マーメイド・ZENTA・I・ガール★

ジャン・幸田

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(6)人魚とはいったいどんな生き物

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 人魚、といったら普通想像するのは上半身が人間の女で下半身が魚、といった姿だ。それが全身が魚の鱗に覆われた人間は半魚人、男だったらマーマン、女だったらマーメイドといったりする。まあ、話は逸れたがスズの人魚に対する愛着は半端ではなかった。わざわざ大金をつぎ込んでゼンタイを着た人魚の動画を作ろうとしていたから!

 「あのねえ、人魚の身体ってこんな風になっているって誰から聞いたのよ!」

 人魚の着ぐるみ(下半身のみ)に入れられてしまったアスカは少し興奮気味にスズに聞いていた。アスカも魚を料理のためにさばいたことぐらいはあったので、魚の肛門がどんなふうになっているか知っていた。だから、いま自分のアソコがリアルな魚の肛門のようになっているのがショックだった。

 「そりゃ、わたしがそうなっているんだと思ったからそうしたのよ! だって、そうでしょ見たことないものを想像するんだから、本当はどうなのか確かめているわけではないんだから」

 スズはよくわからない理屈で答えたけど、まあ人魚なんて生き物は人間の想像の産物なんだから、想像する人が違えば変わるんだという意味らしかった。しかし、若い女をモデルにして変な事をやるもんだとアスカは思っていた。すると、もう一人の変な女のミリが衣装を持って現れた。

 「さあてアスカちゃん! そろそろ私が用意したマーメイドゼンタイスーツを着てちょうだいね! 下半身はリアルな鱗模様が付いているし、上半身は美しく見える生地だから、あなた結構綺麗に見えるわ! それに気持ち良くなるわよ、もう一生人魚のままでいたくなるわよ、きっと」

 その衣装は人間の抜け殻のようだったが、大きな尾びれが付いていた。人魚になったアスカを覆うために用意されたものだった。

 「それって・・・やっぱ変じゃないの?」

 アスカは正直な事を言ってしまった。アスカが所属している芸能事務所は変な営業ばかりしているところだった。アダルトなエッチ作品に出演するモデルばかり所属していたけど、変な集まりだった。簡単にいえばヲタクかエロネタ大好きな女ばかりだった。世間で最近問題になった無理矢理契約させられて嫌な作品に出演されるという、強引な手法で集まったわけではなく、ただのモノ好きばかりだった。

 アスカの場合は、エッチな事を体験出来てお金もらったらラッキー! といった軽い気持ちで契約したものの世間は甘くなく、アスカの雰囲気では仕事のオファーがくることは少なく、やっと指名されてきたのがこの仕事だったという訳だ。こんなのならアニマル着ぐるみの内臓になるほうがよかったと思ったけど、あれ? 人魚もアニマルのひとつよね? 想像上のものかもしれないけど。

 「アスカちゃんたら! 人生は何事もチャレンジよ! はやく完全体になりなさいよ!」

 そういってミリはスズと一緒になって身動きの取れにくいアスカの身体を持ち上げ始めた。
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