弱職忍者はなりきり悪魔っ娘と「敵の後ろに回り込むスキル」で無双したい!

白遠

文字の大きさ
11 / 28

11 ダンジョン

しおりを挟む
「本当に何も居ないな」

 意外と通路が整備されていて歩きやすい。ダンジョンの中には点々と松明が灯されて、暗くて見えないと言うこともない。誰がこれ点けて回ってんだよ。なんの抵抗もなく、つるつると奥まで歩くことができた。奥には青く輝く石碑があった。

「おー! ラ◯ュタみたいだなあ」

 文字が彫られている。日本語だ。違和感半端ない。国内向けゲーム……。

 滅ぼす者を退けるには 犠牲を払わねばならぬ

 なんかすげーあったりまえのことが書いてある。これ要るか? 「せやろな」という感じ。でもわかった。ダンジョンの中のこういう石碑にクリアのヒントが書かれているんだ。齊藤たちは知っているのか、いないのか。

 どん詰まりなのを確認して来た道を戻ることにする。サタンは黙ってついて来ていた。大丈夫かな?

「大丈夫だったか?」
「お前は大丈夫だったのか」
「うん、お前が温泉を通ってくれたからな」

 ちょっと着物の前を下げてみる。鎖帷子まで切られたが、衣装はすべて直ってしまった。ただ皮膚にうっすらと傷跡が残っている。温泉に治りきるまで入っているわけにはいかなかったからだろう。

「なんで急に齊藤たちはあんなことをしたんだろうなあ?」
「さあな」
「お」

 来た時には見えなかった岩の裏側に、ドロップアイテムが残っている。誰かが俺たちの前にこのダンジョンを攻略して、エネミーを倒したと見えた。

「取れるかな?」
[それは取れますよ]
「そういやニド、お前にも助けられたなあ。まさに身を挺してって感じだった。ありがとよ」
[どういたしまして]

 ドロップアイテムを漁ると、また「飛天の書」が出てきた。使い方はわからない。手裏剣もあった。おどろおどろしい蛍光黄緑に光ってるやつだ。

[毒付きの手裏剣です。良かったですね]
「ええー。エネミーに効くのかな?」
[蜘蛛などもともと毒のあるエネミーには効きません]

 なんだかやっぱり装備については忍者優遇だなと思う。エネミーにそんなに有効ではないけど。弱職だからか? サタンにも何かないかと思ったが、他の職のものは装備品からしてない。

「悪いな、いつも俺のばっかりで」
「いや」

 ダンジョンか。クリアについては少し俺たちも考えておかないといけない。本当にクリアしないと出られないなら、そして齊藤たちの見込み通り、「命の水」のゲージが尽きたら死ぬのなら、尽きる前にクリアしなければならないのだ。

「俺たちもダンジョン行ってみるか?」
「こんな風に誰かがクリアした後ならいいな」
「いや、お前の装備もあるしさ……でもお前、素手だよなあ。あって防具かな」

 もう一度サタンを見る。防具……にしろ付けるところがない気がする……。グローブとブーツくらいか? 指輪とかアクセサリーで行動が速くなったりしないものか。

「じろじろ見るな」
「ごめんごめん」

 ダンジョンを抜けてマップを見ると、もうダンジョンはなくなっていた。本当に短い時間しか出ないようだ。また出るのを待たないといけない。

「俺たちも少し情報を集めないといけないな」

 俺の命の水は七割ほどになっていた。まあこれが本当に実際の命に直結しているのかはわからない。おそらく誰にもわからないに違いない。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

処理中です...