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壱:少女からロボットウーマンへ
1-4・矯正
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人類は戦争も飢餓も克服し、新たな人類に進化した! 体制はそう宣伝していたが、現実は遺伝子工学とAIによってもたらされた果実は支配階層が独占し、それ以外の大衆は困窮していた。困窮してどうなったかといえば、自由が無くなり牧場の家畜のように管理されるようになった。命は保障され最低限の福祉という名の環境は整備されていたが、行動は全て巨大な統治AIによって決められていた。だから、体制が有害だと判断されたら別のものに改造されるだけのことだった。
希美の身体と心は保安処分による矯正の名のもとに機械に改造されることになった。この時、不幸中の幸いだったのは不可逆的な改造の対象にならなかった。でも、それも死刑の執行猶予みたいなものだった。再改造によって人間に戻されない可能性があったから。
それはともかく、今の希美は改造素体にすぎなかった。オルガは市民登録一覧から阿須瀬希美を抹消し、人間として保護される対象から除外した。これにより希美は体制下では肉の塊と化した。肉の塊は矯正によって加工されるわけだ。
「希美! これから矯正させてもらうわね。ちなみにここにいる作業者は全員元は人間の女だったのよ。あなたは温情により完全には機械に改造されないけど、ここにいるのは全て生きていくために全身を機械と一体化しているのよ。まあ、今後はどうなっていくのかはあんたの行い次第だけどね」
オルガは少し笑ったような口調でいった。それにしても人間扱いされなくなると、タメ口なのが、頭にきた。それに矯正というのは機械にすることだと分かった希実は涙をながしていた。機械になんかなりたくない、機械になるぐらいなら・・・でも身体の自由は利かなかった。涙を流し眼球を動かすぐらいしかできなかった。そんな彼女の前にモニターが出された。そこに映っているのは自分の身体だった!
「ふふ、あんたも結構やらかしているようだね。反体制活動に巨額詐欺、おまけに電子テロ行為。本当なら上級人類に人工進化の対象になりそうなのに勿体ないわね。
それにしても、あんたに対し司法警察部は刑事処分で完全な機械化を要求していたようだけど、何故だか知らないけど保安処分にしろというのが上の指示だから。取りあえず、あんたはベーシックタイプのロボットウーマンに矯正するから。では見ておきなさいわよ、あなたの身体がロボットになるのをね」
そういうと、画面には金属のフレームのようなモノが現れた。それは希美の身体に埋め込まれる統括構造だった。それは背中に置かれると、身体を包みこみ始めた。その瞬間、希美は全身に激痛が走った! その時、文字に起こせないような断末魔のような悲鳴を上げた。
その構造は背骨に人工神経組織を注入すると抹消神経に至るまでナノレベルの神経索を伸ばしていった。それとともに希美の身体の関節部を覆うように複合素材のカバーが被せられていった。また下腹部や肛門からも内臓組織を改変するための触手のような改造マシーンが挿入されていった。そしてお腹の中をかき混ぜるような気色悪さを感じたが、それはまるで全身が溶かされていくようなものだった。
「どう、機械の部品に改造されている感想は? まあ、しゃべれないだろうけどね。そうやってみんなロボットに生まれ変わるのよ、私も通って来た道だから。まああんたは幸せよ、こうやって機械になっていく様子をリアルタイムで見れるのだからね! よおく見ておきなさいよ! 希美!」
オルガはそう言っている間も、画面には真っ黒な女たちによって人間の娘からガイノイドに改造されていく希美の身体が映し出されていた。最初のうちは人間らしかった姿も、機械の構造に覆われ、外骨格を被せられると、紺色のロボットウーマンの身体になっていた。白い肌を持った肉体は失われ関節に切り込みが入り、金属の輝きを持つ機体になった。人間由来のものといえば女性らしい曲線美があったぐらいであった。その時、最後に残っていた人間らしいものに気付いた。それは顔だった! その顔だけは人間であると主張していたが、それさえも奪われようとしていた。
希美の身体と心は保安処分による矯正の名のもとに機械に改造されることになった。この時、不幸中の幸いだったのは不可逆的な改造の対象にならなかった。でも、それも死刑の執行猶予みたいなものだった。再改造によって人間に戻されない可能性があったから。
それはともかく、今の希美は改造素体にすぎなかった。オルガは市民登録一覧から阿須瀬希美を抹消し、人間として保護される対象から除外した。これにより希美は体制下では肉の塊と化した。肉の塊は矯正によって加工されるわけだ。
「希美! これから矯正させてもらうわね。ちなみにここにいる作業者は全員元は人間の女だったのよ。あなたは温情により完全には機械に改造されないけど、ここにいるのは全て生きていくために全身を機械と一体化しているのよ。まあ、今後はどうなっていくのかはあんたの行い次第だけどね」
オルガは少し笑ったような口調でいった。それにしても人間扱いされなくなると、タメ口なのが、頭にきた。それに矯正というのは機械にすることだと分かった希実は涙をながしていた。機械になんかなりたくない、機械になるぐらいなら・・・でも身体の自由は利かなかった。涙を流し眼球を動かすぐらいしかできなかった。そんな彼女の前にモニターが出された。そこに映っているのは自分の身体だった!
「ふふ、あんたも結構やらかしているようだね。反体制活動に巨額詐欺、おまけに電子テロ行為。本当なら上級人類に人工進化の対象になりそうなのに勿体ないわね。
それにしても、あんたに対し司法警察部は刑事処分で完全な機械化を要求していたようだけど、何故だか知らないけど保安処分にしろというのが上の指示だから。取りあえず、あんたはベーシックタイプのロボットウーマンに矯正するから。では見ておきなさいわよ、あなたの身体がロボットになるのをね」
そういうと、画面には金属のフレームのようなモノが現れた。それは希美の身体に埋め込まれる統括構造だった。それは背中に置かれると、身体を包みこみ始めた。その瞬間、希美は全身に激痛が走った! その時、文字に起こせないような断末魔のような悲鳴を上げた。
その構造は背骨に人工神経組織を注入すると抹消神経に至るまでナノレベルの神経索を伸ばしていった。それとともに希美の身体の関節部を覆うように複合素材のカバーが被せられていった。また下腹部や肛門からも内臓組織を改変するための触手のような改造マシーンが挿入されていった。そしてお腹の中をかき混ぜるような気色悪さを感じたが、それはまるで全身が溶かされていくようなものだった。
「どう、機械の部品に改造されている感想は? まあ、しゃべれないだろうけどね。そうやってみんなロボットに生まれ変わるのよ、私も通って来た道だから。まああんたは幸せよ、こうやって機械になっていく様子をリアルタイムで見れるのだからね! よおく見ておきなさいよ! 希美!」
オルガはそう言っている間も、画面には真っ黒な女たちによって人間の娘からガイノイドに改造されていく希美の身体が映し出されていた。最初のうちは人間らしかった姿も、機械の構造に覆われ、外骨格を被せられると、紺色のロボットウーマンの身体になっていた。白い肌を持った肉体は失われ関節に切り込みが入り、金属の輝きを持つ機体になった。人間由来のものといえば女性らしい曲線美があったぐらいであった。その時、最後に残っていた人間らしいものに気付いた。それは顔だった! その顔だけは人間であると主張していたが、それさえも奪われようとしていた。
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