おんな戦闘員に憧れて

ジャン・幸田

文字の大きさ
4 / 21
壱・拉致?

4.早くなりたい!

しおりを挟む
 私の中の妄想では女戦闘員というものは強制的にされるものだと思っていた。素質があるのかどうかは別にして、ある日突然一般人を拉致して洗脳して最後にあのピッタリと全身を覆うゼンタイ(全身タイツ)のような戦闘服を着せて戦闘員にするのだと。しかし、様子が違っていた。なかなか秘密結社とやらは迎いに来なかった。なかなか来ないので、私は途中で公衆トイレに行ったり自動販売機でジュースを買ったりしていた。

 あとで聞いた話だけど三〇五さんは、一層の事逃げてもらっても構わないと思っていたそうだ。あんまりにも新人の戦闘員を受け入れるのは面倒だからだそうだ。だから見つかっても無視すればよかったと。

 「あのう、わたしっていつ戦闘員にしてもらえるのですか? もしかすると不適合だったら始末なんてされないですよね?」

 「始末って・・・つまり殺すって言っているわけなの? そんな非人道的な事はしませんわよ、うちの組織は、だって・・・」

 七〇七さんが私の質問を答えようとしたところ、さっと三〇五さんが彼女の口をふさいだ。口といっても彼女の顔は真っ黒い物体に覆われているので正確な位置なのかは分からなかったが。

 「ちょっと待って! あなたはまだ戦闘員になれるのか決まっていないのですよアカリさんは! うちの組織について教えてあげれるのは改造が済んでからよ。もっとも改造不可だったら健忘剤を飲んでもらうだけよ」

 改造! 改造という言葉に私の心はときめいていた! 改造されたら目の前の二人のようになれるんだと思うとうれしかった。だから私は七〇七さんの胸をまさぐっていた。すると彼女は嫌がる様なそぶりをしはじめた。

 「あのねえ、あんたって戦闘員フェチかゼンタイフェチじゃないの? あたいなんて交換条件でこの姿にされたのよ! 少なくとも戦闘員の雇用期間が終わるまでは人間に戻れなくなるのよ!」

 そういいながらも七〇七さんはムズムズしたような小刻みな動きをしていた。それってまるで感じているようだった。

 「この戦闘員のスーツってピッタリしていますね! どうしてシワがよらないのですか?」

 私は戦闘員のスーツは着ているんだと思っていた。着ているのならどうしてシワがよらないんだろうかと不思議に思っていた。

 「どういえばいいんかしら? 私たち女戦闘員って肉体を強化改造されたついでに全身の皮膚も改造されているのよ! つまりは、あたいってハダカなのよ!」

 「ハダカ?」

 私は、その言葉を聞いて無性に嬉しくなった! 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...