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わたしのゼンタイ姿を見せないでよ! 編

10. 纏わりつく吐息

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 わたしは甘だるい激しい衝動に駆られ激しく呼吸していた。そうなるのもアスナの男のような激しいピストン運動と生地越しの愛撫に融けていたからだ。
 アスナとシンジは顔が似ていなかったが、やはり血はつながっているのは確かだった。それにしても変態な兄妹だ。本当に人を見た目では判断してはいけないということだ。

 それにしてもゼンタイに覆われていると、いつものエッチとは違う地平にやってきていると自覚した。わたしも相手も違って見えるからだ。

 ゼンタイの生地越しに見えるアスナはピンク一色の人の形をした何かにしかみえなかった。それは人の形をしたスライムみたいで、目も鼻も口といった相手を個人認識する情報は遮断され、ただ凸凹だけが見えるだけだ。

 胸は圧迫されていたが、それでも豊穣な胸であるのは確かであった。しかも、あろうことかわたしはそれを揉んでいたのだ!
 いつもは自分の胸を相手の男に揉まれることがあるけど、同じ女の胸を揉んで興奮している自分がいることに気付いた。いつものようにフツーにハダカとハダカでこんなことをやっていたら、いくら性に放埓なわたしでも倫理的にもおかしいと思うし、嫌悪感を覚え涙を流していたと思う。

 しかし今はゼンタイに覆われ、人間の姿を捨てていたので、平気だった。そう人間という枠組みをはみ出していたようだった。アスナもわたしも今は人間ではなく別の生命体になったような気がしていた。

  そのとき、わたしは奇妙な感覚に襲われていた。自分の吐息がマスクに覆われていることで、顔面全体にフィードバックされるので、なんともいえないものだ。
 こんなに、自分の吐き出す息を再び纏わりつくなんて思ってもいなかったのだ。しかも、その吐息でますます興奮するのだ。なんてことなんだろうか?

 ひょっとすると、いまのわたしはゼンタイによって本当に別の生き物に変身したのではないか? そんな妄想すら思い浮かんでいた。目の前のアスナも人間ではなくなっているのではないかと・・・

 わたしとアスナの股間のアソコは結合しているので、愛液まみれになっていたが、これがゼンタイ姿でなかったら恐ろしいほど後悔するところだったかもしれない。それだけ、わたしは変態な事をしているのだから。

 ものすごく変な感覚をすごした後、わたしとアスナにもうひとつのゼンタイ野郎が近づいてきた。そうシンジだ! それにしてもシンジもアスナもとんだ変態ゼンタイフェチ兄妹であるけど、そういうわたしは、この快楽に完全に溺れていた・・・
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