耐えきれなくなったようで口を挟んでくる。
「お二人で話をしないでください。それにフェリドさんも女性に花を贈るなんて軽率です。どんな理由であれ受け取れません」
どうやらアンナは勘違いをしているようだ。通常の男女であれば花を贈る際に意味を込めたりする、だが彼は庭師だ。彼から特別な想いが込められているとは到底思えない。アンナの意図に気付いたようでフェリドはバツの悪い顔をする。
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急な暴露に絶句する。ロイから贈られたリクシオンの耳飾りの件は誰にも内緒にしているのだ。知られれば大きな噂になってしまうし、思った通りアンナは目を白黒させて動揺している。
「それに彼女はまだ幼い。怪我したり、危なかったりで気にかけてるだけだ」
関係を否定するために彼が弁解するのは分かるが、いくつかの言葉が流せずに引っ掛かる。何度も「子供」として扱われ、今回も言葉にしてはっきりと告げられたのだ。
「もう余計なことを言わないで! それに私は14歳、子供じゃないわ」
たしかに背は低いかもしれない、童顔だと思う時もある、しかしあと2年もすれば成人し立派な大人の一員になるのだ。
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「求愛って誰ですか? 私は全く知りませんよ!」
アンナは興奮した様子で詰め寄ってくる。これ以上ここに居ればボロが出ると思い彼女を無理やり引っ張っていく。立ち去ろうと躍起になっている私にフェリドは改めて花を差し出した。
「まだ誰にも話してなかったんだな、ごめん。次は気を付けるよ」
相変わらずの笑顔で頭を軽く撫でてくる。私は子供扱いしないように伝えたのに、ここまで鈍感だと思わなかった。私は小さくため息をついて、バラの花に手を伸ばした。
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