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壱章:例外中の例外の少女ヘレン
15.相棒は誰がいい?
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わたしヘレンいや奈津は目覚めてしまったの。人生の目標に。そう和夫さんの転生体に出会う事に。でも記憶が曖昧になっていたの。なぜか死者の門で聞いたあの人の名前を思い出せなかった。たしか、あれは?
そんな風に考えていたので次の日の授業は身が入らなかった。そもそも慧眼力という特殊能力だけで入学が許されたようなものだから勉強はあまり得意でなかった。出来るといえば裁縫や料理に格闘武術ぐらいだったから、座学なんて嫌で仕方なかった。
昼休憩にジャヌルス先生の部屋に呼び出された。先生は過去数多くの競技会で優秀な成績を収めこの女子鍛錬所エリザベト三世記念上等学校の教官に招聘されていた。噂では競技会の賞金の利子だけで生活できるという資産を持っているので、教官は趣味みたいだといわれていた。
「ヘレンさん、約束だったわね。特訓してもらうわ、紫水晶ダンジョン杯にエントリーしてもらうために」
そういうと契約書と参加要項の書かれた紙を差し出してきた。
「あのう、先生。それなら同じ学年にも私よりも強い生徒はいるのになぜ私なのですか?」
私は参加要項を読みながら尋ねた。参加要項によればやる気があるのならだれでも参加できる。ただし競技大会未経験者にかぎるとあった。
「決まっているじゃないの、あなた出場した事ないんでしょ競技大会に! この学校の生徒の多くは英才教育を受けた者ばかりでなんらかの大会に参加しているからね。それにあなたは跡継ぎ娘じゃないんでしょ? そうなれば新たな家を創設するために努力しなければいけんでしょ!
それにしても・・・なんで14歳まで凡庸な少女だったのに突然、能力があがったの? なにか理由があるんですか?」
「いえ・・・私にも分からないです・・・」
本当はヘレンとして転生した際に神様が与えてくれた力だと気付いていたけど、そんな転生したなんて話は信じてもらえそうもなかったので、口にしなかった。
「ところであなた、男性と遊んだことはないよね?」
「なんですか先生いきなり?」
「いやねえ、隠れて付き合っている男でもいたことないかと思って」
「それはないですわ! 校則で禁止されているじゃないですか!」
「それもそうよねえ、実はダンジョン紫水晶杯は男も未経験者が参加するんだけど、あなたの男の好みが聞きたかったの」
いきなりの事で私エリスいや奈津はずっこけてしまった。先生から男の好みを聞かれるなんて思ってもいなかったからだ。
「それって、そのう、どんな意味ですか?」
「意味? 決まっているじゃないのよ競技会参加の相棒を選ぶのよ! まあ、何なら適当に決めてもいいけど」
先生はそういってリストのようなモノを出してくれた。それは名前とスキルの特徴やレベルの評価などが書かれていたけど、そんな数字と文字の羅列でどう判断しろというのか分からなかった。
「うーん、私にはわかりかねますわ。いきなり相棒を選ぶといわれても・・・」
「それもそうね。実は私も分からないわ。この大会って出来て日が浅いから、どんな男女ペアを組めばいいのか分からないわ。でも心配しないで、出来るだけ良いのをえらぶから、このリストの騎士や魔道士や剣闘士のなかから」
その時、頭の中で奈津の魂の声が聞こえたので、こう言っていた。
「先生! 出来たら騎士のなかから選んでもらえないですか?」
「騎士? なんで? 大会要項にあるでしょ、ダンジョンの中を行くんだと。騎士だったらあまり役に立たないかもしれないわよ!」
先生は何を根拠にして騎士がダンジョンで役に立たないと言っているのか分からなかったけど、私は騎士の中に和夫さんの魂を受けついでいるような気がしたからだ。
「まあ、あなたがそう言うのでしたらそうしましょ。ただ一つ言っておくわね。いきなり男を受け入れた邪魔よ。あなたの慧力の伸びしろは大きいのだから」
その騎士のリストの中に本当に和夫さんがいるのかを知りたかった。
そんな風に考えていたので次の日の授業は身が入らなかった。そもそも慧眼力という特殊能力だけで入学が許されたようなものだから勉強はあまり得意でなかった。出来るといえば裁縫や料理に格闘武術ぐらいだったから、座学なんて嫌で仕方なかった。
昼休憩にジャヌルス先生の部屋に呼び出された。先生は過去数多くの競技会で優秀な成績を収めこの女子鍛錬所エリザベト三世記念上等学校の教官に招聘されていた。噂では競技会の賞金の利子だけで生活できるという資産を持っているので、教官は趣味みたいだといわれていた。
「ヘレンさん、約束だったわね。特訓してもらうわ、紫水晶ダンジョン杯にエントリーしてもらうために」
そういうと契約書と参加要項の書かれた紙を差し出してきた。
「あのう、先生。それなら同じ学年にも私よりも強い生徒はいるのになぜ私なのですか?」
私は参加要項を読みながら尋ねた。参加要項によればやる気があるのならだれでも参加できる。ただし競技大会未経験者にかぎるとあった。
「決まっているじゃないの、あなた出場した事ないんでしょ競技大会に! この学校の生徒の多くは英才教育を受けた者ばかりでなんらかの大会に参加しているからね。それにあなたは跡継ぎ娘じゃないんでしょ? そうなれば新たな家を創設するために努力しなければいけんでしょ!
それにしても・・・なんで14歳まで凡庸な少女だったのに突然、能力があがったの? なにか理由があるんですか?」
「いえ・・・私にも分からないです・・・」
本当はヘレンとして転生した際に神様が与えてくれた力だと気付いていたけど、そんな転生したなんて話は信じてもらえそうもなかったので、口にしなかった。
「ところであなた、男性と遊んだことはないよね?」
「なんですか先生いきなり?」
「いやねえ、隠れて付き合っている男でもいたことないかと思って」
「それはないですわ! 校則で禁止されているじゃないですか!」
「それもそうよねえ、実はダンジョン紫水晶杯は男も未経験者が参加するんだけど、あなたの男の好みが聞きたかったの」
いきなりの事で私エリスいや奈津はずっこけてしまった。先生から男の好みを聞かれるなんて思ってもいなかったからだ。
「それって、そのう、どんな意味ですか?」
「意味? 決まっているじゃないのよ競技会参加の相棒を選ぶのよ! まあ、何なら適当に決めてもいいけど」
先生はそういってリストのようなモノを出してくれた。それは名前とスキルの特徴やレベルの評価などが書かれていたけど、そんな数字と文字の羅列でどう判断しろというのか分からなかった。
「うーん、私にはわかりかねますわ。いきなり相棒を選ぶといわれても・・・」
「それもそうね。実は私も分からないわ。この大会って出来て日が浅いから、どんな男女ペアを組めばいいのか分からないわ。でも心配しないで、出来るだけ良いのをえらぶから、このリストの騎士や魔道士や剣闘士のなかから」
その時、頭の中で奈津の魂の声が聞こえたので、こう言っていた。
「先生! 出来たら騎士のなかから選んでもらえないですか?」
「騎士? なんで? 大会要項にあるでしょ、ダンジョンの中を行くんだと。騎士だったらあまり役に立たないかもしれないわよ!」
先生は何を根拠にして騎士がダンジョンで役に立たないと言っているのか分からなかったけど、私は騎士の中に和夫さんの魂を受けついでいるような気がしたからだ。
「まあ、あなたがそう言うのでしたらそうしましょ。ただ一つ言っておくわね。いきなり男を受け入れた邪魔よ。あなたの慧力の伸びしろは大きいのだから」
その騎士のリストの中に本当に和夫さんがいるのかを知りたかった。
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